第2回:Technology Laboratoryの職場環境や働き方

2023-04-10

最先端のテクノロジーを活用し、産官学の連携を支援することで社会課題の解決を目指しているTechnology Laboratoryでは、多様な専門性を有するメンバーたちが活躍しています。そこで、本連載では、異なるライフステージにある女性メンバー3名が、それぞれの働き方の特徴やTechnology Laboratoryの職場環境、キャリア構築をバックアップする各種制度や取り組みについて語り合います。

座談会参加メンバー

Technology & Digital Consultingチーム/Technology Laboratory所属

マネージャー
吉田杏奈

マネージャー
齋藤望

シニアアソシエイト
竹尾もえ

※役職およびインタビュー内容などは掲載当時のものです。

(左から)齋藤、竹尾、吉田

ライフステージに応じた多様な働き方を実現できる社内環境

―Technology Laboratoryの概要、また自己紹介およびそれぞれのライフステージについて教えてください。

吉田
Technology Laboratory は、世界各国に点在するPwCメンバーファームのラボと緊密に連携し、先端技術に関する情報を集約しながら、企業の事業変革や大学・研究機関の技術イノベーション、政府の産業政策を総合的に支援しています。領域としては、3Dプリンティング、AI、AR、VR、ブロックチェーン、ドローン、IoT、ロボティクスに加え、3次元空間情報、WEB3、高齢化対応・健康技術など超スマート社会を支える次世代技術、脳科学、量子技術、宇宙関連技術など、革新的なテクノロジーを扱っています。

私は大学・大学院時代から人の心の可視化に強い関心があり、脳科学や人間科学を専攻してきました。Technology Laboratoryでは前職のコンサルティング会社と在職時から引き続き、脳科学に関するコンサルティング業務を担当しています。コンサルタントとしてこれからも仕事に打ち込みたい一方で、ワークライフバランスも考えていきたいというライフステージにいます。

齋藤
私は大学院で博士号を取得後、大学教員として有機化学分野で研究教育の道に進みました。サイエンスへの知的好奇心を追い求めることのできるアカデミアの世界はとても楽しかったのですが、サイエンスやテクノロジーを社会に実装するブリッジの役割の必要性を強く感じるようになり、その役割を担いたいと考えるようになりました。そのような経緯でコンサルティング業界に転職し、2社ほど経験して現在に至っています。

今は、コンサルティングにおけるスキルを磨いて成長していくためにも、バリバリ仕事をしたいと思っているタイミングです。

竹尾
私は新卒当初から知的財産の分野でキャリアを積んできました。日本の大手電機メーカー2社で合計15年間勤め、その間に弁理士となりました。法律事務所や欧州系外資メーカーに勤務した経験もあります。

最初に就職したメーカーでは半導体を専門的に扱っていましたが、「他の技術領域を見たい」「広範な法律に触れたい」「グローバルなビジネスに関わりたい」という思いがあり、何度か転職しています。その間に、知的財産関連の職種ほとんど全て経験しました。一方、自分のキャリアはこれまで電機をはじめとする製造業という分野に限られていました。世の中では環境、エネルギーなど興味深い領域が広がっているため、より多様かつ社会課題に向き合える業務を経験したいという思いでPwCコンサルティングに入社することにしました。

ライフステージとしては子どもが2人いて子育て中です。大きくなったので以前よりは落ち着いてきていますが、それでもまだ手がかかる状態です。

――竹尾さんはお子さんが2人いらっしゃるというお話ですが、Technology Laboratoryの職場環境についてはどう感じていらっしゃいますか。

竹尾
勤務する時間・場所に関しては自由度がとても高い印象です。私の場合は午前の方が時間を調整しやすく、打ち合わせ時間なども予定に合わせて組んでいただいています。入社前から環境が整っているイメージでしたが、入社後はより両立に確信が持てるようになりました。

齋藤
子育てのみならず、介護などのライフイベントに応じて勤務時間や形態を調整したい方は多いはずです。PwCコンサルティングには「ライフより仕事を優先すべき」という暗黙の重圧はなく、むしろ周囲と協力しながら個々人にとって最適な働きやすさを目指す雰囲気があると感じています。

――Technology Laboratoryのメンバーは、ワークライフバランスを整えるためにどのような工夫をされてますか。

齋藤
私の場合、パフォーマンスを高めるためメリハリを大事にしています。1日の中で勤務時間を調整したいということは特にありませんが、オフの日にはしっかりリフレッシュしたいという希望があります。それを可能にするためにも、平日のうちに仕事を完了できるよう心がけています。長期休暇には、英気を養うために遠出や旅行の予定を前もって組むようにしています。

吉田
プロジェクトが一段落した時、有給休暇を消化して1~2カ月ぐらいまとめて休むメンバーもいます。会社も周囲も長期休暇には寛容で、多くのメンバーが次のプロジェクトに備えて休む時はしっかり休むという印象です。

Technology & Digital Consultingチーム マネージャー 吉田

Technology & Digital Consultingチーム マネージャー 吉田

Technology & Digital Consultingチーム マネージャー 齋藤

Technology & Digital Consultingチーム マネージャー 齋藤

ライフステージ変化に伴う課題を一緒に解決

――ライフステージのなかでも、特に妊娠・出産は大きな転換期になると思います。Technology Laboratoryでは産休や育休に対してはどのようなスタンスなのでしょうか。

吉田
「コンサルティング業界は育休や産休が取りにくいのでは」と思われる方も多いと思いますが、PwCコンサルティングでは女性のみならず男性の取得も珍しくありません。実際に、2022年には男性育休取得率も74%に達しています。Technology Laboratoryのリーダー陣も積極的に取得することを奨励しています。

また産休や育休については取得できるか否かという観点以外にも、多くの課題があります。例えば、仮に休暇を取得できたとしても、評価への影響が気になり、働きにくくなるというケースがその1つです。PwCコンサルティングではメンバーの働きやすさをフォローするために、期待値そのものを調整して、それぞれのライフステージに沿った評価基準を定めることに努めています。

齋藤
私は、子どもがいるならば子育てに充てる時間は絶対的に必要になると考えていますし、今しかない時間を大切にしてほしいと思います。周囲には“迷惑”ではなく“当然”のことと受け入れてくれる雰囲気があってほしいですね。これは出産に限らず、介護や他のライフステージでも同様です。産休や育休などの休暇を取得する仕組みのみならず、期待値やキャリアプランを調整するなど、実質的な面までサポートティプであるカルチャーはとても誇れると思います。

竹尾
巷では日本企業は「海外企業と比較して子育ての両立が難しい」「産休や育休の取得率が低い」と語られがちですが、自身の経験としては、外資系企業にも課題はありました。いずれにせよ、自分が長期休暇を取得するとなれば、周りにカバーしてもらうことになるのは確実です。重要なのは制度を前提として、チーム内で率直かつ円滑なコミュニケーションが取れるか否かだと感じました。

吉田
「産前産後・育児休職によりブランクが生じないだろうか」「モチベーションを維持できるだろうか」「または組織側が改めてしっかり受け入れてくれだろうか」などと精神的な不安を抱く方も多いでしょう。例えば、PwCコンサルティングでは以前は長期休職を取得すると基本的にパソコンなどは全て一度、返却することになっていました。ただそうなると「組織からの疎外感が強くなってしまうのではないか」という意見があり、希望者に対してVDI(仮想デスクトップ基盤)の貸与が始まっています。またTechnology Laboratoryでは、最新のテクノロジーに関する情報など、業務とは直接関わりのない内容であれば、希望に応じて休職時にチームメンバーとコミュニケーションがとれるような仕組みを導入することの検討を進めています。これによって、休職中の疎外感を払拭できるようになればよいと考えています。

メンバーが増えれば増えるほど、仕事とライフステージというテーマには課題が出てきますが、挙がった声に対してはしっかり耳を傾け、一緒に解決を目指して試行錯誤していくというのがTechnology Laboratoryのスタンスです。

ライフステージの課題をサポートするイノベーティブな組織

――PwCコンサルティングやTechnology Laboratoryでは、ライフステージの変化に伴う課題に対してどのようなサポートを行っているのでしょうか。具体的な事例があれば教えてください。

吉田
例えばワークライフバランスが崩れてしまっている場合に、健康保険のポイントを利用して家事サービス代行の補助を受けることができます。またキャリア形成のためのラーニングを補助する制度もあります。テクノロジー分野は常に新しいトレンドが生まれますし、技術動向に関してもキャッチアップが必須です。インプットを増やしたい時や、バリバリ働きたいと考えた際、それらの制度はとても役立つでしょう。

また現状で自分にフィットする制度がなくても、一緒に新しくルールメイクしていける点も、メンバーが働きやすい環境を生むための強みになっています。

竹尾
私は個人的に、ファミリーイベントの充実がとてもありがたいです。メンバーに子どもを紹介したいというよりも、子どもに職場やメンバーを紹介したいという気持ちが大きい。というのも、さまざまな専門性を持つTechnology Laboratoryのメンバーは、子どもにとってロールモデルになり得るからです。以前のイベントでは、新入社員と私より、新入社員と子どもの年齢差の方が近く、親といる時とはまた異なる刺激を受けているようで感慨深くなりました。

またプロジェクトに限ってしまうと数人しか関わることができませんが、PwCコンサルティングでは時々のタイミングでメンバー同士が深く知るきっかけが与えられます。なかでも、個人的にはシェアリングの時間をとても重宝しています。PwCが抱えているビジネスは広すぎて、その全て押さえるのはなかなか困難です。その点シェアリングはホットなテクノロジーやプロジェクト事例にフォーカスし、効率的なインプットを後押ししてくれます。私と同じような中途入社の方が、業務や現場に適応するのにも役立つはずです。

吉田
少し角度を変えて話すと、Technology Laboratoryにはファシリティが多いことも特長です。例えば、VR、ドローン、仮想空間技術、没入型体験を可能にする球面ディスプレイ、自動走行型ロボット、3Dプリンターなどの最新機器がオフィス内に設置してあるので、実際に先端技術に触れながらクライアントの支援ができます。ファシリティの多さや各技術のエキスパートが常に在籍しているという環境は、専門性を高めたり、各ライフステージに応じたキャリアを構築したりする上で、とても有利に働くのではないでしょうか。

――これから強化していきたい、もしくは新たにつくりたい制度などはありますか

吉田
私が周囲からよく聞くのが、キャリアを検討する上で、同じような経験をしたロールモデルがいると参考になるというものです。そのため、メンバー内でより互いを知る機会が増えるといいなと考えています。直近では新しい女性メンバーの方が加わったので、コミュニケーションを取る懇親会の場を設けました。社内イベントもロールモデルを探すきっかけになりますし、リアルな場は大事にしていきたいです。

齋藤
たしかにコロナ禍以降、リモートで仕事をするシーンも増えて、互いに知り合う機会は減りました。引き続きアイデアを出しながら、互いを知るための新しい取り組みを展開していきたいですね。

Technology Laboratoryには、専門性、バックグラウンド、ライフステージの面で多様なメンバーが在籍しています。互いを知る機会を増やすことは、自身のキャリアを検討するうえでも参考になります。多様性を大事にし、絶対的なロールモデルというよりも、個々人の状況やライフステージに合ったロールモデルがいつでも見つけられる組織でありたいです。

吉田
最近、Technology Laboratoryでは、上位職階の方から自分のキャリアについてアドバイスをいただけるコーチ制度だけでなく、組織内で知見を共有し、より身近な立場のメンバーとコミュニケーションを取りやすいよう、近い職位のメンバー同士で「バディ」を組むバディ制度も導入しました。中途入社された方にとっては、慣れるまでのしばらくの間は迷ったり悩んだりすることも多いと思うので、何でも気軽に聞ける存在を置くという取り組みです。これも、メンバーが課題に対して声をあげて、数カ月で実現しました。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

竹尾
私はとてもテクノロジー好きで、Technology Laboratoryでプロフェッショナルな方々と触れ合う日々にとてもワクワクしています。現在は子育てというライフステージにいますが、仕事はとても充実しています。

最初は不安でしたが、PwCコンサルティングに転職してワークライフバランスのハードルや制約を感じたことはありません。きっと当社では、子育て以外のライフイベントが発生した時でも、周囲のサポートを相談しながら自分がやりたいことを積極的に模索していけると思います。他のメンバーが重要なライフイベントを迎えた際には、しっかりサポートし、働きやすい職場づくりを目指していきたいです。

齋藤
PwCコンサルティングは人を大事にしてくれますし、自身のキャリアを実現するための環境を自分たちで創り出していける組織です。私自身は明確にキャリアやライフステージの将来像を描けている訳ではありませんが、現状の変化を楽しみつつ、在りたい姿を模索しながら進んでいる段階です。これから起こりうる課題に対してもメンバーと一緒に前向きに取り組み、思い描くキャリアを実現していきたいです。現段階でライフステージ変化の中でのキャリア形成に不安がある方も、ぜひ思い切ってTechnology Laboratoryに飛び込んでいただき、よりよい環境を一緒に創っていければと思います。

吉田
PwCコンサルティングにはビジネスや社会の課題のみならず、自分たちのライフステージの課題も積極的に解決していこうというメンバーが集まっています。環境をどのようにも改善していけますし、自由度はとても高いです。働き方やキャリアも多様ですので、自分に合ったロールモデルを発見したり、自らがロールモデルになったりすることもできるでしょう。Technology Laboratoryで専門性を発揮しながら、自分に合ったキャリアを築いてもらえれるとうれしいです。

――本日はありがとうございました。

Technology & Digital Consultingチーム シニアアソシエイト 竹尾

Technology & Digital Consultingチーム シニアアソシエイト 竹尾