組織においてAIの効果的な活用を実現するためには、経営層がリードし、全社的な改革を推進することが不可欠です。その中心的な役割を担うのがChief AI Officer（CAIO）です。PwC Japanグループでは、CAIOの活動支援をするとともに、CAIOの設置を検討している企業向けのサポートも提供しています。

Chief AI Officer包括支援サービス

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CAIOの必要性と役割

PwC Japanグループが実施した「CAIO実態調査2025」の結果、企業の22%が既に正式にCAIO（Chief AI Officer：最高AI責任者）を設置しており、正式に設置している企業はより大きな予算規模でAI活用を推進していることが分かりました。加えて、CAIO設置済み企業は、未設置企業よりも業務・技術・管理の全領域でAI活用推進度が高いという結果が得られています。CAIOの設置は、予算確保面でも効果があり、企業が全社的なAI活用を進めるうえで必要不可欠であると言えるでしょう。

図表1：調査からみるCAIOの必要性

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一方で、CAIOの役割については、いまだ明確な定義がないのが実情です。こうした役割の曖昧さは、企業におけるCAIOの設置や機能発揮の障壁になりかねません。PwC Japanグループは、CAIOの役割を以下に定義し、CAIOの活動および設置を後押しすることでクライアントのAI活用推進を支援します。

CAIO（Chief AI Officer：最高AI責任者）とは―

AI戦略の立案から実行までを統治し、責任あるAIによる変革を主導する経営幹部。社内外ステークホルダーとの連携を通じて、事業価値創出とリスク管理の両立を担う。

CAIO 8つのアジェンダ

私たちはCAIOのアジェンダを以下の8つに大別します。

企業のAI戦略を策定し、AIを軸にした事業・組織の変革ビジョンを構築する。事業構造自体の変革を定義し、経営層と連携して全社的変革を主導する。PoC（概念実証）で実現可能性を検証し、AIを経営戦略へ統合する。

社内でのAI活用に向けた体制整備と意識改革を支援する。部門間連携のハブとして機能し、事業部門の主体的な活動を促進する。CoE（Center of Excellence）やコミュニティの設計・運営、ユースケース抽出などを通じて現場のAI活用を推進する。

AI活用に伴う倫理的・法的・セキュリティ上のリスクを管理する。AI倫理ガイドラインの策定、法規制への対応、契約・監査体制の整備を行い、安全なAI導入を支援する。

AIシステムの技術実装と運用体制の構築を担う。ノーコード／ローコードツールを含むAI開発基盤を整備・提供し、市民開発を促進する。AIアーキテクチャ設計やMLOps（Machine Learning Operations）導入を通じて、技術基盤の整備と継続的な運用を支援する。

AI時代に対応した組織設計と教育プログラムの策定、人材育成を支援する。AI人材の育成、評価制度の見直し、業務とAIの役割分担の整理などを通じて、組織全体の変革を促進する。

AI関連の予算配分や投資判断を支援し、投資の最適化を図る。ROI（投資利益率）の試算、予算再配分シナリオの設計、経営層へのレポーティングなどを通じて、的確な意思決定を促す。

AI活用に不可欠なデータの整備・管理を支援する。データ品質の評価、メタデータ整備、データガバナンス体制の構築を行い、信頼性の高いAIモデル開発の基盤を支える。

将来の競争優位性を確立するため、中長期的なAI研究開発を主導する。CTO（最高技術責任者）と連携して基礎・応用研究を推進する。自社特化LLM（大規模言語モデル）の開発や最先端技術の調査・検証を通じて、未来の事業の種を創出する。

CAIO包括支援サービス7つの柱

PwC Japanグループは、会計・監査、税務、コンサルティング、ディールアドバイザリー、法務など幅広い領域でのプロフェッショナルサービスの知見を基に、AI活用による企業価値向上をCAIOの設置から実行まで一気通貫で支援します。

① CAIOの設置支援

企業のAI戦略をリードするCAIOの設置から、組織体制の構築まで一貫してサポートします。経営戦略と連動したCAIOの役割や責任範囲の明確化、適切な候補者の選定、さらにAI戦略を現場で推進するCAIOオフィスの設立を支援します。

  • 組織に応じたCAIOの役割定義
  • CAIO候補選定
  • CAIOオフィス組織立上げ

② 戦略・事業化支援

企業の変革に向けた戦略的なAI活用を導き、ビジネス価値の最大化と成長領域への投資を支援します。

③ M&A・PMI支援

AI戦略を実行するために、M&Aとそれに伴うAI分野のデューデリジェンス（AIDD）、そして統合後のPMI（Post Merger Integration）を通じてビジネス価値の最大化を支援します。

④ 組織・人材・導入支援

AI活用を推進する組織体制の構築や、ビジネス部門も巻き込んだ人材育成、カルチャー変革までを一貫してサポートします。

⑤ 技術・データ基盤支援

データアーキテクチャ設計やアジャイル開発支援を通じて、データを企業資産として管理・活用するための技術的基盤を構築します。

⑥ リスク／ガバナンス支援

弁護士法人や監査法人などを有するPwC Japanグループの専門性を生かし、EU AI法などの新たな規制に対応し、AIガバナンス態勢を構築し、リスクを管理します。

⑦ R&D・イノベーション支援

企業のAI研究開発（R&D）とイノベーション創出を加速させ、エコシステムを構築します。技術探索から独自AI開発、知財戦略まで一貫して支援し、競争優位性を確立します。

PwCならではの価値提供

CAIOが活躍し、組織におけるAI活用を推進するためには、社内外のステークホルダーとの連携が不可欠です。私たちは、幅広いプロフェッショナルサービスの知見を基にした、CAIOを取り巻く重要なテーマおよびCIO（Chief Information Officer：最高情報責任者）、CDO（Chief Data Officer：最高データ責任者）、CISO（Chief Information Security Officer：最高情報セキュリティ責任者）への支援実績を豊富に有しており、CAIOを包括的に支援することが可能です。CAIOを中心としたCxO連携体制の構築を通し、クライアントのAI戦略と経営戦略の融合を実現します。

図表2：CAIOを中心としたCxO連携体制の構築

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主要メンバー

藤川 琢哉

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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三善 心平

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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荻野 創平

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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加藤 靖之

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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橋本 純

パートナー, PwC税理士法人

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八木 徹

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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