
ゲノム医療とPatient Centricity ―認定遺伝カウンセラーの立場から―「newsletter 第1回:先端技術とその落とし穴 ゲノム医療と倫理的・社会的課題」
現在注目を集めるゲノム医療は、その性質から解析や利用に際して倫理的・社会的な課題が指摘されています。ゲノム情報活用の広がりや、それにまつわる倫理的・社会的課題の基礎知識について紹介します。
2000年前後のインターネットブーム、2010年前後からのスマートフォンとソーシャルメディアの浸透、2016年頃からのAIブームとその浸透。その後、オンラインとオフラインが完全に融合した、オン・オフの概念さえない世界観『アフターデジタル』が広く語られ、さらに今、人類史上に類を見ないパラダイムシフトを目の当たりにする可能性が見え始めてきています。そのような事業環境下において、今、製薬企業の営業・マーケティング活動はどのように進化していくべきなのでしょうか。PwCでは環境変化に関する重要な要素を以下のように捉えています。
1点目は「クライアントの変化」。具体的にはオンラインコミュニケーションのさらなる進展、オンライン診療の拡大、AI診断アシストの利用拡大などがあげられます。
2点目として「競合の変化」。近年、ゲノム医療の進歩、メディカルテクノロジーの発展などに伴いGAFAなどの強力なプレーヤーが医療業界に参入する事例が散見されます。
3点目が「製薬企業内の変化」です。コストプレッシャーが強くなるに従い、営業・マーケティング活動の効率化がより重視され、また働き方改革の視点からも、投下時間対効果が重要となり、人や時間といった投下リソースを減らしながら効果を高めていくことが求められています。
これらの変化を踏まえたときに、製薬メーカーが実現していく必要があるポイント(仮説)は以下のとおりです。
上記に関して、各社、さまざまな取り組みが行われています。例えば、A「非対面コミュニケーション強化」については、依然としてリーチが限定される点に課題が残りますが、従来のメールを送るだけ、デジタルコンテンツを一斉に配信するのみにとどまらない取り組みも行われるようになってきました。
またB「専門家活用とチーム対応の強化」では、特にリモートMR/MSLの取り組みに「実力がついてきた」と感じるケースが多いです。例えば、PDCAを適切に回しているケースにおいて医師のリピート利用率が右肩上がりになるなど、いち早い取り組みほど多くのナレッジを蓄積できているように認識しています。
最後に、C「アナリティクス強化」については、PwCで多数実績がある、AIの利用による効果的・効率的な営業・マーケティングの実現をあげます。実際に、営業現場からの評価も高く、分析結果の活用に前向きなMRも多いと聞くます。また、分析結果の解釈にアドバイスをいただくなど、新しい営業スタイルに向かっていっているようにも感じます。課題は、どのような分析によりどのような示唆を出すことが営業・マーケティング上でインパクトをもたらすのか、全体設計を行える人材の不足という点です。
いずれも課題はありますが、良い兆しが見え始めており、今後の展開に期待が持てそうです。
PwCでは2019年9月より、ファイザー株式会社オンコロジー事業部門にてAIマーケティングにより営業・マーケティングの強化を支援しております。
AIを活用し、ポジショニング分析によるKey Buying Factors(KBF、購買決定要因)の発見、施策パターン各組み合わせの成功確率を計算することでの最適化などを実現しました。また、それらをとおして設定されるKPI・目標に関して進捗管理の仕組みを構築するなど、エグゼキューション(実行)強化も支援させていただいております。
その結果、対象領域では活動のインパクトを30%増大させる施策を特定するなど、同部門の事業運営への貢献を実現しました。
PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー 伊藤 賢
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