デジタル治療薬(DTx)の海外市場動向と事業化のポイント

2021-10-20

デジタル治療薬(以下,DTx)は,一般的に,「デジタルヘルスの中で,効果を示す臨床データを有し,規制当局によって認可・承認を受けたもの」と定義されている。しかし実際には,後述するように,多くの規制当局において他のデジタルヘルスと明確に区分されておらず,DTxに該当する製品を定める統一された基準はない。そのため,本稿ではDTxをできるだけ広く捉えることとし,単独で用いられる機器やシステムだけではなく,医薬品など他の介入手法との併用で効果を発揮するもの,疾患の治療だけではなく予防や疾患管理の目的で使用されるものもDTxに含むこととする。また,使用に際して医師の処方を必要とするもの,必要としないもの両方を併せてDTxとする。

テクノロジー面でみると,現行のDTxにはIoTやウェアラブル,AIによる機械学習や深層学習が活用されることが多く,それによって患者の状態を継続的に把握したり,患者個人に最適化されたフィードバックを提供するなどのソリューションを実現することが可能となっている。

近年,国内の製薬企業や医療機器メーカーがDTxを製品ポートフォリオに取り入れる動きが現れている。医療費適正化を推進する政策の下で医療用医薬品の市場の伸び悩みが懸念される中,特に製薬企業にとっては,DTxは自身の主力製品の補完となり得る。

本稿は,製薬企業などのヘルスケア企業がDTxを取り入れようとする場合を想定し,日本よりもDTxの市場形成が進んでいる海外の動向を取りまとめるとともに,ヘルスケア企業がDTxを事業化しようとする場合に検討すべき点を述べる。

(全文はPDFをご参照ください。)

「月刊PHARMSTAGE」2021年10月号
PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー 岩本由美子

執筆者

岩本 由美子

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

※法人名・役職などは掲載当時のものです。

執筆者

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