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ワークスタイル変革:今、日本企業に求められている新たな働き方とは

日本国内の企業357社と従業員1,053人を対象とした「ワークスタイル調査2022」

ワークスタイルの変化によって大きなパラダイムシフトが起きている

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行は、企業の事業活動の在り方から、そこで働く従業員ひとりひとりの働き方や価値観にまで大きく影響を与えてきました。

こうした変化に対応し、多くの企業で、事業活動を維持させるべく、リモートワークの拡大を中心として、さまざまな施策が講じられてきました。こうした動きは2年間という時間を経る中で、一定の定着化を示す状況になりつつあります。今回PwCコンサルティング合同会社(以下PwCコンサルティング)が実施した、企業、従業員双方に対する意識調査でも、リモートワークにおける成功度合いに関して、その肯定的な回答の比率は、ともに7割を超える水準となっています。

一方で、こうした動きの中、各企業は、新たな課題も同時に抱える形となってきています。事業活動の生産性をいかに維持するかという点は周知の事実と言えるでしょうが、それと同時に、変化しつつある「従業員の価値観」への対応という側面も重要な課題となっています。

しかしながら、こうした課題に対する解決には一様な解が存在する訳ではありません。また対応すべき施策の範囲も、ビジネスプロセスや人事制度のみならず、マネジメントの意識改革や日々のコミュニケーションの在り方に至るまで、多岐にわたります。この大きなパラダイムシフトに対して、いかに舵取りをしていくかは、企業が今後の長期的な企業競争力を生み出していくための重要な経営アジェンダのひとつとなってきています。

PwCコンサルティングは、この大きなパラダイムシフトに対する企業への提言を行うべく、HR総研(ProFuture株式会社)と共同で日本国内357社に対して、また独自で従業員1,053人に対して、日本企業におけるワークスタイルに関する調査を実施しました。

主な調査結果

1. 多くの企業でリモートワークの浸透が進んでいる

44%の企業が現在週3日以上のリモートワークを実施していることが明らかになりました(図表1)。

またリモートワークを実施している企業の73%、従業員の72%がリモートワークの成功度合いについて(おおむね)上手くいっていると回答していることから、リモートワークがコロナ禍における新しい働き方として浸透しており、かつリモート環境下でも日常の業務はこなせている状況であることがうかがえます(図表2)。

図表1:  リモートワークの推進状況 (企業)
図表2: リモートワークの推進状況 (企業・従業員)

2.リモートワークによって従業員のワークライフバランスやwell-beingが向上している

従業員のワークライフバランスやwell-beingの向上が最も大きなリモートワークのメリットとして企業からも従業員からも実感されています。次いで多くの従業員が選択した生産性や緊急時の対応の柔軟性の向上も含めて、実感されているメリットは企業と従業員のあいだでおおむね一致していることが明らかになりました(図表3)。ただし、この認識に基づいてそれぞれのメリットを実現させ、従業員の求めるレベルに到達することができているかどうかという点は、さらなる検証の余地があるでしょう。

図表3: リモートワークのメリット (企業・従業員)

3.コミュニケーションやマネジメント、および組織の一体感とコラボレーションが今後の課題である

コミュニケーション、マネジメントなどの日常業務に影響する側面のみならず、組織の一体感やコラボレーションなどの企業の将来的な価値に直結する部分も、企業・従業員ともに最も重大な課題のひとつとして捉えています(図表4)。ここで課題として選択された項目は、企業に下記のような悪影響を与えかねません。

リモートワークの現状の課題が引き起こす悪影響の例

  • コミュニケーション、コラボレーションの量や質の低下による、イノベーション機会の喪失(参考: The work-from-home innovation drought) や従業員のエンゲージメントの低下
  • エンゲージメントの低下が引き起こす離職やあらゆる不祥事(情報漏洩、金銭の横領、不正の隠ぺいなど)のリスクの悪化と、それに伴う組織力の低下
  • 管理職のチームマネジメント力や育成力不足による、チームワークや十分なスキルアップ機会の欠如、およびそれに伴う生産性の低下

このような理由から、「目先の業務を問題なく推進する」という視点から、「将来的なビジネスの成長を支え、企業価値を高める」という目的のためにも、より俯瞰的な視点をもって、これらの課題に今後意識的に取り組む必要があります。

図表4: リモートワークの課題 (企業・従業員)

4. ハイブリッドワークが新たな働き方の選択肢となる

81%の企業は今後もリアルとリモートを掛け合わせたハイブリッドな働き方を希望していることが明らかになりました。一方従業員は、完全なリモートワークへの移行から、反対にリモートワークの撤廃まで希望が分散していることから、働き方の多様化が求められていることがわかります(図表5)。したがって、リアルとリモートを掛け合わせることで、毎日出社から一部出社、毎日リモートワークまで、働き方における幅広い選択肢を与えることができるハイブリッドワークスタイルはこれから日本企業における新たな選択肢として浸透が進むでしょう。

図表5: 今後の働き方の展望 (企業・従業員)

ハイブリッドワークスタイルの成功させるための8つのエッセンス

新たな働き方の選択肢を取り入れながらビジネスの成長を支えるためには、前述した課題の解決に早急に取り組むことが必要不可欠です。ビジネスプロセスの変革という点は言うまでもなく、ワークスタイルという観点において各企業に意識していただきたい8つのエッセンスをPwCコンサルティングからの提言として示します。

働き方の変革には部署横断で一体となって取り組むことが必要不可欠であり、その際の指針となる全社ビジョンと戦略の明確化が変革の土台となります。そのうえで新たなリーダーシップやコミュニケーションのあり方を浸透させながら、従業員目線で現状を理解し、常に現場の声をもとにした最適な施策を実施し続ける必要があります。またこれらの新しい取り組みを長期的に支えるためには、テクノロジー活用やオフィスの再定義、モニタリングの仕組み構築が重要な要素となります。

図表6: 日本企業がハイブリッドワークスタイルを成功させるための8つのエッセンス

ワークスタイル調査2022―日本企業におけるワークスタイル変革の現状と展望

従業員、双方に対するワークスタイル意識調査をもとに、直面している課題、今後の方向性に関して包括的な分析を実施し、企業が今後のワークスタイルの在り方を検討するにあたっての提言をまとめました。働き方における大きな転換期を迎えている今、いかに従業員の多様な価値観に目を向けつつ生産性やひとりひとりのスキルを高めて将来の企業価値向上に繋げることができるか、という視点がこれまで以上に重要になります。今後の企業の生き残りを左右するこの肝要なトピックを検討し、未来の姿を描くために、本稿がその一助となれば幸いです。

執筆者

北崎 茂

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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鈴木 貞一郎

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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尾野 有菜

シニアアソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

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岡本 茉莉子

シニアアソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

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石井 友佳子

アソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

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仲本 莉乃

アソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

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