OECD・BEPS行動15の討議草案公表 – 租税条約関連のBEPS措置実施のための多国間協定の策定

2016-06-13

BEPSニュース - Issue 41
2016年6月13日

 

OECD/G20のBEPSプロジェクトでは、二国間条約の改正を通じて実施が見込まれる多くの勧告を提示しています。しかしながら、極めて多くの発効済条約の個別改定交渉プロセスには長期間を要すると予想されます。BEPS行動計画の行動15では、BEPSプロジェクトから生じる租税条約関連措置の実施のための効率的かつ効果的な仕組みの必要性を認識し、多国間協定の策定を求めています。

行動15に係る最終報告書(二国間租税条約の改正のための多国間協定の策定)では、租税条約関連の BEPS勧告実施のため、各国の迅速な租税条約の改正を容認する多国間協定策定の可能性を分析しています。結論としては、このような多国間協定は実現可能であるだけでなく、望ましいとしており、協定交渉を迅速に進めるべきであるとしています。

本報告書に基づき、2015年5月27日にアドホックグループが設立され、その後、本グループには96カ国 (2016年5月31日時点)が対等の立場で参加し、非国家地域と国際組織もオブザーバーとして参加しています。本グループは、2016年12月31日までに、作業を完了するとともに、多国間協定を署名のために開放することを目指しています。

多国間協定の草案文面は、政府間で討議中のため機密とされていますが、今回、多国間協定の策定に関する特定の主要な技術的論点・問題点のうちコメント募集が有効と思われるものについて、コンサルテーションが企画されました。コメントは、多国間協定でカバーされる規定の範囲やBEPS結果に内在する実質よりも、実施にかかる技術的論点と、相互協議(MAP)仲裁規定に関する論点が主たる対象とされています。

コメントの期限は、2016年6月30日です。その後、公開のコンサルテーション会合が、2016年7月7日に開催される予定です。

  1. 多国間協定
  2. 多国間協定の策定で生じる技術的論点
  3. コメント募集

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