ベルギーの経済環境と経営課題、各種規制の動向

  • 2026-06-09

はじめに

「ブリュッセル効果」という言葉をご存じでしょうか。これは、今から10年ほど前にコロンビア大学ロースクールのAnu Bradford教授が編み出した造語で、全世界の市場を欧州連合(EU)が一方的に規制できる能力のことを指します。つまり、EUが定めた法規制が、EU域外の国々や企業に影響を与え、事実上の国際標準となり、さまざまな国や企業がEUの規制を自主的に遵守する現象を指します。この言葉はEUの本部があるブリュッセルに由来しており、そこを首都とする国がベルギーです。

ベルギーは、EU内の二大大国であるドイツとフランスの間に位置している人口1,183万人※1、国土は九州よりやや小さい面積である小国ですが、EUに加えNATO(北大西洋条約機構)の本部がブリュッセルに置かれていることから、国際政治・外交・安全保障のハブとして認知されています。

本稿では、主として「ベルギーの経営環境の一般的特徴」を皮切りに、「ベルギーの経営者から見た現在の企業環境」および「ブリュッセル効果を生む各種規制の概要」についてご紹介します。

なお、文中の意見に係る記載は筆者の私見であり、PwCベルギーおよび所属部門の正式見解ではないことをお断りします。

※1 2025年1月、ベルギー統計局

目次

  1. ベルギーの経営環境の一般的特徴
  2. ベルギーの経営者から見た現在の企業環境
  3. ブリュッセル効果を生む各種規制の概要
  4. おわりに

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執筆者

PwCベルギー
シニアマネージャー 鈴木 努