将来への展望――成長戦略としてのIPO

  • 2026-08-07

はじめに

資本主義社会における企業は、企業理念を起点に経営戦略を策定・実行し、「人、モノ、カネ、情報」という経営資源を活用しながら、持続的な成長を実現することが求められています。経営環境の変化が常態化し、不確実性が高まる中で、これらの経営資源をいかに獲得し、いかに柔軟に組み替えていくかは、企業価値を左右する極めて重要な経営課題です。

企業を取り巻く資金調達環境に目を向けると、金融機関からの借入やベンチャーキャピタルからの出資に加え、ICO(Initial Coin Offering:新規暗号資産公開)やクラウドファンディング、公的支援スキームなど、多様な手段が利用可能になっています。資金調達の選択肢が広がる一方で、企業に求められる社会的役割や説明責任は拡大しており、単に資金を調達するだけでなく、どのように社会と関わり、どのような成長を目指すのかが、これまで以上に問われるようになっています。

このような環境の下、IPOは単なる資金調達の手段ではなく、企業が社会との関係性を再構築し、成長戦略を実行するための基盤として、その意味合いを変えつつあります。本稿では、成長戦略としてのIPOの意義と、それを支える組織の在り方の将来について考察します。

なお、文中の意見は筆者の私見であり、PwC Japan有限責任監査法人および所属部門の正式見解ではないことをお断りします。

目次

  1. 企業成長のためのIPO⸺多様な資金調達手段の中で選ばれる理由
  2. IPO基準対応とグローバルスタンダード対応
  3. アドバイザーの活用とマネージドサービスの可能性
  4. おわりに(本特集のまとめ)

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執筆者

PwC Japan有限責任監査法人
財務報告アドバイザリー部
キャピタルマーケッツ&IPOソリューションズリーダー パートナー 越田 勝

PwC Japan有限責任監査法人
財務報告アドバイザリー部
ディレクター 吉澤 太朗

PwC Japan有限責任監査法人
京都事務所 BASチーム
シニアマネージャー 岡 淳一