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2025-06-26
モビリティ業界では、SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)の標準化に向け、自動車メーカーやサプライヤーが対応を迫られている。この背景にあるのは、業界を取り巻くGX(グリーントランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の2つの変革である。本稿では業界におけるGX・DXの取り組みの方向性に立ち返った上で、なぜSDVが注目されているのかを解説する。
日本のモビリティ業界を取り巻く変革は、GXとDXの2軸に大別される。まず、GXは、サステナビリティ(持続可能性)を実現するため、電気自動車(EV)の普及や資源循環の進展などを受け、自動車とエネルギー/資源エコシステムが融合しながら進行する。
加えて、移動・車両価値を最大化するため、DXが進行する。日本政府は「モビリティDX戦略」において、SDVのグローバル販売台数の「日系シェア3割」の実現を目指している。DXは自動運転の普及やSDV化などを受け、自動車と交通・モビリティエコシステムが融合しながら進行する。
日本のモビリティ業界は、内燃機関(ICE)車の卸売りを中心に構築したアセット(資産)を抱えているため、米中の新興自動車メーカーと比べるとGX・DXの進行が緩やかである。従って、日本がGX・DXを成し遂げるためには、新領域の創造を目指す「新規産業・事業の探索」、既存産業の効率化・省人化により原資を確保する「既存産業・事業の深化」の両利き経営だけではなく、企業変革への柔軟性を高めて組織・産業能力を再定義する「既存産業・事業の再創造」も含めた3つの舵取りが重要となる。
この舵取りをする上で、6つの観点を提示する。まず、新規産業・事業の探索について、GX観点ではエネルギー・電池産業を含めたネットゼロ、DX観点では、ヒト・モノの移動を支え続ける自動運転・モビリティサービスのデザインと具現化が挙げられる。
続いて、既存産業・事業の深化に向けて、GX観点では、バッテリー電気自動車(BEV)を基軸としたパワートレインのマルチパスウェイ化が挙げられる。DX観点では、新たな取り組みを進めるためのヒト・カネの拠出を目的とした、共同開発などの基盤となるデータ利活用の促進が挙げられる。
最後に、既存産業・事業の再創造に向け、GX観点では脱炭素とQCD(品質・コスト・納期)を両立するサプライチェーン(部品供給網)・バリューチェーン変革が挙げられる。DX観点では、SDV化を軸にした“ビジネスモデル・リインベンション(再発明)”が挙げられる。売り切り型の事業やウオーターフォール型の機能、製品・サービスの在り方の再定義と、それに対応した体制整備が期待される。
以上のように、SDVは、DX観点での中心的な機能であることに留まらない。例えば、新規産業・事業の探索では、EV関連の新規事業・機能付加への貢献を通じ、GX観点でも顧客・車両の理解を深め、最適化を図るイネーブラーになることが期待される。従って、日本のモビリティ業界においては、パワトレ・機能面での「多様なSDV」を目指すことになるだろう。
※本稿は、日刊自動車新聞2024年11月25日付掲載のコラムを転載したものです。
※本記事は、日刊自動車新聞の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。
※法人名、役職などは掲載当時のものです。
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