
サイバー脅威:2024年を振り返る
2024年は不安定な地政学的情勢やAI技術の進化などが影響し、サイバー脅威アクターの活動が全体的に増加しました。本年次レポートではサイバー脅威を取り巻く主なアクター、トレンド、ツール、目的についての考察や、インシデント事例を掲載しています。
近年、日本社会、政府・民間企業が対峙する課題はさまざまな文脈への広がりを見せ、外部環境は急スピードで変わっている。いまの時代、求められた仕事を正確かつ迅速に済ませるだけでは、もはや社会は変えられない。チャンスをかぎ分け、リスクに果敢に挑み、必要な経営資源の獲得に動く人や組織・企業が社会を変えていく。自社や、自分たちを取り巻く社会が抱える課題を解決するためには、これまで接点を持ってこなかった領域や分野、産業界へ入り込み、いままで交わることがなかった人たちを巻き込みながら進めていかなければならない。
PwCコンサルティング合同会社では、よりよい社会を作りたいという想いを持った有志が部門や役職の枠を超えて集結し、2019年に「Social Impact Initiative(以下、SII)」を立ち上げ、PwCのPurposeを体現する「新しい取り組み(以下、イニシアチブ)」を進めてきた。私たちSIIは、「コレクティブインパクト」が創出される社会を目指し、各種イニシアチブを進める過程で、人と人との関係性を資本ととらえる「社会関係資本」の醸成を見いだし、これは社会を変える元手となっていくと確信した。
社会はそのつど、全体最適の状態でかたちを保つが、その均衡を揺るがすような力が内外からさらに働いたとき、従来型の組織や仕組みでは対応しきれなくなる。しかし、いまのような不安定な社会においても、明るい未来を描き、そこに向かって取り組んでいきたいと考える人々はいる。
ただ、ひとりで大きなビジョンを描くのは難しいし、実現はもっと難しい。それでも、「仲間」とともに取り組むことを前提とすれば大きな夢が持てる。だからこそ、社会を変えていくためには、「社会関係資本」を作り上げていくことが何より重要だと私たちは考える。本稿では、私たちSIIが進めてきた取り組みの中で獲得した学びや教訓を、誰もが使えるかたちで掲載する。本稿が、いまの会社や団体の中で、イニシアチブを始めたいと思っている人、解決したい課題があるがどうやって進めていけばよいか悩んでいる人々の一助となること、読者が自社の中で、あるいは私たちSIIと一緒に社会関係資本を構築し、コレクティブインパクトを創出していくことを願っている。
本稿は、7つの章から構成されている。
第1章では、ひとりで大きなビジョンを実現するのは難しいこと、仲間と一緒に取り組むことの重要性について考える。とは言え、イニシアチブの立ち上げは、オーナーシップを持った人たちが行うわけだが、その際に求められる要素を第2章で整理する。イニシアチブは始動後、さまざまな荒波にのまれていく。乗り越えるためにはどういったリーダーシップを発揮し、どのようにイニシアチブを支えていけばよいのか、第3章で焦点をあてる。第4章では、イニシアチブ推進の原動力となる「コミュニティ」を作り上げるための方法を考える。コミュニティを核として作り上げられたイニシアチブはネットワーク組織へと発達し、組織としての影響力を高めていく。第5章では、その過程を描く。
第6章では、ネットワークが社会関係資本として社会を変えていく源泉になりうる根拠を解説する。最終章の第7章では、社会関係資本を元手に社会を変えていく方法を提案する。巻末に、私たちSIIの事例を記し、理解の補足とする。
人がひとりで大きなビジョンを実現するのは難しい
どうやってイニシアチブを立ちあげるのか
どうやってイニシアチブを支えていくのか
核となるコミュニティをどうやって作っていくのか
イニシアチブを階層組織と連結させる
作り上げたネットワークを社会関係資本に変えていく
社会関係資本を元手に社会を変えていく
私たちの事例
おわりに
2024年は不安定な地政学的情勢やAI技術の進化などが影響し、サイバー脅威アクターの活動が全体的に増加しました。本年次レポートではサイバー脅威を取り巻く主なアクター、トレンド、ツール、目的についての考察や、インシデント事例を掲載しています。
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