アシュアランス変革への取り組み

アシュアランス変革担当パートナーからのメッセージ

PwCあらたは、デジタルテクノロジーを活用してデータの 信頼性の保証に寄与するとともに、社会の変化と期待に 応え、より良い未来に貢献するため変革を続けていきます。

近年、もともと存在していた社会の不安定性があらためて表面化してきています。社会の枠組みは大きく変わり、短期間に元に戻ることはない、不可逆的な変化が生じています。この結果、社会に対する信頼が大きく損なわれています。PwCは、「社会に信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことをPurposeとしていますが、今まさにこのPurposeが社会から問われています。

監査における品質を考える際に、真に高品質な監査とは、コンプライアンスや、通常想定される業務効率を達成するということでなく、社会や被監査対象の期待を超え、未来を先取りした対応をすることであるとPwCあらたは考えています。従来の財務諸表監査や内部統制監査という枠組みの中だけで満足することなく、それを超えた、幅広い領域に対する保証を、最先端のテクノロジーを活用して効率的かつ深度をもって実施するとともに、それらをリードできる人財を育てていく必要があります。

PwCあらたは、「信頼」を重要なテーマに据え、社会が必要とする信頼をより広く、効率的に提供してまいります。これらの中には、現在は助言業務として実施しているものもありますが、将来的な監査あるいは保証の枠組みの中で提供するものも含め、社会の期待に応えていきます。

また、信頼性を保証する対象として、社会活動全般にわたるデータ全体へと拡大していきたいと考えています。デジタル化の進展により、社会活動における多くの意思決定がさまざまなデータに基づき行われるようになりました。データへの信頼性の欠如は、社会活動全般に対する潜在的な不安につながり、社会そのものへの信頼の欠如、ひいては将来への希望の低下につながる可能性もあります。PwCあらたでは、従来も監査の枠組みの中で常にデータの信頼性を検証してきましたが、今後社会活動に用いられるデータ量の増大に対応し、最新のテクノロジーを活用した全く新しい手法の財務諸表監査を作り上げることで、従来では不可能と考えられていた水準の高品質かつ高効率な監査を実現します。

さらに、温室効果ガスの排出量、男女賃金格差など多種多様な非財務情報も、昨今はデータに基づいて作成されています。これらのデータの信頼性の担保あるいはデータの生成過程の内部統制の信頼性についても、これまで監査で培ってきた技術と、それを使いこなす人財を応用することで実現可能だと考えています。

私たちが大切にする品質やその土台となるセキュリティを担保しながらこれらの新たな取り組みにチャレンジすることは容易ではありません。また、これらの取り組みは私たちだけでなしうるものではなく、被監査対象会社ひいては社会全体のデジタル化の進捗、データ管理の在り方にも依拠することになります。社会からの期待に応え、より幅広い領域に信頼を付与するために、私たちが基盤としてきた文化を土台として、社会全体のデジタル化を進めながら、アシュアランスの変革に向けて一歩ずつ前進していきます。

執行役副代表 (アシュアランスリーダー/監査担当/監査変革担当/企画管理担当) 久保田 正崇

執行役副代表
(アシュアランスリーダー/
アシュアランス変革担当/企画管理担当)
久保田 正崇

未来に向けたPwCあらたの「業務変革」――社会のトラストイノベーションに貢献する

情報開示の拡大は、被監査対象、情報利用者、監査人の対話を促進し、コミュニケーションの拡充をもたらすと考えます。

建設的な対話を実現し、経済発展と社会的課題の解決を両立させていくためには、経済活動や意思決定の基礎となるデータおよび情報が信頼しうるものである必要があります。情報利用者から被監査対象に説明責任を求める領域は拡大していくと考えます。

その情報の信頼性を確保するために私たち監査法人が存在しています。

私たちは、長年にわたり財務諸表監査・内部統制監査を通して情報の信頼性を確保するにあたり必要な知識と技術を磨いてきました。これからはテクノロジーを活用して監査の高度化と効率化を両立させ、人は判断業務と被監査対象とのコミュニケーションに注力できるようにします。

被監査対象の将来予測に資する非財務情報を財務情報と一体的に開示する流れを受け、アシュアランス業務の領域は拡大し、監査で求められる知識と技術の領域が大きく広がっていきます。まだ制度上の監査領域にない情報に対してもブローダー・アシュアランス・サービス(BAS)としてサービスを提供し、クライアントが社会からの信頼を得るための支援へと発展させていきます。

そして、アシュアランス業務で培った専門的な知識と技術を活かし、信頼基盤となる規範や制度を構築し、デジタル時代においても安心できる社会の実現に貢献していきます。

PwCあらたの「業務変革」 ―アシュアランスの将来と今―

Tomorrow - Beyond リアルタイム監査――PwCあらたが考えるリアルタイム監査像

リアルタイム監査による高品質化

従来の監査は、被監査会社の担当者から提供されるデータや証憑書類をもとに、四半期や年次で行われてきました。これからの監査は、被監査会社および監査法人のデジタル化により大きく変化すると考えています。

被監査会社のデジタル化は、自動で連携されたデータを標準的な形式でDataPlatformに格納し、蓄積されたデータをAIなどのテクノロジーがリアルタイムに分析することを可能にします。AIの活用が進むと、全ての取引や項目に対して監査を実施する精査を採用できるだけでなく、人間特有のバイアスを排除して異常か否かを検証できるようになります。監査人は、異常と判断されたデータに対して迅速に詳細な検討を行い、適時に被監査会社との深いコミュニケーションを取れるようになります。そして、任意のタイミングで監査が行われるようになり、投資家の判断に有用な情報の開示が促進され、投資家との対話が活性化されることで重要な社会課題の解決に貢献していくことでしょう。

リアルタイム監査の実現に向けた一歩として、私たちは監査業務変革の取り組みを進めています。監査業務変革の取り組みが有機的一体として機能するようになったとき、リアルタイム監査が実現され、監査はより高品質化かつ効率化されると考えています。

Tomorrow-Beyond リアルタイム監査像

Next Generation Audit――新たな監査体制の構築に向けて

監査品質を高めながら効率性を実現

Next Generation Audit(NGA)では、PwCグローバルネットワークが世界共通で利用するさまざまな監査ツールをプラットフォームにのせ統合し、データ自動連携から監査調書の作成までを一貫して行います。リアルタイム監査の実現にはNGAの導入が前提となります。NGAのプラットフォームは被監査会社の会計システムから取得したデータを標準化して取り込むことで、プラットフォーム上にあるさまざまな監査ツールとシームレスに連携し、データを最大限活用しながらインサイトを引き出すことで、高品質な監査と業務の効率化をともに実現します。

Today - リアルタイム監査の実現に向けた監査業務変革の取り組み――テクノロジーを活用して、監査チームでリアルタイムな連携を目指す

監査業務変革の取り組みと監査品質を支える要素の関係性

監査の品質は、職業的懐疑心、重要性、監査証拠の十分性や適切性、監査手続の適時性、十分な監査調書のレビュー、監査スタッフ間の十分な意思疎通など、さまざまな要素の複雑な相互作用により変化します。監査業務変革の取り組みは、監査品質を支える要素のいずれかに影響し、監査の品質向上に寄与します。

Today リアルタイム監査の実現に向けた監査業務変革の取り組み

主要メンバー

近藤 仁

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

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宮村 和谷

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

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尻引 善博

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

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神戸 寛史

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

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鈴木 智佳子

パートナー, PwCあらた有限責任監査法人

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久保田 正崇

執行役副代表, PwCあらた有限責任監査法人

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