「ブリュッセル効果」という言葉をご存じでしょうか。これは、今から10年ほど前にコロンビア大学ロースクールのAnu Bradford教授が編み出した造語で、全世界の市場を欧州連合(EU)が一方的に規制できる能力のことを指します。つまり、EUが定めた法規制が、EU域外の国々や企業に影響を与え、事実上の国際標準となり、さまざまな国や企業がEUの規制を自主的に遵守する現象を指します。この言葉はEUの本部があるブリュッセルに由来しており、そこを首都とする国がベルギーです。
ベルギーは、EU内の二大大国であるドイツとフランスの間に位置している人口1,183万人※1、国土は九州よりやや小さい面積である小国ですが、EUに加えNATO(北大西洋条約機構)の本部がブリュッセルに置かれていることから、国際政治・外交・安全保障のハブとして認知されています。
本稿では、主として「ベルギーの経営環境の一般的特徴」を皮切りに、「ベルギーの経営者から見た現在の企業環境」および「ブリュッセル効果を生む各種規制の概要」についてご紹介します。
なお、文中の意見に係る記載は筆者の私見であり、PwCベルギーおよび所属部門の正式見解ではないことをお断りします。
※1 2025年1月、ベルギー統計局
PwCベルギー
シニアマネージャー 鈴木 努
PwCベルギーは、欧州の首都ブリュッセルを擁するベルギー王国において、ブリュッセルを主たる事務所として日々のクライアントサービスに携わっています。日本人プロフェッショナルが中心となり、ベルギーに欧州統括本社を置く多くの日系企業の皆様に、ベルギー国内にとどまらず欧州全域に関連するサービスを提供するため、各国PwCのメンバ...
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