ガバナンスにおけるカルチャー(企業文化)の重要性とマネジメントの責任

  • 2025-10-14

はじめに

不祥事や事業不振などの企業の存続が危ぶまれる局面では、しばしばカルチャー(企業文化)※1が問題視されます。東京証券取引所が定めたコーポレートガバナンス・コードでも取締役会や経営陣が健全なカルチャーの醸成に向けてリーダーシップをとるべき旨の原則が明記されています。このことを踏まえると、取締役会や経営陣は企業の存亡がかかるような場面でなく、平時からあるべきカルチャーの醸成に向けて取り組むべきです。しかしながら、カルチャーは可視化が難しく、モニタリングや醸成の手法について、多くの企業が試行錯誤しているのも現実です。

本稿では、ガバナンスにおけるカルチャーの重要性をその定義からひもとき、事例を交えながら有効なモニタリングと醸成のアプローチについて解説します。

なお、文中の意見は筆者の私見であり、PwC Japan有限責任監査法人および所属部門の正式見解ではないことをお断りします。

※1本稿では「カルチャー」と「企業文化」を同じ意味で使用します。

目次

  1. 事業戦略やビジネスモデルとの整合を
  2. 評価・モニタリングのためのカルチャー監査
  3. カルチャーを醸成するための施策
  4. おわりに

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執筆者

PwC Japan有限責任監査法人
ガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー部
シニアマネージャー 大野 大