
これからどうなる?─「排出量取引制度」Q&A 旬刊 経理情報 寄稿連載(全6回)
排出量取引制度の議論について、GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループにおける資料を基に解説します。
2020-07-16
近年、企業活動において社会課題への対応が強く求められています。特に、ESG経営、SDGs等のキーワードが企業経営において重要な意味をもち、すべての企業活動における“持つべき視点“として対応が求められています。これはM&Aにおいても例外ではありません。本連載のテーマであるビジネスDDに関して考えてみると、これまでは、経済的/定量的な視点で検証を行う意識が強かったのではないかと思います。しかしながら、企業経営で社会課題への対応の視点が強く求められて来ている今、ビジネスDDにおいても社会課題を意識したDDの実施が不可欠になってきています。今回は、ビジネスDDで求められる新たな視点である社会課題への対応を、特に、近年強く意識されるサステナビリティというキーワードも踏まえて考えてみたいと思います。
M&Aと社会課題、一見すると相反するように感じる人もいるのではないでしょうか。M&Aは経済や財務、社会課題は社会や生活という言葉に密接に関係するというイメージかもしれません。しかしながら、現在は、前述のとおり社会課題への対応を抜きにした企業活動は考えられない時代となっています。実際、消費財やインフラ系企業を中心に、サステナビリティ対応を目的としたM&Aが起こり始めています。生分解性プラスティックの製造技術を獲得する為のM&Aやリサイクル企業のM&Aなどはその典型例でしょう。BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)企業をターゲットとしたM&Aなどもその一例と言えるでしょう。
そのような状況を踏まえると、M&Aにおいて社会課題は、DDはもちろんのこと、ValuationやPMIなどでも重要な視点として考えていく必要があります。具体的には、DDにおける自社のESG経営に関するポリシーとの整合性の確認、SDGsの重点項目への取り組み方針の確認などが今後、DDの項目として重要になってきます。ValuationではDCFに代表とされるような、いわゆる財務モデルに加えて、中長期の視点に立った社会的価値の考え方の整理が求められるでしょう。また、PMIにおいて、自社が定める社会課題への対応を行うための必要な投資についても、より詳細な検討が求められるかもしれません。さらにいうならば、M&A戦略を考えるに際して、社会課題をキーワードに検討することが企業には求められるようになる可能性もあります。特に、昨今では、サステナビリティをキーワードに経営戦略/事業戦略を見直す動きがあります。そのような中でM&Aだけが無縁というわけにはいかないでしょう。...
このコンテンツはPwCアドバイザリー合同会社のプロフェッショナルによるM&A情報・データサイトMARR Onlineへの寄稿記事です。詳細はこちらからお読みください(要登録/無料)。なお、執筆者の肩書などは執筆時のものです。
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