
日本の未来とグローバルヘルス:医師偏在の緩和に妙薬はあるのか? 自由と規制の狭間で揺れる諸外国の取り組みを通じて占う、わが国の前途(前編:米国および英国)
厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。前編では米英2カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。
2021-10-29
製薬企業の使命は、「優れた医薬品を開発・供給することにより、世界の人々の福祉と医療の向上に貢献し、健康で質の高い生活の実現に寄与する」こととされています(*1)。一方で、新薬の開発には膨大な時間とコストが必要とされるため、新薬開発を効果的・効率的に行うことは、製薬企業がその使命を永続的に果たしていくうえで極めて重要であると言えるでしょう。
効率よく新薬開発を進めるために製薬R&Dでは、検討中あるいは進行中の個々の新薬研究開発について、その開始や継続の適否、優先順位付けなどを適時かつ適切に判断する必要があります。それらの判断は、できる限り網羅的かつ客観的な評価に基づいて行われるべきであり、その結果がR&Dポートフォリオの最適化となります。またここでの、個々の新薬候補(アセット)に対する事業性評価の本質は、そのアセットが将来生み出す価値を特定の指標で表して評価すること(価値評価)となります。
本稿では、製薬R&Dにおけるポートフォリオマネジメントに資する事業性評価について、その評価項目の構成とプロセスを整理し、各プロセスの手法について解説します。
*1:日本製薬工業協会「製薬協企業行動憲章」より
厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。前編では米英2カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。
厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。後編では独仏露の3カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。
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