
医彩―Leader's insight 第9回 900のアイデアを原動力に――中外製薬が実践する生成AI活用とは【後編】
中外製薬では、全社を挙げて生成AIの業務活用に取り組んでいます。後編では現場にフォーカスを移し、900件を超えるユースケース提案の選定プロセスや生成AI導入時の課題、それらを乗り越えるために採用した「大規模アジャイル」の運営手法について伺いました。
2021-10-20
デジタル治療薬(以下,DTx)は,一般的に,「デジタルヘルスの中で,効果を示す臨床データを有し,規制当局によって認可・承認を受けたもの」と定義されている。しかし実際には,後述するように,多くの規制当局において他のデジタルヘルスと明確に区分されておらず,DTxに該当する製品を定める統一された基準はない。そのため,本稿ではDTxをできるだけ広く捉えることとし,単独で用いられる機器やシステムだけではなく,医薬品など他の介入手法との併用で効果を発揮するもの,疾患の治療だけではなく予防や疾患管理の目的で使用されるものもDTxに含むこととする。また,使用に際して医師の処方を必要とするもの,必要としないもの両方を併せてDTxとする。
テクノロジー面でみると,現行のDTxにはIoTやウェアラブル,AIによる機械学習や深層学習が活用されることが多く,それによって患者の状態を継続的に把握したり,患者個人に最適化されたフィードバックを提供するなどのソリューションを実現することが可能となっている。
近年,国内の製薬企業や医療機器メーカーがDTxを製品ポートフォリオに取り入れる動きが現れている。医療費適正化を推進する政策の下で医療用医薬品の市場の伸び悩みが懸念される中,特に製薬企業にとっては,DTxは自身の主力製品の補完となり得る。
本稿は,製薬企業などのヘルスケア企業がDTxを取り入れようとする場合を想定し,日本よりもDTxの市場形成が進んでいる海外の動向を取りまとめるとともに,ヘルスケア企業がDTxを事業化しようとする場合に検討すべき点を述べる。
(全文はPDFをご参照ください。)
「月刊PHARMSTAGE」2021年10月号
PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー 岩本由美子
岩本 由美子
シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社
※法人名・役職などは掲載当時のものです。
中外製薬では、全社を挙げて生成AIの業務活用に取り組んでいます。後編では現場にフォーカスを移し、900件を超えるユースケース提案の選定プロセスや生成AI導入時の課題、それらを乗り越えるために採用した「大規模アジャイル」の運営手法について伺いました。
中外製薬では、全社を挙げて生成AIの業務活用に取り組んでおり、現場からの900件を超えるユースケース提案を取りまとめています。前編ではDX戦略の全体像から生成AI推進体制の構築、さらに「アウトカムドリブン」による戦略目標と現場ニーズの両立について伺いました。
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厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。後編では独仏露の3カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。