CIOアドバイザリーサービス

デジタル化の進展により、ますます重要性が高まっている組織的なIT活用能力の向上をサポートします。

デジタル時代の攻めと守りを両立する組織・仕組みを作る

IoT、AI、データアナリティクスなどのデジタルテクノロジーが急速に進展しています。デジタルテクノロジーの活用、すなわちデジタル化の目的は、業務の効率化や高度化のみならず、新たな商品・サービス・ビジネスモデルの創出にまで及んでいます。

いまや、デジタル化は企業の命運を左右するものとなりつつあります。今後、デジタル化への対応は、CIO、CDO(Chief Digital Officer)のみならず、CEOやCMO(Chief Marketing Officer)にとっても重要なミッションとなります。

デジタル化においては、最新テクノロジーにキャッチアップし、それを見極め、ビジネスへの活用を考え、その実現をスピーディに行う「攻め」の姿勢が強く求められます。デジタル情報や情報システムへのサイバー攻撃は企業経営や人命にまで影響を与えうるため、セキュリティ対策などの「守り」の重要性も増してきます。そして、スピードを重視した対応の副作用としてありがちなIT資産の重複投資やセキュリティの脆弱性を避けるためにITガバナンスが必要になります。

このように、デジタル化時代においては、これまで以上に組織的な高いIT活用能力が求められてきます。例えば、経営層のデジタルリテラシーやリーダーシップ、社内のデジタル化を担う各種人材の獲得・育成、IT部門と事業部門のシームレスな連携、ベンダー・コンサルタント・ビジネスパートナー・有識者といった外部の有効活用・連携、スピードとガバナンスを両立する投資判断などが求められます。

PwCコンサルティング合同会社には、ビジネスにおけるデジタルテクノロジーをはじめとするIT活用の専門家が数多く在籍しています。これまでに思いつかなかったデジタル化アイデア創出、新技術動向を踏まえた適切な目利き、ビジネスモデル構想、ビジネスプロセス構築、IT活用・導入の支援、さらにはその後もIT活用において継続的に効果を出し続けるために必要なクライアント企業のIT活用能力の向上までトータルで支援することができます。

デジタル時代のITモダナイゼーション 10原則

概要

市場環境が変化し、デジタルテクノロジーによる既存のビジネスモデルの破壊や、優れた顧客体験の提供による競争優位の確立が当たり前のこととなっています。ITのライフサイクルはこの先も年々短くなっていき、市場環境の変化はますます加速していくでしょう。

企業のIT組織は、こうした最新テクノロジーの導入を期待されているにもかかわらず、何年も前に導入したITシステムの保守管理に追われ、なかなか経営陣や社内の期待に応えきれない状況にあります。そのため、まずは障害となっているレガシーITシステムをモダナイズ(近代化)することが急務となっています。

ただしデジタル時代のITモダナイゼーションは、単なる技術・インフラの刷新にとどまりません。「自社がテクノロジーを扱う方法そのもの」もあわせて刷新(モダナイズ)しなければならない、という覚悟が必要です。ハードウェアは、もはやスタンドアローンで稼働させるものではなく、センサーを内蔵してネットワークにつながるノードです。ソフトウェアはインストールを要するパッケージではなく、クラウド上で消費されるサービスであり、新しい手法で開発され、自動的にアップデートされるものです。デジタル時代の新しいルールに合わせ、自社のプレイスタイルを変えなくてはならないのです。

ITモダナイゼーションにおいて、最も難しいことは技術的な問題ではありません。システムを使いやすくするにはどう設計すべきか、どうすれば社員に使いこなしてもらえるか、企業全体に変化を促すには何をすれば良いか、といった人や組織にまつわることこそが問題です。これは今も昔も変わりません。

レガシーITシステムを将来のデジタルプラットフォームへ、そしてレガシーIT組織をデジタル時代のIT組織へと変革する「デジタル時代のITモダナイゼーション」にどう取り組むべきなのでしょうか。PwCが提示する10の原則をご覧ください。

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1.顧客価値を最優先する

最も重視すべき判断基準は、顧客により良い価値を提供できるかどうかです。テクノロジーに対する全ての投資は、従来よりも優れた顧客体験、かつ高品質で効率的なオペレーションを通じて、顧客に利益をもたらすものであるべきです。

ITモダナイゼーションによって想定される顧客価値を明示したビジネスプランの作成から取り組みを始めましょう。(1)クロスファンクションの検討チームを組成して、(2)最新のテクノロジーおよびその進化の方向性とビジネスで達成したい成果を結び付けて繰り返し議論し、(3)顧客への価値とその提供に必要なケイパビリティを共通言語にまで昇華させ、(4)モダナイゼーション構想としてまとめます。

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2.モジュール型のITアーキテクチャ

多くの企業において、ITの基盤となるアーキテクチャは、組織の変遷とともに、無計画かつ場当たり的につぎはぎされてきたのが実情です。結果として、運用、統合、アップグレードなどにおいて、システムごとに異なるアプローチを必要とする状態に陥っています。

この現状は、モジュール型のITアーキテクチャの採用によって改善していくことが可能です。ソフトウェア開発標準、統合標準、アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)などの整備により、個別のインターフェイス開発に工数を割くことなく、既存システム同士のインタラクションを実現し、外部サービスをも採り込んだコンポーネント開発が容易になります。

ITアーキテクチャの簡素化の検討には、発想の転換が必要です。システム同士をどう接続するか?ではなく、どうすればシステムの価値がより高まるか?どうすれば顧客をより惹きつけられるか?どうすれば社員がより楽に業務を遂行できるか?を考え、簡素化と差別化ケイパビリティ(原則その7)にフォーカスしたIT標準、IT設計ガイドラインに落とし込みます。

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3.ミニマム・バイアブル(実行可能な最小単位)のアプローチ

現代の組織には絶えず変化する環境への適応が必須であり、製品、サービス、業務プロセスには絶え間ない革新が必要です。ITシステムは、これらの変化に追従していける柔軟性を持つ必要があります。

従来のITシステムは特定の業務をうまく処理できるよう構築されており、組織のフォーカスする業務が変わればITシステムも広範な変更が必要となりました。今日のモジュール構造のITシステムは、もっと柔軟です。コネクションとコンフィギュレーションのみを変更し、「プラグ・アンド・プレイ」で組織に新たに必要となった機能(たとえ当初はその目的で設計されているわけではなかったとしても)を充足させることも不可能ではありません。

ITモダナイゼーションには、できる限り「ミニマム・バイアブル・プロダクト」アプローチの適用を推奨します。新システムの価値を実証できる必要最低限の機能のみをカバーする骨組みを構築した上で、少数のユーザーにリリースし、反応を観察・検証し、機能の過不足を見極め、改善していくアプローチです。

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4.チェンジマネジメント

ITモダナイゼーションは、単なるITシステム更新と捉えられがちです。しかしながら、ITモダナイゼーションによる変化は、ユーザーが変化を受け入れた場合にのみ成果をもたらします。新しいシステムを企業の文化に融合させていかなければなりませんが、それにはまず、自社の社員が新たに導入しなければならない習慣を明確に識別することから始める必要があります。

さらに、社員は顧客のプライバシーを守りつつ顧客データを分析するすべを理解しているか?社員は外部パートナーと効果的にコラボレーションするスキルを身に付けているのか?対処できていない懸念や不安がないか?など、経営層はどのような教育、人材採用、組織変更が必要かを判断し、対応策を講じる必要があります。

ITの取り組みにユーザーを巻き込むのは常套手段ですが、ITモダナイゼーション後に求められる行動をすでに体現している人材を参画させてみてください。彼らが、組織は変化を受容できそうか、どこで抵抗が起きるか、抵抗を抑えるのにどのくらいの労力を要するのかを教えてくれるはずです。

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5.「サービスを使う」マインドセット

テクノロジーに対する伝統的なアプローチでは、企業が所有し運営する資産としてITシステムを扱います。一方、現代のアプローチでは、ITシステムを所有することなく、企業が必要に応じて消費できるサービスとして、テクノロジーを扱います。自社のニーズに沿いさえすれば、最適なプロバイダーから最適なサービスを選択し、組み合わせて使うことが可能です。

このアプローチは自社のIT組織のマインドセットを再定義します。ITにかかわるサービスがアウトソースされ、ダイナミックに運営され、効果的でなければ取り替え可能であるならば、サービスを構築し提供することに知恵と労力を割くことなく、どうすれば顧客のニーズを満たしてもっと高い顧客価値を創造できるかを考えることに注力できます。IT組織のパフォーマンスが、IT資産やIT運用のROIではなく、ITによる生産性と成果のROIで測られるようになるのです。

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6.軌道修正を前提としたロードマップ

ITモダナイゼーションは段階的な取り組みにならざるを得ません。従って、実現したい顧客価値(原則1)を目指して、一連のマイルストーンとその時点で到達したい価値創造レベルを記載したITモナダイゼーションのロードマップを策定することが必要です。

策定したロードマップに対する主要なステークホルダーのコミットメントを事前に得ておくべきですが、どれほど周到に計画していてもITモダナイゼーションのジャーニーは順風満帆には進まないため、どこかで軌道修正を余儀なくされます。ロードマップの各マイルストーンにおいて、これまでの取り組みを振り返り、次のステップを良くするためにはどうすべきか、必要な軌道修正を議論する期間を設けておくことが大切です。

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7.ケイパビリティ単位での推進

多くの企業にとって、全てのレガシーシステムを一度に再構築することは困難なため、レガシーシステムを再構築するためには、適切にサブシステムに分割し、優先順位付けを行い、順番に再構築していく必要があります。この分割、優先順位付けの際に、最も重要な目標、すなわち顧客に価値を提供するケイパビリティの構築に焦点を絞ることが重要です。

他社と違う価値を生み出す自社の差別化ケイパビリティは、業務プロセス、組織・人材、ITシステムの組み合わせです。ITモダナイゼーションを、自社の差別化ケイパビリティをデジタル技術でさらに磨きあげる好機として捉えるべきです。そのためには、それぞれのケイパビリティの提供にかかわるアプリケーションやインフラをカテゴライズして、ケイパビリティごとに最新技術による強化の余地を検討し、ケイパビリティごとに再構築を推進していくのが望ましい進め方です。

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8.アジャイル

ITモダナイゼーションを実行する際には、より早期に成果を享受できる手法を追求する必要があります。成果を得るのに何カ月も先のシステムリリースを待たなければならないビッグバン的なサービスリリースはできる限り避けて、機能単位に分割してシステム開発を行い、使用可能になった機能から順次短サイクルでリリースしていくことを勧めます。

ユーザーからのフィードバックを即時受け取り、ユーザーニーズに基づいた修正を繰り返していけるのであれば、完全ではあるもののリリースまでに期間を要する従来の手法よりも、不完全であっても早期にリリースできる手法が望ましいです。

スクラム開発、エンタープライズアジャイル、DevOps、リーンITなど、いずれの開発フレームワークを選んだとしても、こうしたアジャイルの設計・開発手法を採り入れる際には、全てのステークホルダーにトレーニングを受けさせ、活動に対する共通理解を醸成することが必須です。

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9.核となるリソースへの重点投資

ITモダナイゼーションを始める前には、成果を上げるために必要なリソースが足りているかを慎重に分析する必要があります。中でもプロジェクト管理能力と変革のリーダーシップは、技術スキルと同じくらい重要な要素です。プロジェクトチームを結成する際は、人選を慎重に行い、進むべき方向性への強いこだわり、学習する意欲と能力、不確実な状況への許容性、コラボレーションとチームワークの行動様式を有するメンバーを選定します。

投資配分もまた重要です。ITモダナイゼーションの優先順位や予想される価値と投資配分が整合しているのは当然ですが、投資を行わない領域を明確に示すことも非常に重要です。

単一のベンダーに依存し過ぎてしまうベンダーロックインの状況はできるだけ避けます。オープンソースソフトウェアやオープンAPIの適用実験、複数ベンダーソリューションの組み合わせ検証などの活動への投資はそのために必要です。

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10.価値観と信頼を共にするパートナーの選定

ITモダナイゼーションで採用するテクノロジーは組織の将来にとって重要です。従って、ITモダナイゼーションにおいて主要な位置を占めるソリューションやサービスの調達は、通常のIT調達のイベントと同様に扱うのではなく、単なる取引関係を超えたウィン‐ウィンの関係構築が可能なパートナー企業の探索活動として捉える必要があります。

パートナー候補として挙がった企業と価値観を共有できるか、パートナー候補企業の経営層は信頼できるかを判断する際には、公開情報の調査・分析に加えて、関係者との面談や企業訪問などによる一次情報の収集が不可欠です。加えて、パートナー候補企業が自らのために構築したITシステムを見せてもらい、その能力を測るのも有効な手段です。パートナー候補企業のITシステムが、いかにその企業の差別化ケイパビリティをサポートしているか、ひいては顧客となる自社にどのような恩恵をもたらしうるかを推し測るのです。

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主要メンバー

荒井 慎吾

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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大原 正道

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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桂 憲司

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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瀬川 将義

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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