現代のビジネス環境では、企業が多様な委託先や関係会社と協力して業務を進めていく場面が増えています。その中でサプライチェーンに関連する委託先のリスクは、企業の評判や事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。
本稿では、まず委託先管理に関する課題や、委託関係におけるパワーバランスの問題点について紹介します。次にリスクの可視化の手法や、再委託先を含むサプライチェーンを考慮したリスク識別の手法を例示します。また企業全体での評価を通じて重要なリスクを特定し、業務ごとに整理する方法について述べたうえで、委託先管理の実務が形骸化しないようにする管理態勢の構築例について説明します。
なお、文中の意見は筆者の私見であり、PwC Japan有限責任監査法人および所属部門の正式見解ではないことをお断りします。
PwC Japan有限責任監査法人
ガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー部
ディレクター 雨宮 弦太