Module based Planning & Streamlining（フレキシブル計画・意思決定最適化）

企業における課題

このような不確実な事業環境下では、企業における意思決定の難易度は増し、次のような課題が発生する可能性があります。

これらの課題に対しPwCでは数理最適化技術をコアとし、各種ドメインにおけるビジネス知見を加えた意思決定高度化ソリューションを提供しています。

最適化問題の構造とソリューション利用シーン

問題構造の整理

現実の意思決定に対してソリューションを適用していくためには、問題構造を整理する必要があります。最適化問題においては、特に次の３つを明らかにする必要があります。

-決定変数

何を意思決定し、それはどのような値をとり得るのか。意思決定要素であり、計画においては計画値そのもの。

-目的関数

何を最大化、もしくは最小化したいのか。計画においては結果の評価指標となるコストや収益などであり、同時に複数の指標が存在することもある。

-制約条件

意思決定するうえで守るべきルール、条件は何か。計画値の上下限など、運用・実行するうえで守るべき制約を具体化したもの。

これらを基に最適化モデルを構築し、計画値を求めます。このモデルはさまざまな意思決定に活用できることが知られています。以下、いくつか例をご紹介します。

• 生産スケジューリング
  製造工程のスケジューリング効率化は幅広い業種において発生する課題であり、代表的な最適化問題です。工程の生産能力、製造可能な製品、製品を切り替える際の条件など、さまざまな条件を満たしながら最も時間の短い、あるいは製造ロスの少ないスケジュールを求めます。古くから知られる問題でありながらも、生産工程によりその問題構造は多様であり、画一的な解決手段がないことも知られています。
• 輸配送計画
  物流は昨今の社会課題として認知されており、その効率化によって単にコスト削減だけではなく、CO2の削減や人手不足の解消につながります。輸配送の最適化は複数のトラックや船、鉄道など輸送手段とその積荷を紐付けし、輸配送経路の効率化を図ることにつながりますが、その際に積荷の容量や積載可否、配送先への搬入可否など種々の制約を満たす必要があります。
• 施工計画
  物流と同様に効率化が急がれる分野として、施工の計画があります。施工においては現場と作業者だけでなく、そこに必要な建機、車両、設備などさまざまなリソースを適切にマッチングすることが求められます。施工現場によっては建機が入れるかどうかや、その順序も重要な意思決定要素となり、非常に複雑な問題になり得ます。
• 販売管理（レベニューマネジメント）
  需要を踏まえたうえで、どの商品を、どの価格で、どれだけ販売するかは企業において重要な意思決定の要素です。時期による需要変動があり、供給できる商品数に限りがあるホテルや公共交通機関において特に活用されていることは有名ですが、他業界にも活用の幅が広がりつつあります。近年話題となっているダイナミックプライシングもこの一要素に位置付けられます。

導入方法の例（汎用計画パッケージとの連携）

典型的な導入方法の例として、基幹システムやEPM・MRPといった各種パッケージとの連携によるMPSの導入をご紹介します。

計画、意思決定のINPUT情報の典型例は長期の計画や受注・出荷情報、調達・発注情報などであり、これらの多くは基幹システムなどに格納されています。基幹システム・EPM・MRPにも計画機能は存在しますが、それらは汎用的に設計されているがゆえに、オペレーション上の複雑な制約を取り込むためには多大なコストと時間がかかってしまいます。そこで本ソリューションを活用いただくことで、ボトルネックとなっている箇所に特化し、基幹をはじめとする各種システムと連携しながら、より短期間で課題解決に導くことが可能となります。