石油・資源開発(エネルギー)

「エネルギーの安定供給」と「脱炭素への移行」の両立という難しい変革に挑戦するエネルギー業界のクライアントに、伴走型のサービスを提供します。

エネルギー業界へのプレッシャー:
高まる地政学リスクの回避とESG経営への変革

新型コロナウイルス感染症のパンデミックから回復が見られ始めた矢先に、世界経済はロシアによるウクライナへの侵攻という大きな衝撃に見舞われました。エネルギー業界を取り巻く環境は過去類を見ない高ボラティリティーに見舞われており、エネルギー価格および原材料価格の世界的な高騰、物価の上昇、経済格差の拡大という深刻な影響をもたらしています。

脱炭素は従来、気候変動問題や低炭素社会への移行というESGの文脈から推進される傾向がありましたが、地政学リスクが再認識された今、エネルギーの安定供給という観点から対応することも不可欠となっています。

世界で多くの国々が2050年のカーボンニュートラルの実現に向けてさまざまな取り組みを加速させる中、エネルギー業界は「エネルギーの安定供給」と「脱炭素への移行」の両立という難しい変革に挑戦しており、国・地域社会の脱炭素化を促すため、多方面での貢献が求められています。

エネルギー業界の重要テーマ

事業ポートフォリオの見直し

国内市場の成熟、グローバルなイノベーション競争の激化、ネットゼロを含む環境課題への対応、新型コロナウイルス感染症の蔓延、ロシアによるウクライナ侵攻など、企業を取り巻く事業環境はかつてないほど急激に変化しています。投資家からの収益力強化や、企業価値向上に関する要求も一層高まっています。このような環境下では、グループとして最適な事業ポートフォリオを実現し、収益力強化と企業価値向上を達成していくことが求められています。

脱炭素移行

世界的な潮流として、カーボンニュートラル(CN)を表明する国は124カ国を超え、多くの都市や企業においてもその表明が続いています。日本国内においても菅義偉政権下の2020年に2050年CN・グリーン成長戦略が発表され、産業界においても大きな変革が求められています。

サステナビリティ

環境・社会への悪影響を顧みない、短期的な利益追求を前提とした従来型のビジネスモデルは企業の存続を左右すると言える昨今、環境・社会に配慮したビジネスを通じて、外部経済への貢献と中長期的な利益獲得の両立を目指す「サステナビリティ経営」に注目が集まっています。しかし、ESG要件はいまだグローバルな基準が確立されていないため、その動向を注視する必要があります。特に、温室効果ガス排出量の多いエネルギー業界は、目標の設定、実績の追跡、および進捗状況の報告などについて継続的に準拠していく必要があり、迅速な対応が求められます。

M&A/組織再編

ESG、ネットゼロ、デジタルトランスフォーメーション(DX)、気候変動といったトレンドの加速により、企業が直面する課題の難易度と複雑さが増しています。これらの課題を解決するためには、外部のリソースを積極的に活用することが有効です。より多くの企業がパートナーシップやアライアンスを通じて人的資本、資産、市場の拡大を狙っており、企業統合が促進され、業界が再形成され、新しい市場の連携が生まれることが予想されます。

価値創造とイノベーション

社会のデジタル化が加速するにつれ、従来のビジネスモデルに創造的破壊がもたらされ、産業の境界線が消失しつつあります。そのような中、世界では先端テクノロジーを使いこなし、大きな成長を遂げた企業も出現しています。不確実性の高い世界を生き残り、新たな成功を勝ち取るため、今企業に求められているのは、俊敏性と柔軟性に富んだ未来志向の成長戦略です。加えて、新しいアイデアに対する企業の寛容度や、構想から市場導入に至るまでの製品開発プロセスの管理能力、さらには新製品開発と販売・マーケティング・財務上の目標をつなぐルールの徹底という視点も欠かせません。

DXとサイバー対応

ニューノーマルと呼ばれる新たな時代の中で企業が成長し続けていくにあたって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性は高まる一方です。DXの要諦は、単にITシステムやツールの導入に留まることなく、戦略策定、バリューチェーン、財務管理、人材育成、新規事業創出などの経営アジェンダをデジタルの視点から見直し、経営そのものを高度化する点にあります。変革に向けた複数のテーマを紡ぎ合わせて1つのデジタルストーリーを描きながら、セキュリティの確保やガバナンス態勢の整備などを通じて信頼を構築していくことが、DXの効果の最大化につながり、絶え間なく変化する環境下で持続的な成果を生み続けていくための鍵となるでしょう。

企業ガバナンス・リスクマネジメントの強化

世界中で不確実性が増す中、海外投資の失敗やコンプライアンスに関連する問題によって多額の損失が発生する事例が増えています。それは、エネルギー業界も例外ではありません。コーポレートガバナンス・コードの策定以降、形式的なガバナンスは整備されつつあるものの、多様性やグローバルな視点が欠如しているケースが散見され、日本企業にとって「実質的なガバナンス」を整備することが大きな経営課題となっています。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、企業の経済活動および働き方に大きな影響をもたらしました。物流の遅滞など既に顕在化している影響だけでなく、ウィズコロナおよびアフターコロナの時代においては、環境・社会に関する価値観、働き方、顧客の嗜好など、企業を取り巻く環境の変化による影響も想定されます。このような変化に合わせ、自社のビジネスモデル・戦略を見直すことが、企業の存続のために急務となっています。

PwCはコンサルティング、会計、税務など多岐にわたる領域においてエネルギー業界に精通しているプロフェッショナルを多数擁しており、PwCグローバルネットワークのメンバーファームの有識者とも適宜スクラムを組み、エネルギー業界のクライアントに対して伴走型のサービスを提供します。

主要メンバー

中内 達昭

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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熊田 崇史

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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原田 義靖

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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山田 祐介

パートナー, PwC税理士法人

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枝元 美紀

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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伊東 恭子

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

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