
事業のグローバル化からみるサイバー・物理セキュリティ強化の必要性
本海外規格や国内外のガイドラインを踏まえて、日本企業が国際水準の物理セキュリティを整備する必要性を解説し、実際にどのように「物理セキュリティペネトレーションテスト」を導入・活用できるかをご紹介します。
プライバシーパラドックスとは、消費者がプライバシーを重視していると言いながらも、実際の行動にはその価値観が反映されていないというギャップのことで、過去20年間の消費者調査や行動実験で根強い現象として明らかになっています。自身のプライバシーが脅かされることに不安を感じているにもかかわらず、ソーシャルメディア上で無制限に個人情報を提供するなど、オンライン上でリスクの高い行動を続ける人は数多くいます。
こうしたギャップが存在する要因として、以下のような点が考えられます。
このギャップは欧米諸国では大きく拡大している一方、アジア諸国や高齢者層では小さいという傾向が見られます。AIや政府・職場による監視が増加し、自動化技術によるプライバシー保護措置の執行でさまざまなことが明らかになれば、この状況は変わる可能性があります。プライバシー保護について懸念を強めるようになる消費者がいる一方で、社会の利益のために個人情報を共有する機会が増えていることを歓迎する消費者も現れるでしょう。
企業がデジタル戦略を加速させるための投資を正当化するには、消費者が最新テクノロジーやマーケティング手法をより迅速に受け入れることが求められます。従来のパラダイムを新たな年代・地域の購買層に持ち込む企業は、新しい購買層のプライバシーや価値に対する変化し続ける期待に応えることができなければ、高いリターンは得られないでしょう。一方、適切な価格、質の高い製品・サービス、柔軟性のあるプライバシー管理によって競合他社を上回る消費者向けの企業は、最も大きな利益を上げることになります。
企業がプライバシーパラドックスを打ち破り、状況ごとに異なる消費者の幅広い購買姿勢に対応するプライバシーオプションを提供できれば、その企業には大きなチャンスが待ち受けています。一方、顧客獲得から購入、更新に至るまで、顧客のライフサイクル全体を通してシンプルで分かりやすいプライバシーオプションを用意し、消費者に信頼できるプライバシーエクスペリエンスを提供できなければ、企業は利益を上げるチャンスを逃すことになります。オンラインショッピングで買い物かごに商品を入れたものの決済に進まなかったり、会員登録画面で離脱したりといったことが起こるのは、購入に至らなかった理由が価格にあるのではなく、個人情報が必要以上に収集、利用、共有されることへの懸念にあるという証左なのです。
「カナダでは、消費者は特典や金銭的インセンティブだけでなく、個人データの管理を強化している企業を選ぶ傾向がすでに見られています。こうした企業は、データの価値交換に独創性を発揮しています。中にはデータを活用した慈善プログラムを策定している企業もあり、消費者は自分のデータを提供することで本人だけでなく社会全体の利益になる形で特典を得られるようになっています」
本海外規格や国内外のガイドラインを踏まえて、日本企業が国際水準の物理セキュリティを整備する必要性を解説し、実際にどのように「物理セキュリティペネトレーションテスト」を導入・活用できるかをご紹介します。
スイス連邦財務省国際金融問題局の独立調査ユニットであるSwiss Financial Innovation Deskが発行した「Pathway 2035 for Financial Innovation」レポートを基に、銀行業界のサイバーセキュリティ戦略におけるAI、耐量子、デジタルトラスト、デジタル通貨のテーマ別に、それぞれの未来予測とサイバーリスク、望ましい対応策を整理します。
日本では経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度の運用開始に向け、具体的な運用に関する政令などの制定に向けた準備が進行中です。諸外国のセキュリティ・クリアランスに関わる組織運営の事例を踏まえ、国内組織で想定される準備策や留意点をまとめました。
プライバシーガバナンスは、プライバシー問題に関するリスクを適切に管理し、消費者やステークホルダーに対して責任を果たすことを指します。この見直しは、社会からの信頼を得るとともに企業価値の向上に寄与します。企業のプライバシーガバナンスへの取り組み状況として2社の事例をご紹介します。