連結納税制度



読み方:れんけつのうぜいせいど

定義

連結納税制度とは、企業グループの一体的経営に着目し、企業グループ内の個々の法人の損益などを集約することにより、あたかも企業グループを一つの法人であるかのように捉えて課税する仕組みをいいます。日本では2002年度税制改正において導入されました。

日本の連結納税制度は、親法人である内国法人とその内国法人による一定の完全支配関係(連結完全支配関係)がある他の内国法人(子法人)のすべてを一つのグループとして、親法人がその連結グループ全体の所得(連結所得)を一つの申告書(連結確定申告書)に記載して法人税の申告・納付を行なうことができる制度です。ここで完全支配関係とは、親法人が子法人の発行済株式等の全部を直接または間接に保有する関係(当事者間の完全支配の関係)又は一の者との間に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係をいいます(法人税法2条十二の七の六)。

また、連結完全支配関係とは、連結親法人と連結子法人との間の一定の完全支配関係又は連結親法人との間に一定の完全支配関係がある連結子法人相互の関係をいいます(同2条十二の七の七)。

本制度の適用については選択性であり、法人の任意に委ねられています。連結納税の適用を受けようとする場合には、原則として最初にその適用を受けようとする事業年度開始の日の3カ月前の日までに、所定の承認申請書を親法人およびすべての子法人の連名で、親法人の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出する必要があります(同4条の3)。いったん連結納税を選択した場合は、原則として次年度以降継続して適用されることになります。

連結所得の金額は、連結法人(連結親法人と連結子法人)の各連結事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額となります(同81条の2)。この連結所得の計算は原則として、単体納税を計算する場合の方法に基づいて行なうことになりますが、受取配当金の益金不算入や寄附金の損金不算入等に関して一定の調整がなされます(同81条の4、81条の6)。これらの結果算出される(調整後)連結所得に法人税率を乗じ、さらに外国税額控除等の一定の税額控除が調整され、連結税額が算出されます。

法人税の申告および納付の手続きは連結親法人で一括して行われ、各連結事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に連結親法人の納税地の所轄税務署に提出する必要があります(同81条の22)。ただし、所定の申請を行なうことにより提出期限を2カ月延長することは可能です(同81条の24)。また各連結子法人は、個別帰属額等を記載した書類を所轄税務署に提出することになります(同81条の25)。連結親法人は申告書に記載した法人税額を申告書の提出期限までに納付しなければなりません(なお、連結子法人は当該納付税額につき連帯納付責任を負います)(同81条の27、81条の28)。

なお、2010年度税制改正においてグループ法人税制が導入されたことに伴い、連結法人間の損益調整にかかる制度は、完全支配関係のある法人間取引における譲渡損益の繰延べ制度に包含されました(同61条の13)。また、同じく2010年税制改正により、連結子法人の単体欠損金の連結所得計算への持込み制限が緩和され、連結納税開始または連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度の適用対象外となる連結子会社の単体欠損金が、その子法人の個別所得金額を限度として、連結所得計算上控除することが認められるようになりました(同81条の9)。

なお、地方税については単体法人が納税単位となります(連結納税制度の適用はありません)。

本用語解説は2018年6月1日現在の法令等に基づいて作成されており、これ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。また、本用語解説は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本解説の情報を基に判断し行動されないようお願いします。