代表メッセージ

監査品質を高め、未来の社会における「信頼の空白」を埋めるために

地政学リスクが高まり、エネルギーや気候変動問題における分断が深まる中、生成AIの利用が爆発的に進むなど、社会が急速に変化しています。既存のルールではこれらの変化に対するガバナンスを効かせることができず、社会において必要な信頼が確立できていない領域、すなわち「信頼の空白」域が生まれています。

PwCのPurpose(存在意義)は「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことにあります。不確実性が加速度的に高まる社会において、アシュアランスの技術を活かして「信頼の空白」域を埋め、社会の信頼づくりに貢献するべく、2023年12月1日にPwCあらた有限責任監査法人(以下、「PwCあらた」)とPwC京都監査法人(以下、「PwC京都」)は一つとなり、PwC Japan有限責任監査法人として業務を開始しました。

PwCあらたとPwC京都は、同じPwCのPurposeを共有するネットワークファームでしたが、それぞれに特色を持っていました。PwCあらたには、グローバル展開する企業への監査の実績と、監査業務から得られた知見を活用した、監査を受嘱していない企業への会計・内部統制、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、デジタル、サステナビリティに関するアドバイザリー業務の実績が豊富にあり、またその経験を監査業務に活かすという監査・非監査の相乗効果を生み出す循環がありました。PwC京都には、ベンチャー企業から大規模なグローバル企業までの幅広い監査の実績と、IPOに関する監査・支援における豊富な実績がありました。統合により両法人の強みを取り入れることで、より変化に強い組織にすることができると考えています。

私たちがまず行うことは、監査業務の品質をより一層高めることです。PwCは世界中で共通の監査手法により、各国の事業環境を踏まえながらもグローバルで一貫した高品質の監査を提供しています。また法人運営についても、日本の監査法人ガバナンスコードに加え、グローバルな視点も意識した管理・確認・改善を図っています。私たちは、PwCグローバルネットワークを活用することができる唯一の日本の監査法人として、これからも一層、品質向上に尽力してまいります。

非監査の領域では、サステナビリティ情報開示の議論が世界中で急速に進む中、開示に関する取り組みへのさまざまな支援に加え、その情報の信頼性を担保する保証のあり方についても積極的に議論に参加し、信頼づくりに貢献していきたいと考えています。さらに、スマートシティなどでGPSやIoTなどから得られるあらゆるデータの信頼性を確保する仕組みの構築の研究をはじめるなど、「信頼」を提供するトラストサービス構築のための研究・開発体制を強化し、未来の社会における「信頼の空白」域を埋めるための準備を進めてまいります。

これらの取り組みを進めていくために最も重要なものは「人財」です。私たちは、入社年次にかかわらず、誰でも、誰に対しても自由に声を上げることを推奨する「Speak Up」の精神を守り、職員が一丸となってボトムアップで策定した私たちの行動規範「Critical Few Behaviours」を自分事化して、一人ひとりのキャリア形成と当法人の成長が繋がっていく人財の長期育成を進めてまいります。そして「誰かのために貢献したい」という考え方を大切にする集団であり続けることを目指します。

これらの道筋を守り、監査法人としての社会的責任を果たすことができるよう、私たちは、ステークホルダーの皆様のご意見も伺いながら、弛まぬ努力を続けてまいります。

PwC Japan有限責任監査法人
代表執行役 井野 貴章
執行役代表代行 鍵 圭一郎