2018年AI予測

ビジネス戦略立案のための8つの見解

AIによる影響と7つの動向

本レポートは、PwCメンバーファームが、2018年1月に発表した「2018 AI predictions - 8 insights to shape business strategy」を翻訳したものです。PwCが今後12カ月のAI(人工知能)の動向を予測し、企業や政府そして社会全体に及ぼす影響を導出することを目的としています。 AIは非常に複雑であり、かつ急激な進化を遂げています。AIが10年前の予想をはるかに超える働きをしている分野もあれば、それほどでもない分野もあります。AIが中長期的にどのような展開を見せるかについて正確な展望を打ち出すことは困難ですが、最新の動向を踏まえた短期的な予測は可能です。

本レポートにて提言している8つの予測は、データサイエンティストやAI専門家からの見解にとどまらず、AIをどのように活用し、組織の中でどう適用させるのかという課題を巡る、PwCのプロフェッショナルと世界中のクライアントによる現場での日々の取り組みから得られた知見を基にしています。

これら予測が、皆さまのビジネス戦略を検討される際の一助になれば幸いです。

AIに関する8つの予測

1.AIは雇用より先に雇用主に影響を及ぼす

長期的にAIが雇用市場へ影響を及ぼすことはないと考えており、直近の2018年にも影響がないと考えています。その一方で雇用主はAIがよりよく利用されるためにさまざまなデータと人との融合に取り組んでいかないといけないと考えています。

現時点では多くの組織でデータと人がサイロ型になっています。先進的な企業では基礎的なAIスキルを従業員に提供し始めていますが、大多数はAIを受け入れられる体制になっていません。

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2.AIは現実的なものとなり、活用される

メディアでは大きく取り上げていないかもしれないが、AIは既に複雑なプロセスの自動化、傾向分析による事業価値の創出、未来予想の情報提供を可能にしています。しかしそれらは「水面下」で準備されています。

これらのAIが活用されるようになると、より戦略意思決定に時間を割くことができるようになりますが、今までの評価基準ではその成果を計ることができなくなり、新たなROI評価基準が必要になると考えています。

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3.AIはデータに関する大問題の解決に貢献する

多くの企業はいまだにビッグデータ投資について「費用対効果」という大きな問題に対して十分な結果を得られていない状況です。しかしながらAIがより現実的かつ実用的になってきている中、一部の企業はデータ戦略を見直し始めています。

組織はもうデータのクリーンアップをする必要はないと考えています。まずは一つのビジネスの課題においてAIによる定量評価と改善の取り組みを実施し、それを横展開することでAIを活用できる好循環が生まれると考えています。

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4.AI分野における人材獲得競争を左右するのは、コンピューターの専門家でなく職能的専門家である

AIを最大限活用したいと考えている企業は、最も優秀なコンピューターサイエンティストを得ることに注力すべきでなく、職能的専門家へAI技能を提供する必要があります。彼らはAIを活用するためにコードの書き方を知る必要はなく、AIが基礎的なデータサイエンスとデータの可視化、AIがどう「考える」かについて理解する必要があります。

AIが研究所から仕事の現場に入ってきている今、職能的専門家にはそれぞれの能力に見合った学習方法を見いだして早急にスキルアップしなければなりません。

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5.AIによってサイバー攻撃はより強力なものになるが、サイバー防御も同様に強力となる

高度なマルウェア、ランサムウェア、世界的なサイバー攻撃を行う機械知能、および攻撃の高度化を行うデータ分析―残念ながら、これら全てが近いうちにあなたの組織にとって脅威となります。

AIを活用したサイバー攻撃に対してはAIを活用したサイバー防御を検討する必要があります。AIの活用に対して慎重な組織でさえ、サイバーセキュリティにはAIが必須となり、多くの企業でその導入を経験することになるでしょう。

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6.AIのブラックボックスを解き明かすことが優先事項となる

2018年時点でAIが制御不能になることはありません。現段階においてAIはまだ人間が考案したルールに従っているだけとなります。しかしAIがどのようにその結論に至ったのか知る由がなければ、それはリスクと考えられます。

今後、AIの「ブラックボックス」の説明性、透明性および証明性に対する要望が多くなると予測しています。企業はAIを活用した最適な意思決定を行うために、ビジネス、業績、規制、および評判に関する懸案事項の評価基準を定める枠組みが必要になります。

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7.AIを巡って国家間の争いが起こる

AIがもたらす利益は非常に大きいため、個々の企業に加え、各国も戦略策定に取り組んでいます。カナダ、日本、英国、ドイツ、UAEではそれぞれに戦略が練られています。また最近米国で可決された税制改革が、米国におけるAIの投資を促進すると考えています。

その中でも中国の次世代AI計画はその他国に比べても際立っています。中国がAIによる経済効果を生み始めたらスプートニクショックのような衝撃を受け、技術的優位性という観点で西側諸国がプレッシャーを感じることになるでしょう。

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8.AIの信頼性はテクノロジー企業以外にも求められる

AIのような新たなテクノロジーはプライバシー侵害、バイアス、環境破壊、ブランド侵害など新たな脅威を生みがちですが、幸いなことにグローバル単位で指針が策定されようとしています。組織はこの指針により、AIの利益を最大化しリスクを抑えられるでしょう。

既存の規制機関はこのようなイノベーションに遅れずについていこうと躍起になるが、恐らく限界があるため、自主規制機関がAIの信頼性に関して先導的役割を担うと考えています。

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