次世代監査をめぐるPwCの取り組み 第6回:データ標準化が導くAIの世界

2019-10-08

学習データ確保で人を超える分析も可能に

皆さん、こんにちは。

今回のトピックは、データの標準化です。現状、会計システムやERPパッケージごとにデータの仕様が異なっており、データ形式や項目のばらつきの存在が、後続業務の自動化を困難にする要因の一つとなっています。データの標準化を行うことは、自動化をさらに促進すること、そして人工知能(AI)の学習データを作成することにつながると考えています。

AIが学習していくためには、大量のデータが必要とされています。これは、会計監査の世界でも同じです。しかし企業では、グループ会社ごと、場合によっては部門ごとに作成データのフォーマットや入力ルールが異なることが多々あります。監査業務においても、被監査会社ごとにシステムが異なるため、データ形式は一定ではありません。

このようにデータの整備が十分でないままでは、AIの構築にどれほど素晴らしいロジックや新しいデジタル技術を導入しても、満足できる効果を発揮するのは困難です。AIが学習を通じて真に実力を発揮するためには、どのようなシステムや紙面から入手されたデータであってもデータ形式や情報の標準化が重要なのです。

そうすることで、あらゆる企業の監査業務において、同様のプロセスで処理することができるようになります。さらに、会計監査の領域において十分なAIの学習データを大量に確保することができるようになれば、人が行う分析もより一層効率化され、高度なものになっていくでしょう。

執筆者

久保田 正崇

執行役副代表, PwC Japan有限責任監査法人

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上野 史久

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

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