
プライベート・キャピタルにおける世界のM&A動向:2025年の見通し
2025年のプライベート・キャピタルにおけるM&Aは、業界を統合するような取引や業界の再編によって2024年来の世界的に活発な活動が継続し、加速すると予想されます。
プライベート・エクイティ(PE)ファームの投資能力はかつてないほど高い水準にあります。全世界でPEによるディールの占める割合は、2013年以来の最高水準に達しており、PEファームの投資待機資金、いわゆる「ドライパウダー」は、2019年半ば時点でほぼ2兆5,000万ドルを記録しています。
価値を創造したディールのうち収益拡大を達成したものはほぼ4分の3(74%)に達するにもかかわらず、収益拡大は、コスト削減や運転資本効率化の取り組みといった手段と比べて優先度が低い。
「大手PEファームは、自身の手がけるあらゆるディールで達成される価値創造を、その手段を含めて監視・記録する価値創造モデルを有している。それは、間違いなくPE文化の中核である」
PwCでは、クライアント企業におけるディールを通じた長期的な価値創造の実現を支援することを目的として、PE経営幹部100名を対象にインタビューを実施し、幅広い業界・地域におけるM&Aを通じた価値創造の実体験調査を行いました。
「Value Creationディールの先の価値創造を見据えて:プライベート・エクイティ編」では、上記の調査からの洞察と、ファイナンシャルインベスターがディール市場で成功するために、どのようなアプローチで投資先の価値創造に取り組むべきかを提示します。
2025年のプライベート・キャピタルにおけるM&Aは、業界を統合するような取引や業界の再編によって2024年来の世界的に活発な活動が継続し、加速すると予想されます。
金融サービス業はマクロ経済情勢や地政学的緊張による不確実性に引き続き直面しているものの、メガディールの復活とディール金額の増大に伴い、2025年にはM&Aが活発化するとの楽観的な見通しが広まっています。
AIブーム、テクノロジーとビジネスモデルの継続的なディスラプションに伴い、テクノロジー・メディア・情報通信(TMT)分野のM&Aは2025年も活発に行われる見込みです。
消費者心理はパンデミック後のインフレと金利の急上昇から完全には回復していないものの、消費者市場のディールメーキングは2025年に回復の兆しを見せ始めています。