ブロックチェーン技術の成熟度モデルとステーブルコインの最新動向について―テクノロジー最前線 エマージングテクノロジー編(1)

2022-07-14

本シリーズではこれまで、データアナリティクス・AIについてのコラムを掲載してきました。ここからはデータアナリティクス・AIに加え、ブロックチェーン、AR、VR、ドローンなどの最先端技術を紹介していきます。

今回はブロックチェーンとステーブルコインを取り上げます。ステーブルコインとは、通貨本来が持つ価値尺度機能の実現、つまり世にある多くの財を“価格”のように一点の尺度で測ることを目指して設計された暗号資産(仮想通貨)を指します。ステーブルコインは、法定通貨担保型、仮想通貨担保型のような流通している通貨を担保とする担保型と、無担保型(アルゴリズム型)に大別されます。ここでは、PwCコンサルティング合同会社のBlockchain Laboratory(以下「私たち」と略)が、アルゴリズム型ステーブルコインに着目する理由、最新動向やチャレンジするべき課題、ならびに社会実装への取り組みに関してご紹介します。

[1] 例えば、GOLDXは現物の金との交換が担保された暗号資産です。

[2] 国家の施策で他国の通貨に対する為替レートを固定化した自国通貨を指します。ペッグ通貨とも呼ばれます。

執筆者

D. Nakayama
大手IT会社の新規技術のオファリング担当を経て現職。通信業界の購買業務におけるAI適用支援を経験。Blockchain LaboratoryにてPwCインドとの協業によるアプリ開発に従事。

テクノロジー最前線―先端技術とエンジニアリングによる社会とビジネスの課題解決に向けて

データアナリティクス&AI編

(1):テック人材の採用と維持における企業の課題
(2):フィーチャーエンジニアリングとは?
(3):SNSを活用したコロナ禍における人々の心理的変化の洞察
(4):自然言語処理(NLP)の基礎
(5):今、データサイエンティストに求められるスキルは何か?データサイエンティスト求人動向分析
(6):コロナ禍における人流および不動産地価変化による実体経済への影響
(7):「匠」の減少―技能継承におけるAI活用の道しるべ
(8):開示された企業情報におけるESGリスクと財務インパクトの関係性の特定
(9):ビッグデータ分析で特に重要な「非構造化データ」における「コンピュータービジョン(画像解析)」とは
(10):自然言語処理・数理最適化による効率的なリスキリングの支援
(11):スポーツアナリティクスの黎明 サッカーにおけるデータ分析
(12):AIを活用した価格設定支援モデルの検討―外部環境変化に即座に対応可能な次世代型プライシング
(13):MLOps実現に向けて抑えるべきポイントー最前線
(14):合成データにより加速するデータ利活用

エマージングテクノロジー編

(1):ブロックチェーン技術の成熟度モデルとステーブルコインの最新動向について
(2):3次元空間情報の研究施設「Technology Laboratory」のデジタルツイン構築とデータの管理方法
(3):3次元空間情報の研究施設「Technology Laboratory」における共通ID「空間ID」と自律移動体の測位技術
(4):G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合における空間IDによるドローン運航管理

エンジニアリング編

(1):COVID‐19パンデミック下のオンプレミス環境におけるMLOpsプラクティス
(2):機械学習を用いたデータ分析
(3):AWSで構築したIoTプラットフォームのPoC環境をGCPに移行する方法
(4):テクノロジーの社会実装を高速に検証するPwCの独自手法「Social Implementation Sprint Service」-テクノロジー最前線
(5):自動車業界におけるデジタルコックピットの擬人化とインパクト
(6):成熟度の高いバーチャルリアリティ(VR)システム構築理論の紹介
(7):イノベーションの実現を加速する「BXT Works」とは
(8):Power Platformの承認機能、AI Builderを活用して業務アプリを開発する方