Value Creation in Deals

ディールの先の価値創造を見据えて

今後求められるM&Aアプローチ

これまでのM&Aは、対象相手の実態を正確に分析し、案件としてのリスクを見極めるデューデリジェンス型のアプローチが主流でした。

しかし、急激に変化する経営環境の中、最早それだけでは足りません。

企業の成長を目指した経営の選択肢としてM&Aをより有効に活用するためには、ディール後も見据えたバリュー・クリエーション型のアプローチこそが必要となります。案件が成立した後に、双方のケイパビリティを活かして、どのように戦略・オペレーション・組織を再構築し、さらなる大きな価値の創造を目指していくのかを、案件が成立する前に深く洞察しておくことが求められるのです。

ディールの長期的価値創造における3つのポイント

経営戦略との一貫性を軸に据える

多くの企業が直近のM&Aの結末に失望を感じており、最悪の場合、株主価値の毀損さえ生じさせていることが、今回の調査でも明らかになりました。

深い洞察を欠いた楽観的な企業買収が成功を生まないということではありませんが、その確率はおのずと低くなります。M&Aを通じた価値創造をより確実にするためには、自社経営戦略と照らした買収意義の考察や会社としての成功へのコミットがまず欠かせません。

大切なのは、ディールの全ての段階、すなわち、経営戦略と適合したターゲットの選定、論点を適切に設定したデューデリジェンスの実施、統合による現実的な効果を見極めた投資金額の設定に至るまで、M&A後の将来を見通した価値創造戦略を経営の軸に据えることです。

価値創造の構成要素を包括的に捉える

市場ポジショニング、事業オペレーション、R&D、財務、税務、法務、人事など、全ての構成要素を考慮し、相当な注意深さを持ってディールを実行するM&Aプロセスの確立が求められます。

M&A後の価値を創造するための計画づくりには、あらゆる価値、たとえば、事業のリポジショニング、付加価値構造の改変、オペレーティングモデルの最適化、バランスシートの改善、適切な税務ストラクチャーの検討など、全体を捉えた構成が必要となります。

買収か売却かにかかわらず、価値創造計画は包括的でなければなりません。限られた時間軸の中、あらゆる機会を利用して、計画の主要前提の検証にできるだけ早い段階から取り組むことが大切です。

組織文化を見落とさない

多くの企業にとって、人材は最重要な資産です。

買収か売却かに関わらず不可欠なことは、価値創造を見据えたときに鍵となる組織の機能や文化を認識し、それを支える重要な人材を、統合後も含めた価値創造プロセス全体にわたって継続関与させるためのインセンティブを適切に織り込むことです。

今回の分析でも、M&Aの価値を最大限に創造するためには、経験豊富な人材を活かしきること、あるいはそのような人材の不足が見込まれる場合はその調達を行うことの重要性があらためて確認されました。

買収を実施しても、その競争力を支えている人材を失った場合、あるいは売却を準備しても、その事業の根幹を担っている人物を失った場合、いずれの場合もディール価値は大きく損なわれるのです。

ディールの先の価値創造を見据えて

PwC Japanグループはこの度、M&Aを通じた価値創造に関する調査レポート「Value Creation ディールの先の価値創造を見据えて」を発表しました。

本調査は、PwCがMergermarketとともに、世界の幅広い業種・地域にて、過去3年以内に大規模な買収・売却を経験した経営幹部600名を対象に実施したものです。本調査を通じて明らかになった、M&Aを通じた価値創造にまつわる分析を、日本企業の皆様の参考とすべく編集したレポートをお届けします。

レポートのダウンロード

主要メンバー

岩嶋 泰三

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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吉田 あかね

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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鈴木 慎介

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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石崎 豪朗

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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坂野 俊哉

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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山岸 哲也

パートナー, PwC税理士法人

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