企業が経験する不正や不祥事にはさまざまな種類があります。具体的には、財務報告に関する不正(粉飾決算や横領等)、インサイダー取引、ハラスメント、情報漏洩(内部犯行および外部からの攻撃)、品質不正や検査不正、労務関連の不正(サービス残業や偽装請負等)、その他各種の法令(金融証券取引法、会社法、独占禁止法、著作権法、各種業法等)違反などが挙げられます。
不正や不祥事が発覚すると、企業は徹底的な事実調査を行って各種ステークホルダー(従業員、取引先、顧客、投資家、当局、マスコミなど)への説明責任を果たすよう要請される他、行政処分や巨額の損害賠償などを負うリスクにもさらされます。さらに、ひとたび対応を誤ればステークホルダーからの信頼を失いかねません。近年では、SNS等の進化・普及に伴い、不正や不祥事に関する情報は瞬時に拡散され、短期間で大きなダメージを受ける企業も少なくありません。レピュテーションの低下は株価の下落、取引コストや資金調達コストの増大等につながることもあり、サステナブルな経営を阻害する要因にもなっています。加えて、昨今では不正や不祥事が企業カルチャーの課題に紐づけられることも多く、最終的に優秀な人材が流出したり、採用が困難になったりする状況につながることがあります。
不正や不祥事の手口は、過去から少しずつ変化してきています。特に近年、その巧妙化、高度化は著しく、それに合わせて不正調査の手法も進化しています。
本稿では、2000年から2015年頃の不正の特徴や関連制度を概説し、当時の不正調査のアプローチと調査を進める際の社内体制の課題を整理します。
なお、文中の意見に係る記載は、筆者らの私見であり、PwC Japan有限責任監査法人およびPwCリスクアドバイザリー合同会社の正式見解ではないことを申し添えます。
PwC Japan有限責任監査法人
ガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー部
パートナー 真木 靖人
PwCリスクアドバイザリー合同会社
代表執行役
パートナー 那須 美帆子
ガバナンス・リスク管理・コンプライアンスの構築、金融庁等の監督当局による規制対応など多様なサービスを提供しています。
PwCは不正調査、贈収賄および不正競争の調査やリスクマネジメント、デジタルフォレンジックス、eディスカバリーへの対応やロイヤリティ監査など、広範なフォレンジックサービスを提供します。
企業を取り巻く環境が激しく変遷する中、内部監査に対する経営者のニーズが高まっています。そのため、内部監査部門では、組織全体のリスクにフォーカスした内部監査の実施等、内部監査の実効性を確保することが求められています。PwCでは、内部監査部門の課題解決をサポートするため、様々なソリューションをご提供します。