ROIC(投下資本利益率)・キャッシュフロー経営

PwCは、持続的な企業価値向上の実現に向けて求められる、資本コストを意識した経営(ROIC経営)の設計・構築からその導入・運用まで、一貫した支援を提供します。

企業価値向上を実現するROIC経営

2021年に公表・施行された改訂版コーポレートガバナンス・コードで「事業ポートフォリオの見直し」の必要性が言及されるなど、企業は「資本コストを意識した経営」をいっそう求められるようになっています。この流れの中、企業が事業活動のために投じた資金、もしくは、企業が事業活動のために株主・債権者から調達した資金を基に、どれだけ効率的に利益をあげているかを示す指標であるROIC(Return On Invested Capital: 投下資本利益率)は、資本コストと比較することで企業価値の創出を可視化することができる指標として、企業・投資家の双方から強く意識されています。

企業価値の持続的な向上に向けて、企業は最適な事業ポートフォリオを検討し、必要に応じてその組替を実施するなどの事業ポートフォリオ戦略の策定・実行が求められています。ROICは事業ごとの算出が比較的容易に可能であることから、複数の事業を持つ企業にとっては、事業ポートフォリオを検討する上で議論が不可欠な経営指標となっています。

ROIC経営の導入・運用においては、経営層の理解のみならず、現場レベルにまでROICを浸透させることが重要です。ROICを全社目標に留めることなく、部門レベルにおける目標・KPI(Key Performance Indicator)にまで要素を分解し、例えば在庫をはじめとする運転資本の効率化など、社員一人一人が具体的なアクションに結び付けることのできる水準にまで落とし込んだROIC経営の設計・構築を行うことが必要です。加えて、DA (データ分析)ツールの活用等も踏まえたリアルタイムで速やかな要因分析・改善サイクルを実施できる運用体制を構築すれば、ROIC経営は全社一丸となった企業価値向上の実現に大きく貢献するものとなります。

PwCでは、ROIC経営の設計・構築からその導入・運用まで一貫した支援を提供し、持続的な企業価値向上の実現をサポートします。


PwCのサービス

ROIC経営導入支援・高度化

設計・構築および導入・運用の各視点から、ROICの活用において必要となる論点を整理した上で、企業価値向上に資するROIC経営の実現に向けた支援を行います。

設計・構築の視点においては、全社戦略の方向性と事業ごとの特性を加味した上で、納得感・公平感のある制度設計・構築が欠かせません。
導入・運用の視点においては、経営層の理解のみならず現場レベルにまでROICの思想を浸透させ、全社的に分析・改善サイクルを実施できる運用体制を根付かせることができるかが、ROIC経営成否のカギとなります。

PwCでは、ROIC経営の設計・構築からその導入・運用まで一貫した支援を提供し、持続的な企業価値向上の実現をサポートします。

事業ポートフォリオ戦略・財務戦略策定支援

企業価値向上に資するROIC経営の実現には、事業ポートフォリオ戦略や財務戦略と一体となった戦略策定が欠かせません。

事業ポートフォリオ戦略においては、現状の事業ポートフォリオの実態を把握した上で、事業特性を踏まえた事業評価軸の構築およびそれを用いた評価を行い、将来のあるべき事業ポートフォリオの検討を支援します。
財務戦略においては、持続的成長を支える財務戦略を策定し、KPIの設定を行います。その上で、資本コストに基づく事業ポートフォリオ管理や非事業性資産に係る方針の策定、また、資本コストを踏まえた最適資本構成の検討を支援します。

投資評価管理

最適な事業ポートフォリオの構築を目指す中で、事業投資の評価基準や撤退・売却ルールを明確化することは、意思決定の透明性・妥当性を確保する上で重要です。
また、ROICは投資の効率性を測る指標であるため過度の重視は縮小均衡を招きかねず、持続的な企業価値向上に向けては、成長性も加味したバランスの取れた投資基準の整備が必要です。

PwCはこうした点を考慮した上で、ROIC経営の考え方と整合性が取れ、かつ持続的な成長の実現につながる投資基準の整備を支援します。
さらに、実際の投資検討およびモニタリングの場面においては、シミュレーションモデルまたはモニタリングシステムの構築を通じて、投資評価基準を定量的に満たしているかの判定も支援します。

ハードルレート設計

事業リスク相違度や事業の戦略的位置づけも踏まえた上で評価対象のメッシュ粒度を設定し、継続運用や納得感の獲得を意識したハードルレートの設計を支援します。

最適資本構成

数理モデル、必要資本、信用格付、ベンチマーク比較等の複数の異なる視点から「あるべき資本構成」の収斂レンジを検証します。

運転資本改善に向けたキャッシュフロー経営

新型コロナウイルス感染症のパンデミックや地政学リスクの高まりにより、経済情勢の不確実性は拡大傾向にあります。為替・資源価格の変動や新興国の景気変動の影響を受けるグローバル企業では、財務体質の改善を優先する動きも見られます。多くの企業にとって、運転資本を精査し見直すこと、キャッシュの管理を高度化することが、必須の経営課題になりつつあります。一方、市場は成長戦略、株主還元策を常に求めています。その中で自前での資金ねん出の手段として、運転資本を低水準に抑えること、創出したキャッシュを効果的に管理することが、グローバル企業にとってこれまで以上に重要な経営課題となってきています。


PwCのサービス

運転資本改善支援(Working Capital Management: WCM)

運転資本管理の基本原則は明確です。仕入債務を増加させつつ、在庫と売上債権を減少させることです。しかしながら、多くの企業にとって運転資本を最適化することには困難が伴います。PwCの専門チームは、デジタルツールを最大限活用し、余剰な運転資本を抱えている真因を特定・解決すると同時に、キャッシュマネジメントカルチャーを醸成することで企業の運転資本の改善を機能横断的にサポートします。

プロジェクトでは、改善目標策定から改善活動、モニタリングまでを一貫して支援します。またグローバル案件については、PwCグローバルネットワークの各国の専門チームと連携し、対応することが可能です。

スマートワーキングキャピタルとは

PwCがこれまで培ってきた運転資本改革実現の3本柱(可視化による課題の特定/最適化に向けた業務改善/改善に向けた仕組みの構築)にそれを支援するデジタルインテリジェンスを融合したデジタル時代の運転資本改善サービス

詳しくはこちら

運転資本改善のレバーおよびその効果

運転資本は対象領域ごとに改善レバーを見直すことで大幅な改善が期待できます。

  • 運転資本全体管理
    取引条件/プロセス最適化/プロセスおよび社内ルールの順守/資金管理の意識づけ
  • 売上債権
    債権流動化/契約管理/リスク管理/請求管理/現金回収/未回収債権管理/資金管理
  • 棚卸資産
    需要予測/生産・販売連携/補充計画/生産管理/在庫管理/出荷管理
  • 仕入債務
    購買戦略/リスク管理/条件交渉/契約/発注管理/支払事務/支払管理

在庫管理において散見される課題

  • 需要予測
    需要予測が困難で常に過剰在庫を抱えている/直前に数量変更に対応するために余剰在庫を備蓄している
  • 生産・販売計画
    従来の慣例を踏襲した在庫水準設定/予算達成もしくは販売機会喪失を避けるため未受注需要に対して生産/戦略品の生産積増し/生産終了に伴う旧品の作りだめ/大量のSKU*
  • 調達・補充管理
    ルールが明文化されていない/ルールはあるものの適切に運用されず計画外調達が頻発/他社在庫を社内在庫として保管
  • 生産管理
    突発事態(ライン故障、不良品等)への備えや稼働率維持のために恒常的な生産計画を上回る生産を実施/不良率・歩留まり率が大きくバラつかないようライン維持のため過剰生産/補修部品の在庫保管
  • 在庫管理
    在庫管理方針が定められていない/不明瞭かつ不徹底な在庫廃棄基準

*Stock Keeping Unit:生産・在庫管理を行う際の最小の管理単位

日本企業に対するプロジェクト支援のケース

  • 買収先とのシナジー創出を図るケース
    • M&Aの効果を迅速に生み出すため「100 日プラン」の一環として取り組む
    • クロスボーダー案件において各国特有の商慣習や税制などが障壁となり日本の本社主導では変革が進まないという課題に対し、現地や税務の専門家を含めたチームを組成し、一気に改善を進める。いわゆる「セカンドPMI」として取り組む場合も多い
  • 運転資本改善を梃子にした、ROICなどの財務指標改善を目的とするケース
    • 運転資本の改善によるROICなどの改善余地を推計の上、適切な目標値を設定し、個別事業・地域の状況に即した課題の特定・解決を図る
  • 運転資本改善と同時にオペレーション全体の可視化・課題解決も図ることを目的とするケース
    • さまざまな事情により海外子会社の実態が本社からは見えづらく、ガバナンスに課題が出ている事例も多い
    • 運転資本の切り口でキャッシュとオペレーションを統合的に分析することで、運転資本改善と同時にオペレーション全体の改善を図る

資金繰り管理高度化

経済情勢の不確実性が拡大傾向にある昨今、資金の見える化や資金調達・運用の効率化等の資金繰り管理を高度化する取り組みの重要性は日々増しています。一方で、各企業の実態としては、必要な業務プロセスや情報収集が属人化していたり、グループ会社の資金繰り管理が現地任せで実態が正しく把握できていなかったりと、資金繰り管理が十分な水準ではないことが多々あります。
PwCは、資金繰り管理の現状を理解・整理し、資金繰り作成方法の見直し・仕組み化を行うとともに、将来予測の精度向上、資金捻出策の検討・実行等を通じて資金繰り管理を高度化し、企業経営の安定化をサポートします。

業績悪化に転じた企業、または不正・不祥事に起因する危機的な状況に陥った企業においては、迅速かつ高精度な資金繰り管理が求められます。また、各国に海外拠点を持つグローバル企業であれば、それぞれの国の情報を収集し、資金繰りに落とし込んでいく必要がありますが、少数精鋭で管理を行うことが多い現代の企業にとって、自前のリソースのみで十分な管理体制を築くことは難易度が高いと言えます。
PwCは、危機的な状況に陥った企業への資金繰り管理の高度化支援に加え、グローバル企業への支援についてもPwCグローバルネットワークの各国の専門チームと連携し、対応することが可能です。


PwCのサービス

資金繰りの作成(高度化)支援

資金繰り作成(高度化)にあたり、まずは現状の資金の流れや資金管理の状況を把握することが重要です。その上で課題や改善の方向性を整理し、各社のリソースで対応可能な粒度・作成方法に基づいて、資金繰り作成に係る業務プロセスの再整備を行います。合わせて、前提や算定ロジックの見える化や、資金繰りのモデル化(精緻化)を行い、より精緻な資金見通しが把握可能な資金繰り作成を支援します。また、作成後は予実分析を含めたモニタリングの体制構築から運用サポートやステークホルダーへの報告サポートまで幅広い支援が可能です。

資金捻出策検討・実行支援

危機的な状況に陥った企業においては、収益力の低下に伴い、いつ資金ショートが起こるか分からない状態となります。

PwCは、各種リスクを洗い出すとともに、それぞれのリスクを織り込んだシナリオ別の資金繰りシミュレーションを実施し、必要資金額と必要時期を試算します。また、試算した必要資金の金額規模・必要時期を踏まえ、手元資金の不足が見込まれる場合は、不足額を埋めるための資金捻出策について、施策の検討から実行までを一貫して支援します。

主要メンバー

東 輝彦

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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森野 智博

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

Email

野村 泰史

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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中尾 宏規

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

Email

大西 裕佑

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

Email

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