投資に優先順位をつけるには

デジタルから価値を得る会社、トランセンダー(先駆者)になるための3つ目のステップは何でしょう?トランセンダー(先駆者)は早い段階から効率化を図ることで、成長し唯一無二の存在となるために必要な取り組みを優先的に実行しています。今必要な投資だけではなく、今後に向けた投資を行っているのです。

本気で投資をする

ほとんどの企業は、テクノロジー、研修、新たな働き方などあちこちに投資をしたり、1つか2つの中核分野に投資を絞ったりしています。しかし、投資利益率を上げるためには、全体を見据え目的を持ったアプローチで、まず目標達成の土台となるインフラを構築する必要があります。2020年には多くの企業が、思い切って現状から先に進むためのリスクをとり、現在と将来の成功のために投資するという姿勢に迅速に切り替えることを求められました。

プロセス、テクノロジー、働き方などを広く視野に入れ、今後数年先を見据えた流動性と柔軟性を備えたテクノロジー、インフラ、人材のロードマップを構築しましょう。トランセンダー(先駆者)は変革を長期的な視点で捉えています。実際、トランセンター(先駆者)の96%がデジタルに関する明確な方向性を持っており(それ以外の企業は74%)、それに沿って投資を行っています。


トランセンダー(先駆者)はそれ以外の企業よりもデジタルに33%多く投資している。

長期投資を自社の計画と整合させ、業績にフォーカスしましょう。全企業のうち66%は、デジタルトランスフォーメーション(DX)が十分に速く進まないと収益と利益が低下するだろうと述べています。トランセンダー(先駆者)は目的を持って投資を行い、従業員のイノベーションを手助けするためのテクノロジーやプロセスに長期にわたって注力しています。一貫した投資を行いつつ、唯一無二の企業であり続けようと尽力すれば、成果を得られるでしょう。

製品やサービスのさらなる革新に向け、トランセンダー(先駆者)を見習い、賢明な投資リスクを負いましょう。また、単なる時間の節約や、新たなサービス提供、プロセスの合理化のためのプログラムよりも、自社の人材に最も適した、ビジネスの推進につながるプログラムを優先しましょう。トランセンダー(先駆者)はこうした取り組みの成果として、それ以外の企業より17%も高い利益成長率を実現しています。

ジョンディア

トラクター分野における未来への投資
デジタル投資について考える上で、農業重機メーカーのジョンディアは真っ先に思い浮かぶ企業ではないかもしれません。しかし同社は飛躍的な進展を遂げています。

  • ここ数年、人材開発プログラムに投資することで、熟練した従業員を引きつけ、維持してきました。
  • 標準的な手動の装置の製造を超えて、AIと機械のディープデータの統合を行ってきました。
  • 自律型農業のコンセプトにより、農家が機械を遠隔制御できるようにすることを目指しています。
  • 新たなテクノロジーにより、発育の悪い作物を特定し高精度の処置を行うことで、農薬使用量削減へとつなげることができます。
  • 同社はデジタルへの投資によって、2020年にはフェイスシールドなどの個人向け感染防止器具の製造に舵を切ることができました。

創業182年のジョンディアは、先を見据えた投資を行い、将来に向けて最適な人材を育成しています。

「DXとは、新しいテクノロジーを適用して終わりとするのではなく、明確なビジョンや包括的な導入計画が求められる総体的なタスクです」

カナダの消費財企業のIT担当幹部

アマゾン

投資回収に向けた長年の努力
世界有数のテクノロジー企業であるアマゾンは、多くの業界にディスラプション(創造的破壊)をもたらしてきました。しかし、そこに至るまでには計画をやり遂げる忍耐と多大な投資が必要でした。アマゾンは10年連続で赤字を経験し、さらに12年間にわたり断続的に赤字を出し続け、初めて黒字に転じたのは2001年でした。その後、2017年の第4四半期にはそれまでの58四半期の合計を上回る18億6,000万ドルの利益を計上しています。

次のステージに向けたロードマップ
このような中でも、アマゾンは先進的なロードマップを策定していました。 例えば2003年、当時黎明期にあったウェブホスティングサービスへの進出を発表しました。現在では、アマゾンウェブサービスは世界のクラウド市場の約40%を占めています。

投資が、パフォーマンスの向上へ
トランセンダー(先駆者)の収益に占めるデジタル投資の割合は高い傾向にあります。

投資が、 パフォーマンスの向上へ

トランセンダー(先駆者)の結果

77%

新しいテクノロジーから大きな価値を得ています。

84%

ビッグデータからインサイトを得る可能性が高くなっています。

※本コンテンツは、PwC米国が公開した「2020 GLOBAL DIGITAL IQ How to prioritize your investments」を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。

関連情報

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主要メンバー

荒井 慎吾

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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中山 裕之

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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一山 正行

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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岩花 修平

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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