自動車業界の大変革と企業経営への影響 SDV・電動化時代の会計・ガバナンス・サステナビリティを統合的に読み解く

  • 2026-06-09

はじめに

自動車業界は、SDV(Software-Defined Vehicle)化・電動化・自動運転といった技術革新、産業構造・競争環境の激変、そして環境・開示規制の重層化という3つの軸で同時に大きな変革を経験しています。PwCが2025年4月に発表したレポート「Value in Motion」では、AI(人工知能)と気候変動が今後10年間で世界経済を再構築し、22セクターのうち17セクターでビジネスモデルの再発明(Business Model Reinvention)の圧力が過去25年で最高水準に達していると指摘しています※1。同レポートは、2035年までにAI が世界GDPを最大15%押し上げる一方で、物理的気候リスクにより世界GDPが約7%縮小する可能性があるとし、2025年単年で7.1兆米ドルもの収益が企業間で移動する見込みであると報告しています。自動車産業は、まさにその最前線にあります。

本稿では、この変革が企業経営に与える影響を、会計・財務報告(第2節)、内部統制・ガバナンス(第3節)、サステナビリティ(第4節)の3つの実務領域から統合的に解説します。各節の論点は相互に密接に関連しており、統合的な対応こそが変革期の企業経営の鍵となります。

なお、文中の意見は筆者個人のものであり、PwCJapan有限責任監査法人および所属部門の正式見解ではないことをお断りします。

※1 https://www.pwc.com/gx/en/issues/value-in-motion.html
邦訳記事:PwCの調査レポート「Value in Motion」:AIの導入は世界経済を再構築し、2035年までに全世界のGDPを15%押し上げる可能性を示唆
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/2025/value-in-motion.html

目次

  1. 自動車業界メガトレンド2026──技術・市場・規制の3軸で見る変革
  2. SDV・電動化と財務報告──投資・資産・収益の会計論点
  3. サプライチェーン再編とガバナンス──企業の財務報告を支えるガバナンスとリスク管理
  4. カーボンニュートラルとサステナビリティ開示──脱炭素経営と規制対応の両立
  5. 統合的対応に向けた5つの提言

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執筆者

PwC Japan有限責任監査法人
上席執行役員・パートナー 杉本 晃司

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ディレクター 藤井 俊哉

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