重工業

社会インフラを支える重工業界の企業の共創パートナーとして、ESG対応を通じた持続的成長を支援します。

気候変動や人権問題の顕在化により、日本を含む国際社会では近年、持続可能性を考慮した取り組みが加速しています。企業活動においては、2019年に米経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が「株主資本主義」から「ステークホルダー資本主義」への転換を示し、政府・国際機関ではESG(環境、社会、企業統治)の観点から各種規制の整備が進められています。また、投資家や金融機関においても投融資先の選定にあたってはESGの指標が重視されるなど、企業活動を継続する上でESGへの対応は必須となっています。これは、長年にわたり社会課題の解決に貢献してきた日本の重工業界も同様です。

ESGは、戦略立案から資金調達、実行、ステークホルダーとのコミュニケーションまで、対応すべき範囲が多岐にわたります。PwCは、課題解決に向けた最重要手段としてESG対応を位置づけ、さまざまな分野のプロフェッショナルが緊密に連携し、ESG対応を通じた企業価値向上の取り組みを一貫して支援します。

取締役会の構成

社会課題の解決と中長期的な企業価値向上を実現するため、経営の監督と執行を分離し、多様性と適正規模を両立させた取締役会を構成できているか

重工業界を取り巻く環境が急速に変化する中で、持続的な成長を達成するためには、最新のコーポレートガバナンスコードに対応するのみならず、社会価値と企業価値を両立するための経営判断が必要です。

株主、顧客、従業員、地域社会などのステークホルダーを考慮した透明性と健全性の高い経営を行うとともに、環境的・社会的要因に関連する役員報酬の具備を含む取締役会の設計が求められています。

取締役会の構成 戦略 リスク管理 ステークホルダー・コミュニケーション

戦略

企業価値と社会価値を両立するための経営戦略の策定と実行により、全社的な収益の向上を実現できているか

持続可能性に対するステークホルダーからの要請の高まりを受け、企業価値と社会価値を全社レベルで両立する「トレード・オン」領域における事業展開および、新規事業の創出に向けた事業ポートフォリオ管理や経営資源配分が求められています。

事業レベルにおいても、環境や人権への配慮を欠いた製品やサービスの需要は減少していくことが想定されます。そのため、ライフサイクルアセスメントなどを通じて環境負荷を可視化しつつ、ネットゼロの実現に向けた具体的なロードマップを策定し、環境や社会文脈を踏まえたイノベーションを推進する必要があります。

また、これらの経営戦略・事業戦略の策定と実行に加えて、モニタリングの強化による実施状況や収益性の継続的な評価、価値が生み出される場所での適切な納税も求められます。

取締役会の構成 戦略 リスク管理 ステークホルダー・コミュニケーション

リスク管理

従来の戦略リスクに加え、デジタル社会の到来により顕在化したサイバーセキュリティ関連のリスクや、気候変動を含む持続可能性に係る財務・税務リスクの管理ができているか

技術革新による製品・サービスの陳腐化など、従前からの戦略リスクへの対応に加え、社会インフラや防衛装備品などを扱う重工業界の企業はサイバーセキュリティに係るリスクについても管理を強化する必要があります。

また、幅広い製品ラインと長いサプライチェーンを有する業界であることから、気候変動に係る移行リスクや物理的リスクの適切な評価・対応も重要な課題となります。加えて、既存の事業資産の座礁資産化やカーボンプライシングなどに伴う財務・税務リスクについても考慮する必要があります。

取締役会の構成 戦略 リスク管理 ステークホルダー・コミュニケーション

ステークホルダー・コミュニケーション

企業価値向上に結び付くステークホルダーと適切なコミュニケーションがとれているか

情報開示を企業価値の向上に結び付けるためには、従来の財務情報に加え、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :TCFD)など国内外で活用されている枠組みも踏まえたうえで、社会・ガバナンス領域も含めたESG関連の非財務情報を、自社固有の「価値創造ストーリー」としてステークホルダーに発信する必要があります。

また、ステークホルダーとの間で適時・適切に双方向のコミュニケーションを行うためには、従来のセルサイド・アナリスト向け説明会に加え、機関投資家や資産運用会社との直接的な対話の実施、一般投資家向けの「インベスターデイ」(Investor Day)や各種セミナーなどの開催により、ディスカッションの機会を増やしていく必要があります。

取締役会の構成 戦略 リスク管理 ステークホルダー・コミュニケーション

Scope1、Scope2

自社のCO2排出量(Scope1およびScope2)をどこまで「0」に近づけられるか

カーボンニュートラルを達成するためには、ネガティブエミッション技術を活用しながらサプライチェーン全体におけるCO2排出量を削減することが必要です。しかし取り組みの前提として、まずは自社のCO2排出量の極小化が求められます。

また、DER(分散型エネルギー源)の推進や蓄電池を組み合わせたグリーン自家発電の取り組みが、将来的な製品/サービスにつながる可能性もあります。

Scope1、Scope2の削減に向けては、現状のCO2排出量の把握に始まり、目標設定、低減策の実践および排出量の監視と担保が必要になります。また、CO2の排出が財務・税務コストとなる中で、自社の排出量を削減する手段として事業再編などの可能性も存在します。そのため、ビジネス、財務、税務といった多面的な観点から幅広く対応を検討していく必要があります。

Scope1/ 2

Scope3

事業を通して、社会のカーボンニュートラルにどのように貢献するか

資源エネルギー庁が公表している総合エネルギー統計によると、国内のエネルギー起源のCO2排出量は製造業が約4割、運輸業が約2割を占めます。重工業界は、バリューチェーン上にエネルギー/運輸業を有していることから、CCS/CCUSなどのネガティブエミッション技術の活用や、水素やアンモニアのエネルギー源としての実用化促進により、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献することが可能です。

これらのカーボンニュートラルを達成するための技術や製品を生み出すためには、経営資源の配分の見直しや事業/技術ポートフォリオの再構築、M&Aや新規事業の立ち上げを通じたイノベーション促進などが必要です。

Scope 3

水資源の枯渇と廃棄物汚染

水資源や廃棄物汚染などの、CO2以外の環境負荷ゼロにどのように貢献するか

環境課題はCO2排出量だけではありません。大規模な工場を有する重工業界の企業にとって、水資源の枯渇や廃棄物による環境汚染も大きな課題の一つであることはこれまでと変わりありません。また、自然エネルギーの活用が進むにつれて、メガソーラーからの反射光による地域の環境問題など新たな社会課題も発生しています。

CO2が環境面の社会課題として大きく取り沙汰されてはいるものの、それ以外の問題も解消しなければ、環境負荷ゼロの達成は不可能です。社会インフラを支える重工業界の企業としては、社会全体の環境負荷ゼロに貢献するためにも、CO2排出量の削減にとどまらない包括的な取り組みが必要となります。

水、 廃棄物・汚染

多様性、公平性、包摂性

優秀な人材をどのように確保し続けるか

企業が持続的に成長していくためには、優秀な人材を継続的に獲得することが必要です。しかし、優秀な人材は他業界間との争奪戦となります。新たな働き手となるZ世代(1996年~2015年に生まれた世代)は、多様な働き方や、ダイバーシティの推進を求める傾向が強いことから、その争奪戦を勝ち抜くためには企業には多様性を受け入れる土壌が求められています。

また、Z世代は持続可能性を含む社会課題に対して強いコミットメントを有しているとも言われています。重工業界の企業は主にB to B事業を行っていることから、B to Cの企業と比較して一般的な認知度が低い傾向にあるため、人材獲得に向けては、企業理念や事業内容に加え、ESGに対する取り組みなどを積極的に発信し、対外イメージを向上させることが重要な戦略となります。

多様性、公平性、包摂性 生産性

生産性

従業員の能力を引き出し、エンゲージメントを高めつつ、生産性を上げられるか

生産性を向上させる観点として、プロセス/ツール/人の3つが挙げられます。事業戦略に即してプロセスを最適化するとともに、ツールとしてAI/IoTなどを活用することで、生産性の向上が見込めます。

また、社員にとって幸福な職場であることも生産性を上げるための重要な要素となります。従業員への投資を充実させ、能力開発を促進するとともに、多様なキャリアパスの選択肢を提供し、将来に向けた明るい展望を持ってもらうことが、従業員のエンゲージメントを高めることにもつながります。生産性を向上させるには、これら3つの観点に対応可能な柔軟性の高い組織であることが求められています。

多様性、公平性、包摂性 生産性

品質・安全性

安心・安全な社会生活を提供するために、高品質な製品およびサービスをいかに継続的に供給するか

橋梁や航空製品など社会インフラを支える重工業界の企業の製品およびサービスは、事故や故障が発生した場合、自社が受ける損害はもとより、社会に与える影響も大きいといえます。そのため、重工業界の企業が提供する製品およびサービスは顧客から常に高い品質が求められており、企業側は継続してこれを担保していく必要があります。

品質は設計段階で8割が決まると言われるように、初期のリソース投入が重要です。国内労働人口が減少する中、限られたリソースを付加価値の高い業務に分配しなくてはなりません。

品質・ 安全性

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主要メンバー

丹羽 正

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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金澤 信隆

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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野村 泰史

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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顧 威(ウェイ クウ)

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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厨子 君太朗

ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人

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白崎 亨

パートナー, PwC税理士法人

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