
データマネタイゼーション実態調査2025
日本企業のデータマネタイゼーションへの取り組みが加速しています。PwCの最新調査では、データマネタイゼーションの活動が国内企業に定着するなか、「始まりの壁」「生みの苦しみ」といった課題感が存在し、それらに対して社内プロセスやステージゲートの整備などが有効な施策となり得ることが明らかになりました。
データに基づく意思決定や業務プロセスのデジタル化を進める上で、データの品質をいかに担保するのか、という問題は避けられません。
“Garbage in, garbage out”(ゴミを入力するとゴミが出力される)とも表現されるように、正確性を欠いたデータや、複雑にサイロ化したデータは、データ分析の精度を低下させてしまいます。また、データ活用全体のコストや効率性にも悪影響を及ぼし、組織が望むパフォーマンスの発揮を阻害する要因となり得ます。
また、SaaSやパッケージソフトの導入が当たり前となっている現状では、製品ごとに依存するデータモデルが異なるという新たな問題も生じています。これらの問題に対応するには、ベスト・オブ・ブリード型のシステム構成を前提にした上でデータ品質戦略を確立し、場当たり的なデータ品質管理から脱却する必要があります。
データ品質管理は、大きく6つのステップに分けて検討することができます。まず対象範囲・アプローチを決定し、その上でどのように統制・管理するか、組織・プロセスを設計します。その後、データ品質を維持・運用するためのインフラストラクチャを検討し、必要となるトレーニングを施し、品質プログラムを展開します。
この中ではStep3の「データ品質プロセス定義」が特に重要であり、データ品質を向上させ、効果を確実なものとするためのキーとなります。
以下の図4はデータ品質プロセスのフレームワークです。各構成要素内で、次のプロセスを実施するために明確化すべきポイントを記載しています。このデータ品質プロセスに従うことで、PDCAサイクルを実行することが可能となります。
では、データ品質管理の成熟度はどのように評価するべきでしょうか。PwCではデータ品質の成熟度を測るにあたって「戦略的資産としてのデータに対する信頼レベル」と「企業データを取り巻く人・プロセス・テクノロジーの成熟度」を評価の軸としており、成熟度レベルを「気づいていない」「Reactive(反応的)」「Proactive(主体的)」「Optimized(最適化)」の4段階で定義しています。
成熟度レベルを「Optimized(最適化)」に到達させるためには、スポンサーやエグゼクティブ/ボードメンバーがデータ品質の影響度や重要性を理解することが求められます。また、全社で保有しているデータ資産をうまく維持・運用・活用できるよう、専門組織やプロセス、それらを支えるテクノロジーを整備していく必要があります。
PwCでは、自社が保有しているデータ・トランスフォーメーション・フレームワークに基づき、成熟度の評価から、ビジネス戦略から実業務への落とし込み、データ品質管理ツールの導入と運用まで、一貫した支援が可能です。各種業界への支援を通じて豊富な知識・経験を有しており、PwCグローバルネットワーク共通の知見・方法論・ツールセットも活用することで、クライアントが抱える多様な課題解決に貢献します。
また、組織全体のデータ戦略を踏まえ、最小限のリソースで最大の効果を発揮するデータ品質管理導入を支援します。
日本企業のデータマネタイゼーションへの取り組みが加速しています。PwCの最新調査では、データマネタイゼーションの活動が国内企業に定着するなか、「始まりの壁」「生みの苦しみ」といった課題感が存在し、それらに対して社内プロセスやステージゲートの整備などが有効な施策となり得ることが明らかになりました。
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