地方自治体の健康予防事業サポート

地方自治体による健康社会実現に向けて

超高齢化による社会保障費の増大と少子化の進展により、少ない現役世代で日本の医療と人々の健康を支える社会構造がより強まると予測されています。持続可能な社会・医療の実現に向けて、社会保障費増大の主要因の一つである医療費の適正化が求められています。そのために、健診で病気を早期発見し、生活習慣を改善することにより重症化を防ぐ予防医療が推進されています。

特に国民健康保険(国保)の保険者であり、地域住民の健康維持について責任を担う地方自治体では予防医療を進めることが、国保財政の健全化、健康寿命延伸を実現する重要な対策に位置付けられています。

従来、地方自治体ではポピュレーションアプローチ(※1)により健康施策が展開されてきました。しかし、ライフスタイルや健康需要が多様化する中、個々人に合わせた柔軟な健康サービスの提供を目指す必要が生じています。そのため最近ではナッジ理論(※2)を活用した受診勧奨に取り組む地方自治体もあります。一方で、いくつかの地方自治体からは、予算や人員が逼迫しており、単独で予防医療を推進することが困難な状況であるという声もあがっています。

※1:多くの人が少しずつリスクを軽減することで、全体として大きなリスク軽減を行う取り組みのこと。具体例として、地方自治体が行うウォーキング大会などがあげられる。

※2:2008年に経済学者のリチャード・セイラー氏が提唱し、2017年にノーベル経済学賞を受賞した概念。ナッジ(nudge)とは「ひじで軽く突く」の意味で、行動経済学上、対象者に選択の余地を残しながらも、より良い方向に誘導する手法。

PwCのアプローチ

地方自治体の健康予防事業における課題と、前述した予防医療の3つのハードルを乗り越えるため、私たちは次のようなアプローチが必要であると考えています。

1.個人の特性に合わせた健康サービスの提供

予防・健康管理に対する個人のニーズは把握しづらい一方、それぞれの生活習慣や嗜好に合わせたアプローチが求められることから、地方自治体においてもまずは住民の健康ニーズの顕在化に着手することが望まれます。そのためには従来のポピュレーションアプローチから、よりニーズにフォーカスしたアプローチへと舵を切ることが必要です。例えば簡易なニーズ調査やAIを活用した特性分析などを行うことで、結果に応じた手法を用いて施策の立案・改善に取り組むことが可能です。

PwCが2019年11月にインターネットを利用して実施した健康施策へのニーズ把握に関するアンケート調査(※3)によると、現在、健康へ投資していない人のうち、実は利用したいサービスがあれば1カ月あたり5,000円以上投資してもよいと考えている人が半数以上存在することが分かりました(図1)。

また、「年に1回の健診受診を必須とする代わりに、健康づくり補助金を地方自治体が提供する」ようなサービスを利用したいと考える人が「やってみたい」「少しやってみたい」を合わせて61%存在しました(図2)。こうしたニーズを捉えて施策への反映を検討することが、予防事業を推進するうえで地方自治体に求められているといえます。

※3:PwCコンサルティング合同会社が2019年11月15日~11月22日にインターネットを利用して行った「糖尿病患者のヘルスリテラシー・セルフエフィカシーと健康指標の関連性調査」。調査対象は40歳から74歳の国民健康保険加入者で2型糖尿病と診断された本人1000サンプル。

2.官民、業界を超えた連携により新たな地方自治体の健康予防事業モデルを構築

地方自治体が、個々人のニーズに合わせた長期間にわたる予防医療を提供するには、人材、予算、ツール、仕掛けなどの事業リソースの確保が必須となります。従来どおりの単年度での予算取りの中で計画・実現するのは難しいため、政府はSocial Impact Bond(以下「SIB」※4)を活用した、官民連携による健康予防事業を推進しています。

SIBを活用することで地方自治体は、財務的リスクを抑えながら、さまざまな団体・企業のコラボレーションによる住民サービスの向上、成果の最大化の実現といったメリットを期待できます。経済産業省によるバックアップもあり、予防医療における新たなビジネスモデル構築が可能といえます。

一方で、現在国内で実施されているSIB事業の多くは、それぞれの地方自治体が一つのサービス事業者と契約しており、多様化したライフスタイルや健康ニーズへの対応という面に課題が残っています。複数の地方自治体、サービス事業者を取りまとめ、多種多様な健康サービスを住民へと効率的に提供する体制を実現することが、健康予防事業を促進する方策の一つになると考えています。

※4:Social Impact Bond (SIB)とは、民間の活力を社会的課題の解決に活用するため、民間資金を呼び込み成果報酬型の委託事業を実施する新たな社会的インパクト投資の取り組み。

PwCの強み

部門横断によるサービス提供

PwCコンサルティング合同会社はSocial Impact Initiative(以下「SII」)という部門横断の組織を立ち上げ、社会課題解決に取り組んでいます。予防医療推進のように複雑な社会課題に対して多様なアプローチを提供することが可能です。

Social Impact Initiative(SII)のMission

  • 社会課題を解決しながら、ビジネスでも優位性を示すモデル構築を支援する
  • 1企業・1産業での取り組みを束ね、コレクティブ・インパクト・アプローチでリードする

多様な業種・官民のステークホルダーとのネットワーク

多様化する社会ニーズに対応するためには、各ステークホルダーがパートナーシップを組み、解決策を生み出していくことが求められます。私たちは、幅広い分野へのコンサルティング経験をもとに、社内外におけるネットワークを構築しており、さまざまなステークホルダーとの連携をリードすることが可能です。

特に、地方自治体向け健康予防事業においては、糖尿病性腎症重症化予防事業をはじめとする支援実績を有しています。

総合コンサルティングファームとしての強み、ネットワーク、実績を活かし、地方自治体の健康予防という社会課題解決の取り組みを支援します。


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主要メンバー

堀井 俊介

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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