ネイチャーポジティブ経営支援(自然資本・生物多様性への対応)

ネイチャーポジティブ経営の実現に向け、生物多様性への影響・依存の評価から、リスク・機会の分析、戦略策定、KPI設定まで包括的に支援します。PwCは世界経済フォーラムとの協働による自然資本のリスクに関するレポートの作成など、この領域において従来からさまざまな取り組みを行ってきました。これらの知見を活かし、PwCは重要性の増す生物多様性への対応を全力で支援します。

ネイチャーポジティブとビジネス
――なぜ企業は生物多様性に取り組まなければならないのか

1. 多くのセクターが自然資本に依存

世界の総GDPの半分以上である年間44兆ドルの価値創造が、生物多様性に支えられた自然資本に中・高程度に依存しており、多様なビジネスセクターが、生物多様性とそれがもたらす生態系サービスから価値を生み出しています。これはすなわち、生物多様性が損なわれればその価値が失われるかもしれないということを意味しています。

各業界における自然資本への直接的な依存およびサプライチェーン上の依存度

出典:World Economic Forum (WEF) (2020) “Nature Risk Rising: Why the Crisis Engulfing Nature Matters for Business and Economy”
 

2. 生物多様性の喪失とビジネスリスク

ビジネスの基盤を提供する生物多様性は、現在すさまじい速度で失われています。例えば、生物多様性は1970年から2020年の間に平均73%減少しており*、陸地の75%は改変され、海洋の66%は累積的な影響下にあり、湿地の85%が消失しました**。こうした喪失により、ビジネスでのリスクが拡大しています。下表はその一例です。

また、生物多様性への対処が不十分であることは、生態系からの資材の調達などにおけるリスクの他、規制強化によるリスクやレピュテーション上のリスクにもつながります。しかし、これらのリスクは裏を返せばビジネスチャンスにもなり得ます。例えば、いち早く生物多様性に配慮した安定的なサプライチェーンを確保することで、今後のビジネスをスムーズに展開できるうえ、生物多様性に配慮したブランドイメージを構築できれば、環境意識の高い客層をつかむこともできるでしょう。

* World Wildlife Fund (WWF),2024. “Living Planet Report 2024 - A System in Peril”

** Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services (IPBES) ,2019. “The global assessment report on Biodiversity and ecosystem services”

 

生物多様性喪失に係るリスク(例)

ビジネスへのインパクト(例)

自然災害リスクの拡大

水害・土砂災害の深刻化

サンゴ礁、マングローブ、湿地などの消失、森林の荒廃等に伴う防災機能の低下による洪水・土砂災害リスクの増大

※実際に、米国における湿地開発によるハリケーン被害の拡大や、東南アジアにおけるマングローブ林伐採による津波被害の拡大などが生じています。

  • 不動産をはじめさまざまなセクターの企業が保有する資産の価値低下
  • 企業のオペレーション・サプライチェーン途絶による収益の減少
  • 支払保険金の増加による保険会社の保険収支悪化

作物・森林・その他自然資源の減少

作物の減少

作物の遺伝的多様性の喪失に伴う病気まん延に対するレジリエンス低下や、ハチなどの花粉媒介者の減少による作物生産性の低下

森林の減少

生物多様性の喪失に伴う安定的な森林資源の供給の喪失、炭素吸収源の減少による気候変動の悪化

海洋・水産資源の減少

水域の環境悪化や乱獲による生物多様性の喪失に伴う海洋・水産資源の減少

  • 一次産業(農業、林業、水産業)における収穫量の減少に伴う利益の減少
  • 自然資源に依存度の高いセクター(食品・飲料、製薬など)における原材料供給量の減少・価格の高騰による収益の減少

水資源枯渇リスクの増大

水源涵養機能を有する森林や湿地などの自然生態系の喪失に伴う水資源枯渇リスクの上昇

  • 水資源に依存する全ての業界・プロセスにおける事業運営の不安定化

企業に求められる取り組み(ネイチャーポジティブ/自然資本、TNFDなど)

生物多様性が世界的な重要課題と認識されるにつれ、ビジネス領域においても取り組みの推進が求められています。その最たるものが、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)です。TNFDは、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の自然資本版で、世界の多くの企業が賛同しており、中でも日本は、賛同している企業数が最多です。

開示の枠組みとしては、TCFD同様に「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つを柱とし、企業から環境へのインパクトと、環境から企業へのインパクトという両面、つまりダブルマテリアリティを重視する点に特徴があります。

TNFDの他に、気候変動に関する目標設定のスタンダードである「科学に基づく目標設定(SBT)」の自然資本版「SBTs for Nature」についてもガイダンスが発表されています。すでに世界の先進的な企業は、TNFDやSBT for Nature、さらに2022年のCOP15で採択された世界目標である「ネイチャーポジティブ」などを踏まえた目標や戦略の策定を進めており、早急な対応が望まれます。

生物多様性への対応を支援するPwCのサービス

では、企業がネイチャーポジティブ経営を実現するには、どのような対応が求められるのでしょうか。具体的には、以下の対策を実施することが重要です。

  1. 生物多様性への影響と依存の定性的・定量的評価(現状把握)/マテリアリティの特定
  2. ビジネス上のリスクと機会の特定
  3. 機会とリスクへの対応方針の策定
  4. 目標・KPI設定・戦略策定
  5. 実行・モニタリング・情報開示
  6. 社内浸透

PwCはこれらの対策について、ネイチャーポジティブを経営戦略として実装することを目的として、各社の状況にカスタマイズした包括的な支援を提供します。

1. 自社ビジネスの生物多様性への影響と依存の評価(現状把握)

まずは、生物多様性と自社の関係について現状を把握する必要があります。ポイントは、「影響」と「依存」の両側面から把握することです。この段階では、まず自社のサプライチェーンを整理し、そのうえで原材料や地域、バリューチェーンの段階ごとに生物多様性への影響・依存の関係を整理します。

PwCのサービス

影響・依存の評価については、さまざまな評価枠組みやツールが提示されています。しかし、セクターの範囲以上の個別企業の具体的な分析を行うに際しては、各企業の状況に鑑みて評価フレーム・手法の詳細を決定する必要があります。PwCは、さまざまなツールを参考にしつつ、杓子定規な評価にならないよう各社の特性を考慮した評価フレーム・評価手法を設計・適用し、生物多様性において重要なセクター、原材料、地域、バリューチェーンの段階などを定性・定量の両面で評価・抽出します。
 

2. ビジネス上の機会とリスクの特定

自社を取り巻く環境の現状として、生物多様性への影響・依存の大きなセクター、原材料、地域などを特定したら、それが経営においてどのような意味を持つか、すなわちそれがどのようなビジネス上の機会とリスクにつながり得るのかを特定します。

PwCのサービス

生物多様性への影響や依存がビジネス上でどのようなリスク・機会となり得るか、原料調達や法規制などの動向、レピュテーションなどの多様な視点から分析し、経営における示唆を抽出・整理します。
 

3. 機会とリスクに対する方針の策定

生物多様性と自社ビジネスの関係についての現状を把握し、機会とリスクを整理したうえで、企業レベルでの生物多様性に関する取り組みに対する大きな方向性を設定することが望まれます。

PwCのサービス

各社の現状(生物多様性への影響・依存、取り組みの実施状況など)に鑑み、業界の先進企業の動向や国際的なニーズなども踏まえて、機会とリスクへの対応するための方針策定を支援します。
 

4. 目標・KPI設定/戦略策定

定量評価(計測)の結果に基づき、改善の進捗を図るKPIと目標値(短期・中長期)を設定し、目標達成のための具体的な経営戦略を策定します。

PwCのサービス

各社における内部的な重要性と、レピュテーション(評判)や各種イニシアティブ、法規制などの外部的な要因・ニーズを踏まえ、適切なKPI・目標設定を支援します。また、生物多様性の観点から目標を達成するためのキーとなるアクションを検討し、経営戦略への統合をサポートします。
 

5. 実行・モニタリング・情報開示

目標やKPIを設定し、戦略を策定したのちに、その実行状況をモニタリングし、結果を開示していく必要があります。

PwCのサービス

戦略策定後も、実行状況のモニタリングや情報開示に伴走し、支援します。
 

6. 社内浸透

生物多様性は比較的新しいトピックであるため、社内での理解が低いことが少なくありません。生物多様性の取り組みを効果的に進めていくには、現場だけでなく、経営層の理解の促進も重要となります。

PwCのサービス

社内研修や、経営層への生物多様性に取り組む意義の説明など、社内浸透のフェーズにおいてもクライアントニーズに合わせた多様な支援を行います。また、生物多様性への取り組みがどのように経営上の価値をもたらすかを整理し、可視化する(バリュービジュアライゼーション)ことで、説得力の高いインナーコミュニケーションを実現します。

PwCの強み:豊富な実績と高い専門性

生物多様性は、気候変動に次ぐ世界の重要な課題として認知が高まっており、対応を迫る企業への圧力はさらに高まっていくでしょう。重要なことは、例えば植林ボランティアなどの本業以外の取り組みだけではなく、生物多様性に伴う経営上のリスクと機会を把握し、本業における活動の一部として生物多様性に取り組んでいくことです。

PwCは世界経済フォーラムとの協働による自然資本のリスクに関するレポートの作成や、生態系サービスの金銭価値化手法の開発など、この領域において従来よりさまざまな取り組みを行ってきました。これらの知見を活かし、PwCは今後主流化する生物多様性への対応を全力で支援します。

(1)生物多様性支援に関する支援実績

PwCは、金融機関における生物多様性に関するインパクト評価の実施や、生物多様性方針の策定支援、バリューチェーン上における生物多様性への影響と依存の分析、経営上の生物多様性に関するリスクと機会の分析など、生物多様性対応支援における豊富な実績があります。

(2)強固なグローバルネットワークにおいて蓄積された知見

PwCは、国際的な生物多様性評価手法の開発や自然資本会計研究に従事するメンバーファームとの連携など、PwCのグローバルネットワークを活用した支援が可能です。また、TNFDにもタスクフォースメンバーとして参画しています。

(3)生物多様性そのものに関する知見

PwCには、生態学をバックグラウンドに持つメンバーが所属しており、経営的視点だけでなく、実質的な生物多様性保全の視点を踏まえたうえでの支援が可能です。

(4)サステナビリティ経営全般

PwCでは、気候変動対応(TCFDなど)やその他のサステナビリティ領域において、多様な業界で多数の実績を有しています。

主要メンバー

齋藤 隆弘

シニアアドバイザー, PwC Japan有限責任監査法人

Email

甲賀 大吾

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

Email

服部 徹

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

小峯 慎司

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

Email

中尾 圭志

マネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

Email

白石 拓也

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

本ページに関するお問い合わせ