次世代女性リーダー育成プログラム「Design Your Future 2020」を開催~コロナで変わる世の中、これからの社会を構築するのは自分たち~

2020-10-19

2020年8月、PwC Japanグループは一般社団法人スカイラボと協働で、女子中高生を対象にした女性STEAMリーダー育成プログラム「Design Your Future~デザイン思考で未来を描こう~」をオンラインで開催しました。本プログラムは、日本の女子中高生のイノベーターやアントレプレナーとしてのマインドセット育成を目的に、デザイン思考を使ったアプローチによる課題解決の体験を通して、非認知スキル、思考スキルを身につけてもらうものです。

今回は、「コロナで変わる世の中、これからの社会を構築するのは自分たち」をテーマに6日間のバーチャルプログラムとして実施し、首都圏をはじめ、北は東北地方、南は九州・沖縄地方から計36名が参加しました。

図1. バーチャルプログラムの様子

図1. バーチャルプログラムの様子

働く女性との対話を通じてユーザーインサイトを抽出

オリエンテーションでは、PwC Japanグループ代表の木村 浩一郎がこれからの社会を考えるヒントとして「デジタル化の進展」「世界の分断」「格差の拡大」の3点について話し、「ウィズコロナ/アフターコロナの世界は、皆さんが主役の未来です。今回のプログラムを通して、フレッシュなアイデアを出していただくことを期待しています」と激励のメッセージを送りました。

Day1では、3~4名のスモールグループに分かれてコミュニティを形成し、これからの社会で解決したいテーマについて話し合いました。「格差の是正」「ダイバーシティ&インクルージョン」「コミュニティの発展」「データプライバシー」などの多様なテーマが挙がりました。

Day2からDay4では、デザイン思考のアプローチを使った課題解決を体験しました。デザイン思考とは、ものづくりの原点を最先端のテクノロジーやサイエンスに置くのではなく、「ユーザー」である人間を中心にした視点で製品・サービスを開発したり、問題を解決したりする発想です。デザイン思考のアプローチにおいては、製品・サービスを実際に使用するユーザーに対する理解を深めることが重視されます。今回はユーザー役との対話の中から課題解決の糸口になる気づきを得ながら、チームで協力し、解決法を抽出していきました。

プログラムの鍵を握るユーザー役には、会計監査・コンサルティング・税務など多様な分野でプロフェッショナルとして働くPwC Japanグループの女性社員が務めました。

参加した生徒の皆さんは、普段は交流の少ない“働く女性”との対話に、初めは緊張した様子でしたが、対話を通じて相手への共感を高めるコミュニケーションの手法を学ぶうち、働くこと、社会との関わりについて、具体的なイメージを膨らませることができたようです。

インタビュー後には、参加者一人一人がユーザーのうちに秘めた思いや考えを肖像画で表す「エンパシーポートレート」を描き、インサイトを深めました。

その後、チームで協働しながらユーザーのニーズを抽出し、解決案につながるアイデアをプロトタイプにした上で、ユーザーからのフィードバックをもとに改良を加えていきました。PwCアドバイザリー合同会社代表を務める吉田 あかねから、女性リーダーの視点から参加者に向けたメッセージを伝えると、自分たちが作るプロトタイプがユーザーを超えてどう社会とつながっていくのか、視野を広げて考えました。

図2. エンパシーポートレート

図2. エンパシーポートレート

図3. ニーズ抽出のアイディエーション

図3. ニーズ抽出のアイディエーション

英語でのプレゼンテーションにチャレンジ

5日間のワークショップを通じて、どのチームもユーザーに寄り添った創意工夫の見られる興味深いプロトタイプを作り上げました。

プログラムの最終日には、各チームで作り上げたプロトタイプを発表するクロージングセレモニーを開催しました。コメンテーターとして、スタンフォード大学教育学大学院副学長のシェリー・ゴールドマン教授、スタンフォード国際多文化教育プログラム(SPICE)ディレクター ゲアリー・ムカイ博士、PwCエクスペリエンスセンター マネージングディレクターの馬渕 邦美とRyan Hartの4名が参加しました。事前に録画した4分間のプレゼンテーションに続いて質疑応答が行われ、コメンテーターからの「ユーザーのニーズにどう応えているか効果を測定するには」「数あるインサイトからそのニーズに着目した根拠は」といった踏み込んだ質問に対して、参加者はバーチャル空間で協力しながら、英語で堂々と回答しました。

図4. 英語での発表の様子

図4. 英語での発表の様子

<参加者アンケートより>

  • 今回のプロジェクトではデザイン思考を学ぶことができ、確実に良い経験、知識になりましたが、私が思っているよりずっと広い世界があって、それを感じられるチャンスがあり、そして私が世界を変えられるかもしれない、と思えたことが私の一番の成長です。(中学3年)
  • ユーザーのニーズを引き出し、寄り添うことは難しく、時には独善的な意見を言ってしまうこともあり、課題は多かったですが、最終的に形にすることができて良かったです。インタビューを通して世界の問題に対して理解を深めることができ、チームメイトの将来の夢を聞けたのも自分にとって大きな刺激になりました。(高校1年)
  • とても有意義な5日間でした。チームメンバーと協力して課題を解決していく過程で、メンバーの尊敬できるところを見つけたり、自分の良いところを見つけてもらったり、新たな発見がたくさんありました。最後の質疑応答では、ゲストの方に自分の英語で自分の考えを伝えることができて、嬉しすぎて泣いてしまいました。素晴らしいチームメンバーと出会えたのも、自分に自信を持てるようになったのも、このプログラムに参加できたおかげです。ここで得た経験は、絶対に私の将来に生かします。(高校1年)
  • 今回のプログラムはオンラインでしたが、画面越しでも初めて会った仲間とひとつのものを作り上げたり、さまざまな意見を交換したり、こんなにもいろいろなことができるのだと驚きました。またオンラインだからこそ離れた場所、海外に住んでいる方とも同じ場で活動することができるという点にも気づかされました。これからオンラインで何かをする機会が増えると思いますが、「これまでと違うから不便」ではなく「これまでと違う何かができる」と考えて学校生活や社会の中でチャレンジしていきたいと思いました。(高校2年)

コロナで世の中が大きく変わる時代、これまでの価値観に縛られることなく新しい角度から自由に発想できる人材の育成が求められています。「自分たちにはこれからの世界を変える力がある」という自己効力感を育むことが、鍵のひとつを握ると言えるでしょう。このプログラムでは、女性が若いうちにスキルと視座を身につけて、世界のために発想するSTEAM人材を目指すきっかけを提供しています。PwC Japanグループとのコラボレーションにより、多様な領域で活躍する女性リーダーをユーザーに迎えることができました。バーチャル空間で果敢にデザイン思考に取り組んだ女子中高生が、普段の教育とは異なる探究型の学びを体験したことで、飛躍のチャンスを掴んでいただくことを願っています。

一般社団法人スカイラボ

アップスキリング:急速に変化する世界で求められるスキルの向上

PwC Japanグループでは、急速に変化する不確実な世界に対応していくため、全ての人が新たなスキル習得の機会を持てる社会を目指し、「アップスキリング」に向けたさまざまな活動「New world. New skills. 新たな世界。新たなスキル。」を推進しています。今回のプログラム後に実施した参加者アンケートではスキル習得の効果を図るため、これからの世界で重要視されると考えられる「グローバル感覚」「コミュニケーション」「思考力」など7つのスキルに対する影響について回答を得ました。その結果、スキルに「非常に影響があった」「明らかに影響があった」という回答が79.7%でした。

PwC Japanグループでは、今後もクライアント企業や教育機関、自治体などとのコラボレーションを加速させ、10年後、20年後を見据えて、国際的に活躍できる女性リーダーを育成する取り組みを行っていきます。

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