
Technology Day 2025
PwCコンサルティング合同会社は、6月17日(火)に表題イベントを対面で開催します。
2024-03-28
※2024年2月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーション ニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
脱炭素に向けたエネルギートランジションが進む中、グリーントランスフォーメーション(GXと示す)やデジタルトランスフォーメーション(DXと示す)を実現する重要なツールとして、次世代のスマートメーター(スマメと示す)が期待されています。現在、一般送配電事業者各社において、この次世代スマメを運用する次世代スマメシステムの開発が本格化しています。
次世代スマメは2025年度から10年程度かけて各戸に順次導入予定で、次世代スマメシステムには現行スマメにはない機能が多く搭載されます。
本稿では、今後導入が計画されている次世代スマメへの期待と展開について概説します。
電力系統と需要家との接点で設置されるスマメが果たす役割は、年々大きくなっています。
東日本大震災をきっかけに導入された現行スマメシステムは、30分間隔の電力使用量を計測し、通信ネットワークで電力使用量を集約し、小売事業者に提供することで、小売事業者の電気料金計算、30分値の見える化等を実現しています。このように、この現行スマメシステムは、“小売全面自由化を支える情報・通信基盤”として現在も大きな役割を果たしています。
この現行スマメで構築した全需要家と接点を持つ巨大な情報・通信基盤を進化させる形で、次世代スマメシステムはGXやDXをドライブする強力なツールとして、さらに大きな役割を果たすことが期待されます。すなわち、GXへの貢献としては、次世代スマメが系統の末端センサーとなって、系統安定化や最適な設備形成のために活用されるだけでなく、次世代スマメから取得するさまざまなデータが電力市場やVPPアグリゲーター等とタイムリーに連携する「情報連携ハブ」となることで、DER(分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resource)の略称)の普及拡大に貢献することで、GXの実現につながると期待されます。
さらに、DXについては、次世代スマメから取得できる高粒度化した電力使用量データを他の民間サービスや災害対応に活用することで、“社会的課題を解決する情報・通信基盤”となることが期待されます。とりわけ、頻発化・激甚化する自然災害において、次世代スマメシステムが果たす役割として、災害時の網羅的・迅速な停電・復電の検知(スマメの死活確認(ポーリング機能)の活用)、電力供給逼迫時に起こる計画停電の回避(電流上限値を制限する機能(遠隔アンペア制御機能)の活用)を担うことが期待されます。
次世代スマメは今後10年かけて設置がなされるものであることから、今後の電力システムが直面する社会的課題への対応を先取りして仕様設計がなされています。設計の際に念頭に置かれている社会的課題(便益)と、それぞれに対して次世代スマメが提供する具体的な機能を活用した活用事例、関連する主要なシステムをPwCコンサルティングにおいて再整理したものが図表1です。
現在、2027年前後の運用開始を目指して、次世代スマメシステムの開発が本格化しています。一方で、次世代スマメを活用したビジネスの本格展開は、次世代スマメの設置およびDERの普及拡大が面的に進む2030年頃になると想定します(図表2)。この前提に従うと、2030年頃の本格展開に向けて、今後、次世代スマメ活用の構想策定、PoC(概念実証)、事業化・先行開始を実施していくことになります。また、2027年度頃には第二規制期間のレベニューキャップ査定の検討が始まる時期であり、次世代スマメについても具体な活用事例(便益)を盛り込むことが求められます。それゆえ、今、まさに次世代スマメ活用の構想・PoCの検討を開始すべきタイミングと言えるでしょう。
次世代スマメシステムには、社会課題解決に向けた数多くの活用事例の実現が期待されています。レベニューキャップ制度により導入される次世代スマメへの期待は、期待で終わらせるのではなく、中長期で確実に成果を出すことが求められます。そのためには、「ニーズの把握・創出」「制度面の確認」「他社コラボレーション」「PoCによる検証」「費用対便益の検証」等を通じて実用化していくことが必要となります。
PwCコンサルティングには、次世代スマメの導入・活用を推進するために必要となるエネルギー制度、DX推進、データアナリティクス、サイバーセキュリティおよびプロジェクトマネジメントといった幅広い領域の専門家が在籍しており、次世代スマメシステムの導入支援のみならず、次世代スマメシステムを活用した新規ビジネスの立ち上げ支援等、幅広くご支援します。
「防災・減災×脱炭素」の新領域に挑むネクセライズ 危機感を超克する改革をPwCが支援
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/track-record/nexeraise.html
社会を変える協働に向けた「2023年度 Social Impact Initiativeインパクトレポート」を発刊しました。非 営利団体などが目指す世界観を最適な表現方法で可視化し、社会課題解決を企図するマルチステークホルダー間の連携を促進します。
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/social-impact-initiative.html
PwCコンサルティング合同会社は、6月17日(火)に表題イベントを対面で開催します。
PwCコンサルティング合同会社とCoupa株式会社は2025年6月13日(金)に、表題のセミナーを対面で開催します。
PwC Japanグループは2025年6月4日(水)に、表題のセミナーをシンガポールで開催します。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所とPwCリスクアドバイザリー合同会社は2025年5月28日(水)に、表題のセミナーを対面で開催します。