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2020-06-26
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大をきっかけに、あらゆる分野でのテクノロジーの活用が進むと予想されます。人工知能(AI)をはじめテクノロジーは日進月歩で進化しており、その流れは、人でなければならないと考えられていた領域にまで広まっていくかもしれません。
会計士はAIに代替される仕事の代表格として言われて久しく、監査にAIを導入する動きは加速しています。AIを利用して現金及び預金の監査手続を自動化するツール「Cash.ai」のパイロットを、PwC英国が被監査会社に対して実施しました。ニューノーマルにおいて嫌でも変わらざるを得ないであろう監査の現場。そこにAIを本格的に導入する上で乗り越えるべき課題についてご紹介します。
Cash.aiは、現金及び預金の監査手続を自動化するツールです。AIを活用して、被監査会社の文書を自動で読み込み、理解し、テストまで行います。処理可能な文書は、決算書の現金及び預金残高、銀行勘定調整表、銀行残高証明書、為替書類、銀行の財務状況などです。
PwC英国で行われたパイロットでは、選定された被監査会社に対してCash.aiを操作して行われました。被監査会社からもCash.aiに関してポジティブなフィードバックを得ています。
Cash.aiを用いることで、標準的な方法で機械的に処理するため単純ミスを無くし、自動化されてできた時間を被監査会社とのコミュニケーションに使うことで、品質の向上に役立ていくことを検討しています。
被監査会社から提供されるデータやフォーマットの形式をツールが処理しやすいものに変換することが重要です。ツールに適した形式でデータをインプットすることで工数の削減効果が大きくなります。そうでない場合はデータの変換に多くの手作業が発生し、全体として効率化にはつなげていくことはまだ難しい状況です。AIを監査で活用していくためには、データやフォーマットの形式を揃える必要があり、それには被監査会社の協力が欠かせません。
AIの活用により生産性と品質を飛躍的に向上させられる監査法人は市場の信頼を得ることができ、そうでない監査法人は競争力を失い、衰退するという未来がやってくるかもしれません。PwCあらたが「Vision 2025」として掲げた「デジタル社会に信頼を築くリーディングファーム」の実現は、そのような未来を見据えたものになっています。だからこそ、中長期的な視点に立ち、どのようにAIを活用していくかが重要な経営課題の一つとなっています。
COVID-19は私たちの生活や仕事の在り方を変化させるだけでなく、テクノロジーの進歩を加速させようともしています。これにより、AIが活用される領域はますます拡大していくはずです。監査人の仕事はどのように変わっていくのか、AIを活用してどのようなことを実現したいのか、そのために私たちは何をしていく必要があるのか。一人ひとりが考え、行動することが重要です。