オムニバスIを題材にたどるEU立法と基準策定のプロセス

  • 2026-08-07

はじめに

2025年2月、欧州委員会は、サステナビリティ関連規制の簡素化を目的とする「オムニバスI提案」を公表しました。これを契機に、企業サステナビリティ報告指令(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)、コーポレート・サステナビリティ・デュー・ディリジェンス指令(Corporate Sustainability Due Diligence Directive:CSDDD)および欧州サステナビリティ報告基準(European Sustainability Reporting Standards:ESRS)に関する議論は急速に活発化しました。

こうした動きは、ニュースなどで断片的に目にする機会が多い一方で、その背後にある欧州連合(EU)での「決まり方」や各主体の役割といった全体像を理解することは、必ずしも容易ではありません。本稿では、個々の改正内容ではなく、「誰が、どの場で、何を決めているのか」というプロセスに焦点を当て、CSRD/ESRSを題材にオムニバスI公表以降の1年間の動向をたどりながら、EUの立法・基準策定プロセスを俯瞰します。

なお、本稿の意見にわたる部分は筆者の私見であり、PwC Japan有限責任監査法人の正式見解ではないことをあらかじめ申し添えます。

目次

  1. 本稿で扱う主な制度の概要
  2. オムニバスI提案前の状況
  3. オムニバスIの構成
  4. EUにおける法体系:レベル1とレベル2
  5. EUの機関
  6. 立法プロセス(レベル1)
  7. ストップ・ザ・クロック案の最終化
  8. コンテンツ案の検討開始
  9. EFRAGの組織
  10. 改訂版ESRSに向けた動き
  11. EFRAGの例外的プロセスと技術的助言の提出
  12. コンテンツ案の最終化までの動き(欧州議会内の交渉過程を中心に)
  13. オムニバスが公表されたことによるレベル2対応
  14. おわりに

PDFダウンロード

( PDF 1.02MB )
( PDF 12.36MB )

執筆者

PwC Japan有限責任監査法人
コーポレート・レポーティング・サービス部
パートナー 小西 健太郎

PwC Japan有限責任監査法人
コーポレート・レポーティング・サービス部
シニアアソシエイト 篠部 絵理