海外赴任レポート

グローバル人材育成のための
積極的な海外キャリア支援

グローバル化の進展に伴い、国際税務業務の需要が高まっています。PwC税理士法人では、こうした時代の最先端で活躍できる、真に国際感覚豊かな人材の育成に積極的に取り組んでいます。

海外勤務制度

PwC税理士法人の大きな特色の1つが、スタッフを積極的に海外へ送り出す海外勤務制度です。常時30~40名を海外に派遣しており、グローバルな舞台で活躍できる人材の育成に力を入れています。海外勤務制度を経験したスタッフのレポートをご紹介します。

目的
PwCグローバルネットワークの海外メンバーファームでの勤務経験を通じて、国際感覚の醸成、スキルの向上を図ります。
派遣時期・期間
原則として、派遣を希望する入社から4年以上たったスタッフを2〜3年程度派遣します。
条件
原則として、ビジネスレベル以上の英語力を備えていることが求められます。
派遣先
米国、英国、ドイツ、オランダ、中国、シンガポール、タイ、オーストラリアなど

CASE 01PwCオーストラリア法人シドニー事務所

Profile

藤田 諒
事業法人部
シニアマネージャー
2014年入社
2016年~2019年 PwCオーストラリア
法人シドニー事務所出向
(インタビュー当時)

英語力を活かして活躍するために

税務という専門性に加え、英語を活かして仕事がしたいという思いが私にはずっとありました。大手税理士法人からPwC税理士法人に転職したのも、国際税務案件が多いことに加えて、比較的若い時期から海外赴任にチャレンジしやすい環境が整っていると聞いたためです。

チャンスが巡ってきたのは入社して2年目、32歳の時でした。入社以来海外赴任制度に応募していた私に、当時の部門長が「シドニー事務所が税務担当の駐在員を募集しているので受けてみないか」と声をかけてくれたのです。当時PwCオーストラリア法人には、現地の日系企業を支援する税務専任担当者のポジションがなく、PwC税理士法人以外のメンバーファームからの出向者が兼任していました。そこで新たに税務の専門人材を置くことになり、その候補者として私の名前が挙がったのです。希望していた海外赴任のチャンスに加え、前任者がいない中でゼロから新しくポジションを築くということに大きなやりがいを感じ、私は迷うことなく赴任することを決めました。中途入社であっても新卒と変わらずにこうしたチャンスが得られることは、当社の素晴らしい点だと思います。

新規案件の開拓に奔走する

現地に赴任した私に課せられたミッションの1つが、新しい案件の開拓でした。私は日系企業の駐在員が集うイベントに出かけては地道に人脈を広げることからスタート。役員クラスの方々と着実に信頼関係を築いていくことに挑戦しました。早急に結果が出るようなものではないため、1年目は土壌を耕し、2年目に種を蒔くような感覚で、焦らずに取り組みました。

そんな中でつかんだのが、ある企業がオーストラリアへの進出を考えているという話でした。新たな拠点の立ち上げに際しては、税務はもちろんのこと、会計や法務などさまざまなサービスを一括で提供できる強みがPwCにはあります。そう考えた私はPwC側の窓口として各サービスの担当者らを取りまとめ、クライアントに対してワンストップサービスを提供する体制を築くことに奔走しました。このクライアントには「おかげさまで迅速に拠点設立ができた」と喜んでいただきました。

せっかく新しくポジションを作るのだから税務プロフェッショナルのプレゼンスを高め、そのまま後任にバトンを渡したいというのが、当時の私の志でした。その思いのとおりに後任に引き継ぐことができ、何とか足跡を刻めたのではないかと思っています。

多様性への対応力を新たな武器に

国内で新しい案件を開拓することは、ポジションが上がるにつれてより求められるようになります。オーストラリアでの経験は、今後私がその役割を担っていく上での格好のトレーニングになったと感じています。クライアントの潜在的な課題を見つけ出してソリューションを提供するためには、最前線でクライアントと対峙することが求められますが、その力は海外赴任によって確実に身に付きました。同時に、上司からの指示ではなく、自ら考えて案件開拓に飛び出していく主体性も磨かれたと思います。

オーストラリアではローカルのスタッフに交じり、税務の専門家として異なる言語、文化の人々と一緒に仕事をしました。そのおかげで、必然的に多様性を受け入れ、対応する力がつきました。これからの税務プロフェッショナルには従来の税理士の範ちゅうにとどまらない、幅広い領域での活躍が期待されています。当然さまざまな領域の専門家とともに仕事をする機会も増えていくでしょう。「多様性」は税務プロフェッショナルがこれからの時代で活躍する上で必須のキーワードの1つであり、海外赴任はそれを学ぶ上でも貴重な経験だったと実感しています。

CASE 02PwC米国法人ニューヨーク事務所

Profile

手島 吉彦
金融部
ディレクター
2008年入社
2019年~2021年 PwC米国法人
ニューヨーク事務所出向
(インタビュー当時)

英語が不得手だったからこそ

PwC税理士法人には外資系企業のクライアントが多く、PwCグローバルネットワークのメンバーファームと連携する機会も多々あります。そのため、英語でのコミュニケーションも日常的に見られます。メールであれば英語が不得手な私でも何とか対応できるのですが、口語によるコミュニケーションにはずっと自信が持てませんでした。特に英語での電話会議となるとお手上げで、会議には臨席するものの、記録係を務めるのが精一杯で、ずっと歯がゆい思いをしていました。税務プロフェッショナルとして仕事をしていく上で英語力の向上は、私の大きな課題だったのです。

身近な先輩方が海外に赴任し、帰国後に明らかにパワーアップして活躍している様子にも憧れました。そうしたことから私も海外での挑戦が自分の次の飛躍につながると考えて、海外赴任制度に応募することにしたのです。

もちろん英語が苦手な自分に果たしてその資格があるのか、という不安はありました。それでも選考は無事に通過。一歩を踏み出そうとする志さえあれば、英語が堪能でなくてもチャンスをつかむことができるものだと実感しました。

自らの判断でクライアントにアドバイスを送る

先輩の「大変なのは初めだけ。慣れれば大丈夫、なんとかなるさ」とのアドバイスを胸に、初めて訪れたニューヨーク。不安だらけのスタートでした。PwC米国法人ニューヨーク事務所は世界各国から赴任してきた多国籍メンバーで構成されており、現地スタッフも英語を母国語としない人材とのコミュニケーションに慣れている様子で、私とコミュニケーションする際はゆっくり話してくれるなどの気配りをしてくれました。私も英会話学校に通い続けたおかげで、半年もたつとコミュニケーションもスムーズに。先輩の言ったとおり、確かになんとかなるものだと感心しました。

私の現地でのミッションは、米国のクライアントが日本でのビジネスを検討したり、日本の子会社で税務上の論点が発生したりした際に、日本の税務についてアドバイスすることでした。日本ではパートナーの指示に基づいてクライアントにアドバイスを提供することが通常なのですが、私はニューヨークでその責任者として、基本的に自分で判断しなくてはなりませんでした。しかも日本語でさえ難しい説明を、英語で行わなくてはならないのです。常に緊張感を持って取り組んでいましたが、クライアントに納得いただけた時などは大きな達成感が得られました。

他人を思いやる気持ちと心のタフさ

英語の電話会議にも以前より積極的に出席できるようになり、英語でのレポーティングやプレゼンテーションも臆せずにできるようになりました。これは海外赴任で得た一番の財産です。

滞在中はスタッフがランチに誘ってくれたり、上司が日本から電話をかけてくれたりしました。私のメンタルが折れるようなことがないか、大勢の人たちに見守ってもらったという感謝の気持ちがあります。その体験があるからこそ、今度は自分が人のために心を配ってあげる番だと考え、若手のメンバーには積極的に声をかけるよう心がけています。こうした思いを自然に持てるようになったことも、海外赴任のおかげだと思います。

そして何よりも大きいのは、タフになったという実感です。ちょうどコロナ禍とぶつかってしまい、ニューヨークでの生活には大きな不安がありました。その中で2年間生き抜いてきた自信は、どんな困難にぶつかっても志さえあればなんとかなるという“強さ”につながっています。ぜひ皆さんも、海外赴任に挑戦し、大きな成長の糧にしていただけたらと思います。

グローバルに活躍できる人材になるためのサポート

PwC税理士法人は、初めから英語力や国際感覚に優れた人材を求めているわけではありません。海外勤務制度以外にも、グローバル人材への成長を後押しするサポート制度がいくつもあります。世界を舞台に活躍できる税務のプロフェッショナルを目指し、着実にステップアップしていきましょう。

海外語学研修

国際的なビジネス感覚を備える上で必要不可欠な英語力を習得するための語学研修です。毎年十数名のメンバーを選出し、2〜4週間程度、フィリピンなどの英語学校に派遣しています。この研修には、年齢や職階に関わらず、誰でも応募が可能です。
※COVID-19の影響期間中は「英語 集中学習プログラム」を代替実施

研修補助金制度

PwC Japanグループが指定した学習プログラムの受講費⽤を年間最⼤20万円補助する制度。 マンツーマンの語学研修や、eラーニングコンテンツなど豊富な学習プログラムの中から自身に合ったものを選んで受講することができます。