
DXを本気で進めるために経営陣が考えるべきこと 第7回:あなたの仕事はAIに置き換えられるのか―業務変革の先にある理想を具現化するために
あらゆる業種においてデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が叫ばれる昨今、PwCあらたがどのように組織の将来像を描き、DXを推進しようとしているのかを紹介します。
2020-09-28
PwCあらた有限責任監査法人(以下、PwCあらた)は、「デジタル社会に信頼を築くリーディングファーム」となることをビジョンとして掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と個々のデジタルスキル向上に取り組んでいます。
ここでは私たちの監査業務変革の取り組みや、デジタル化の成功事例や失敗を通じて得た知見を紹介します。これからデジタル化に取り組まれる企業やDX推進に行き詰まっている企業の課題解決にお役立ていただければ幸いです。
※法人名、部門名、役職、コラムの内容などは掲載当時のものです。
人工知能(AI)の進歩により、定型的な業務だけでなく非定型的な業務もAIが代替するようになった時、人でなければならない業務として残るのはどのような業務でしょうか。その一つが、AIが出した結果を評価することであると考えています。人でなければできない業務を行う上で必要になる能力の一つが、評価する過程や、評価した結果を共有する時に用いるコミュニケーション能力でしょう。AIをはじめテクノロジーを導入するにあたり、プロフェッショナルとして必要な能力をどのように定め、業務変革を進めているのか、PwCあらたの取り組みをご紹介します。
AIやデジタルツールを導入することにより、膨大な数の会計処理全てを一つひとつチェックする精査を前提とした監査アプローチを採用できるようになると考えられています。この変化は、監査制度が始まって以来の大変革といえます。なぜなら、長らく監査は、サンプリングなどの方法で抽出した部分をチェックする試査を原則としてきたからです。
AIやツールを前提とした業務への変革は、監査のみならず、被監査会社の会計に関する業務においても進んでいくと考えます。会計と監査は連動しているからです。AIやツールをどちらか一方だけが導入するのではなく、それぞれが業務に組み込むことにより、AIやツールが出した結果に対して相互に深く理解した上でコミュニケーションを取ることができるようになります。
AIやツールによって作成された結果をもとに被監査会社の担当者と監査人が議論をする未来は、そう遠くないはずです。ただ、自らが作成したデータをもとに議論する時とは異なり、判断や予測の過程を推測し、それが適正なものであるか評価するというプロセスを踏むことが、作成された結果をもとに議論するためには必要となります。そのため、これからはデータを適切に読み解ける能力と高いコミュニケーション能力が重要です。PwCあらたは、これからの時代で求められるプロフェッショナル像を、出てきた結果を会計基準や被監査会社の経済実態と照らし合わせ、被監査会社と密なコミュニケーションを取りながら適正なデータであるか否かを判断できるような人材と考えています。
従来、監査人は、被監査会社とのコミュニケーション、そして専門家としての判断に加え、データクレンジングや分析・照合など、多くの業務に対応しなければなりませんでした。しかし、AIやデジタルツールの導入により、これまで人間が行っていた雑多な業務は効率化が可能です。導入に際しては、被監査会社の状況をよく知る監査人が最適な方法を検討する必要がありますが、効率化が上手くいけば、監査人は高度な判断が求められる業務領域に集中することができるようになります。
そのためにも業務の適切な分担が重要です。PwCあらたでは、監査人が実施していたデータクレンジングや分析・照合といった情報処理をテクノロジーのスキルを保有する技術者であるテクニカルスペシャリスト(TS)や公認会計士などの資格を有しない業務補助者であるオーディットアシスタント(AA)に移行し、その結果を監査人がレビューしています。TSやAAは、デジタルツールを駆使し、データの加工を実施します。また、加工後のデータをビジュアライゼーションツールにより可視化し、監査人が被監査会社と円滑にコミュニケーションすることに役立てています。
AIやツールだけでなく人材の配置を法人全体で最適化することは、業務を効率化しながらより高い品質を実現するための重要な取り組みです。そして、AIやツールが作成した結果を適切に評価し、その評価について過程も含めて説明し、深い議論をする経験を多く積むことで、高いデータリテラシーとコミュニケーション能力を身に付けた人材を育てることができると考えています。
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