
生成AIに関する実態調査 2025春 5カ国比較 ―進まない変革グローバル比較から読み解く日本企業の活路―
本調査では日本における生成AIの導入とその効果の実態を明らかにするとともに、米国・英国・ドイツ・中国との比較を通じて、日本企業の構造的な課題を考察します。また、効果を上げている企業に共通する成功要因を抽出し、日本企業が変革を実現するための具体的な示唆を提示します。
2021-08-02
世界の企業がテクノロジーを活用した経営戦略の変革を迫られている。米国のテックジャイアントと呼ばれる企業がディスラプション(創造的破壊)をもたらした影響は大きいだろう。デジタル時代に生まれ成長してきた企業には、人工知能(AI)の活用はもはや企業経営における前提条件となっていると言っても過言ではない。つまり、当たりまえすぎて改めて議論するものではなく、次の活用ステージに踏み込もうとしている。
日本でもAIを活用している企業は存在するが、テックジャイアントはその先を行っている。EC(電子商取引)事業での商品の自動発送や倉庫内での自動搬送、検品だけでなく、従業員の満足度調査を基にした管理職へのコーチング計画の提案からマーケティングキャンペーンにおける効果測定や予算配分まで、実にありとあらゆる業務にAIを活用しているのだ。
では、日本企業はどうすればよいのであろうか。まず、AIを活用するための大きな目標を掲げることだ。インターネットがビジネスのあらゆる場面や業務で欠かせないものになったように、AIも近い将来、企業のあらゆる場面や業務に欠かせないものになってくる。そういう未来を念頭に置き、最終的に企業のすべての業務にAIを活用するためのビジョンやロードマップを描いてみるのだ。
AIが活用できる範囲は多岐にわたり、財務・経理、人事、製造、サプライチェーン、営業、マーケティング、販売など様々な業務に及ぶ。ただ、これらすべてで一足飛びにAIを活用することは現実的ではない。また、闇雲に取り組んでも、個々の業務には生かせても、AIを経営の中枢にまで生かすのは難しいだろう。
その際、大切になってくるのが、最終的にあらゆる業務にAIを活用することを目指して描くビジョンとロードマップだ。将来的な事業・経営戦略の中でAIをどのように活用していくのか。大きな青写真としてまとめることで、AI活用に必要な社内外のデータなど個別の課題も見えてくる。
新型コロナウイルスの影響で、経営計画の見直しを迫られた経営者も多い。いま最適解であってもすぐ通用しなくなるほど経済や社会の変化が激しい。だからこそAIやデータを活用して何ができるのかを理解した上で、何がしたいのか、それを実現するために何が必要なのか自問しながらAIの活用に取り組んでほしい。
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※本稿は、日経産業新聞2021年3月30日付掲載のコラムを転載したものです。見出しおよび図表は同紙掲載のものを一部修正/加工しています。
※本記事は、日本経済新聞社の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。
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