
PwCコンサルティングとSAPジャパン、東京ガスグループの経営改革を支える経理・資材業務システムの刷新をSAP S/4HANA Cloud導入により支援(2025年7月11日)
PwCコンサルティング合同会社とSAPジャパン株式会社は、東京ガス株式会社の経理および資材業務のシステムを稼働させたことを発表しました。要件定義から稼働開始までをプロジェクト開始時の計画どおり2年で完了しました。
2021-11-26
※2021年10月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーションニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
「原発をどうするか」は、日本の重要な論点の1つとなっており、未だに決着がついていません。大手を振るって原発を稼働できる環境が整備されていないため、官民一体となっての推進が困難な状況です。日本では電力会社をはじめ、多くの企業にとって原発に対し将来を見据えた投資を積極的にできない状況にあります。
米国では、バイデン政権のEnergy Act of 2020の中で、新エネルギーの技術促進に約352億米ドルを投じる法案が可決されました。原子力開発に係る66億米ドル(全体の約6分の1)のうち20億米ドル(全体の約18分の1)が次世代炉として注目されるSMR(小型モジュール炉)など、先進的な原子炉の開発に供給されるとの動きがあります。既に米国におけるSMR第1号案件となる「UAMPSプロジェクト(ユタ州)」に、米国エネルギー省は10億米ドルを段階的に資金援助するとしています。英国のNational Nuclear Laboratoryによれば、2035年までの世界のSMR市場規模は2,500~4,000億ポンド(約37~60兆円)に達すると試算されるなど、SMRは世界的な成長市場になり得ます。さらに言えば、高温ガス炉、核融合炉の開発が控えており、原子力関連ビジネスは今後数十年にわたって大規模ビジネスになることが予測されます。
この流れに目を付けたのが韓国です。新設原子力発電の建設のコンペでは、過去のプロジェクト経験が評価されるため、米国のSMR案件に参画し知見を蓄積する価値は大きいでしょう。政府系金融機関と重工メーカー、エンジニアリング会社が連携し、UPAMSで採用されるSMRの炉メーカーに多額の出資を決定したことが発表されています。国を挙げて世界のSMR市場を戦略的に取りに来ているのです。日本からも大手エンジニアリング会社や重工メーカーが当該炉メーカーに出資し、SMRの領域で大いに存在感を示しています。
それでは、廃炉(廃止措置事業)分野はどうでしょうか。
LCOE(Levelized Cost of Energy:発電量あたりのコスト)の観点から、廃止措置事業の効率的推進は原発業界にとって重要なテーマであり、注目されることが予測されます。再エネの発電コストが下がるなか、再エネよりコストが高くなった場合、原発不要論が加速する可能性があるからです。 米国では国と民間が一体となり、ライセンス移転と積立金の運用という手法により、廃止措置事業の効率的推進に関するノウハウを蓄積しています。英国では、民間企業を巻き込むPBO(Parent Body Organization)モデルから、政府機関であるNDA(Nuclear Decommissioning Authority)が全ての廃止措置事業を進める電力会社を完全子会社化することで事業推進するスキームに転じ、政府がリスクを取って事業を推進しています。英国の原子炉廃炉の施設許可会社の廃止措置事業では、NDAモデルにより、20年にわたるパートナー会社を4社選定し、総額45億ポンド(約6,750億円)をコミットしています。策は異なるものの、官民一体となった知見の蓄積過程を踏んでいます。
日系企業が視察などを通して海外で蓄積されたこれらのノウハウを学ぶことができるか、と言えば、かなり難しいでしょう。世界を渡り歩く海外の原子力専門事業者は、交渉においては百戦錬磨の企業であり、損得で得がないと判断すればこちらが欲しい情報は一切提供しません。さらに言えば、プライベートエクイティといった短期のエグジットを目論んでいるファンド系企業が出資などしている場合、話をするのにも苦労する、という状況のようです。どのようなストーリーで話をすれば聞いてくれるのか、現地の専門家からのアドバイスを聞いた上で現地のネットワークを保有する専門家を介して慎重に話を進めることを推奨します。
新設、廃炉、どちらにしても、次の大マーケットを狙って、諸外国は着々と動いています。M&Aも盛んです。地球温暖化対策と燃料供給安定性の観点から、発電時にCO2を排出しない原発を望む国は少なからず存在します。原子力発電については賛否両論ありますが、原子力事業へ積極投資するのであれば、日本企業にとって大きな市場を掴む種を多く蒔き、市場参入の機会を創出する良いタイミングであると考えます。
PwCでは海外のPwCオフィスと一体となって、海外および国内で原子力関連ビジネスを拡充するため、以下のような支援を行っています。
PwCコンサルティング合同会社とSAPジャパン株式会社は、東京ガス株式会社の経理および資材業務のシステムを稼働させたことを発表しました。要件定義から稼働開始までをプロジェクト開始時の計画どおり2年で完了しました。
PwC Japanグループは富士通株式会社とともに、7月11日(金)に表題のイベントを開催します。
PwCコンサルティング合同会社は7月9日(水)より、表題のセミナーを対面で開催します。
PwCコンサルティング合同会社は7月9日(水)より、表題のセミナーをライブ配信します。