サステナビリティリスクマネジメント支援

PwC Japanグループでは、近年の環境・社会関連のリスク(サステナビリティリスク)の重要性の高まりを受けて、リスク管理システム構築支援の他、サプライチェーンにおける環境リスク・機会評価支援、人権問題を始めとするサステナビリティリスクの特定・評価支援などを実施します。

サステナビリティリスクの重要性の高まり

近年、豪雨による店舗・工場の水没や地震による物流・交通網の遮断など、環境・社会に係る「サステナビリティリスク」が企業活動を脅かす大きなリスクとなっています。
また、サプライチェーンにおける児童や奴隷の労働などに代表される人権問題が不買運動に発展する事例が多数報告されているように、企業活動が及ぼす「負の影響」を適切に管理・対応する責任が求められています。

こうした背景から、気候変動や自然災害などの「環境リスク」や人権問題などの「社会リスク」は世界的に高い関心を集め、世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)における「グローバルリスク意識調査」においても同様の結果が明確に示されています。

2000年代後半から2010年代前半にかけて、世界で重要視されていたリスクは国家間の紛争といった「地政学的」なものやグローバル化の停滞といった「経済的」なものが中心でしたが、2010年以降は「社会リスク」の重要性が高まり、2010年代後半以降は「環境リスク」が常に上位を占めるようになっています。

出典:World Economic Forum 2020 Global Risks Reports を基にPwCが加工

サステナビリティリスクが生じる要因としては、人口増加、気候変動の進行、資源枯渇など、地球規模での構造的な変化が挙げられ、今後も中長期的に企業活動を脅かし続けることが想定されます。

企業に求められるサステナビリティリスクマネジメント

サステナビリティリスクが重要視される昨今、企業には、これまで以上に幅広いリスクに対応できる包括的な管理態勢の構築が求められています。企業はサステナビリティリスクに対して「脅威の低減」と「持続可能性の向上」の両面から取り組み、成長につなげていく必要があります。

しかしながら、それらを実行することは容易ではありません。サステナビリティリスクは概念としては理解しやすい一方、従来の評価尺度や評価手法では適切な分析・評価が困難であるため、リスクがどれほどの時間軸で発生し、どの程度の影響を及ぼすのか具体的に描き出し、評価することは難しいからです。

また、サステナビリティリスクへの対応策を実行するにあたって、1部門や1企業のみでできることは限られています。組織間連携や社外のステークホルダーを巻き込むことがこれまで以上に求められることも、実行の難易度を高めている一因です。

サステナビリティリスクの3つの特徴

時間軸の不確実さ

正確な予測が不可能であり、長期または不確実な時間軸で顕在化する可能性がある。そのため、従来の数年単位での評価尺度では発生可能性を適切に分析・評価することができない。

影響経路の特殊さ

環境・社会課題などの外部環境に起因して発生するため、従来とは異なる経路で企業に影響を及ぼす。そのため、リスクの影響度を見積もる際に過去のデータなどを参照できないことが多く、リスクの識別・具体化が難しい。

影響範囲の広さ

サステナビリティリスクは、人類共通の課題であり、関係するステークホルダーが多岐にわたる。そのため、「株主・投資家」「取引先・消費者」「従業員」など、従来の主要なステークホルダーにとどまらず、「サプライヤー」「政府」「NPO・NGO」「国際機関」などからの要請/外圧への対応が必要になっている。また、社内においても組織間の連携が必要不可欠である。


サステナビリティリスクマネジメントの難しさに多くのグローバル企業が頭を悩ませている現状を踏まえ*1、「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」は、世界的に活用されているERMフレームワークの発行体であるCOSO*2と協働で「サステナビリティ活動と全社的リスクマネジメントの統合に向けたガイダンス」(Applying Enterprise Risk Management to Environmental, Social and Governance-related Risks:以下 ESG ERMガイダンス)を2018年に策定しました。

本ガイダンスは、企業がサステナビリティリスクを適切に評価・管理し、競争優位性を確保しながら新たなビジネス機会をつかみ取ることを目的としており、サステナビリティリスクの特性を考慮したリスクマネジメントの手法を実践に生かすためのポイントと具体的な方法論がまとめられています。あらゆる企業にとって、既存のリスクマネジメント態勢の高度化や、サステナビリティリスクを適切に管理するためのフレームワークの導入に活用できる内容となっています。

*1:2017年の世界経済フォーラムで紹介された「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」のレポートで下記の報告がなされた。「リスクマネジメントやサステナビリティ活動の担当者のうち、89%が「サステナビリティリスクはビジネスに甚大な影響を与え得る」と危機感を抱いているにも関わらず、70%もの回答者が「既存のサステナビリティリスクに十分に対応できていない」と答えています。」
引用元:Sustainability and enterprise risk management : The first step towards integration

*2:COSO(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission:米国トレッドウェイ委員会組織委員会)

ESG ERMガイダンスの概要

Enterprise Risk Management
Applying Enterprise Risk Management to Environmental, Social and Governance-related Risks
(邦題 :全社的リスクマネジメントの環境・社会・ガバナンス関連リスクへの適用)

企業は、サステナビリティリスクが及ぼす自社への影響を正しく理解し、リスクマネジメントの仕組みの中で適切に管理・対応していく必要がある

出典:WBCSD Applying Enterprise Risk Management to Environmental, Social and Governance-related Risks

PwCのサービス

サステナビリティリスクを適切に管理し、脅威の低減、機会の最大化を図りながら、企業の持続可能性を高めていくためには、サステナビリティリスクの特徴を考慮して、既存のリスクマネジメント(ERM)を高度化していくことが重要です。
PwC Japanグループは、クライアント企業のサステナビリティ構築支援およびリスクマネジメントのサポートに係る豊富な実績はもとより、PwCが公式パートナーとなっているWBCSDとの協業を通じて培われたノウハウを基に、サステナビリティリスクマネジメントの戦略立案から実行まで一貫して支援します。

WBCSD ESG ERM 活用ワークショップ開催

PwCはWBCSD公式のESG ERMガイダンスを活用し、各企業の現状や課題に即してカスタマイズした個別ワークショップを提供します。本ワークショップを通して、サステナビリティリスクを適切に評価・管理・対応するための要諦を深く理解することや、関連部署と機能的に連携することを支援します。

サステナビリティリスクマネジメントの成熟度診断~計画実行支援

PwC Japanグループは、各社のサステナビリティとリスクマネジメントの成熟度診断の結果を基に、それぞれの高度化に向けた目標設定から計画の実行まで支援します。

その他の関連サービス

そのほかにもPwC Japanグループでは、サステナビリティリスクマネジメントに関する課題を持つ企業・金融機関に向けて、以下のようなサービスを提供しています。

  • 環境・社会リスク管理システム構築支援
  • ポートフォリオ企業のESGリスク評価と価値の向上支援
  • サプライチェーンにおける環境リスク・機会評価支援
  • 人権リスクアセスメント支援・対応支援

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主要メンバー

坂野 俊哉

シニア・エグゼクティブ・アドバイザー, PwC Japan合同会社

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磯貝 友紀

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

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山﨑 英幸

ディレクター, PwCあらた有限責任監査法人

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市來 南海子

シニアアソシエイト, PwCあらた有限責任監査法人

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