責任ある研究とイノベーション(RRI)が導くあるべき未来

第3回 責任ある研究とイノベーション(RRI)ガバナンスの実践に向けて

  • 2024-04-05

新興技術(エマージングテクノロジー)は社会に浸透することで、望ましい未来のデザインを可能とし、また国際的な課題を解決しつつ「あるべき姿の実現」を目指すデマンドプル型経済活動と融合することで、社会変革を加速させています。この融合は、研究開発とイノベーションに関わる研究者、企業、政策立案者など全ての関係者に対し、イノベーションプロセスの変革を求めるものです。

本コラムシリーズでは、欧州で議論が先行する「責任ある研究とイノベーション(RRI)」の実践が作り出す社会経済の好循環を読み解きます。第3回では、新興技術への期待値と社会的影響のコントロールに向けた欧州におけるRRI導入の具体化をレビューし、日本におけるRRIの実践に向けて政府や企業などが取り組むべきことについて考察します。

※本コラムは大阪大学社会技術共創研究センターとの共同研究の成果に基づくものです。

RRI導入に向けた官学の役割と企業が取り組むべきこと

欧州連合を中心に進むRRIガバナンスは欧州特有の価値観に基づく部分を含みます。RRIガバナンスの中核をなす社会的価値観は、国および地域の文化や政治経済的な背景を色濃く反映しており、それはまた新型コロナウイルス感染症のパンデミックのような予期せぬ突発的外力の影響を受けて経時的に変化します。したがって、国内において産官学民による連携体制を速やかに構築し、国際的な議論の枠組みに早期に参加する必要があるのです(図表1)。

RRIガバナンスは、技術革新によって生じるおそれのあるリスクを軽減することに加え、社会に有用なイノベーション、実験、起業家精神を妨げず、それらを促進するために設計されるものとされています6。近年のAIやロボットに関連した国内の規制についての議論は、その視点が社会に対する負の影響に強く向けられる傾向があり、イノベーションの有用な側面を強化促進するための議論が不足しています。製品やサービスの開発に係る大部分を担う民間企業が適切なRRIリテラシーを持つとともに、誰が何に対して責任を負うのか、RRIはバリューチェーンに沿ってどのように統合されるのか、を実践的に明らかにし、有用なイノベーションを阻害する要因を排除するために官学と連携して議論をリードすることが重要です。

PwCコンサルティング合同会社は、産学連携を活用し、公共セクターにおけるRRI推進体制の構築と企業へのRRIガバナンスの導入を支援します。

執筆者

一山 正行

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

Email

藤根 和穂

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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