ブロックチェーンビジネスにおいて求められるサイバーレジリエンスの再構築

  • 2026-10-22

はじめに

暗号資産をはじめとするブロックチェーン関連サービスは、投資・決済・資産保全を支える金融インフラとしての存在感を高めています。一方で、暗号資産はインターネット上で移転可能な財産的価値であり、攻撃が成功した場合には短時間での資産流出に直結し得るという特性があります。近年では、署名鍵の盗難にとどまらず、ソーシャルエンジニアリング、外部委託先への侵入、サプライチェーンを介した攻撃など、ブロックチェーン関連事業者を取り巻く脅威は一層高度化・複雑化しています。

加えて、生成AIをはじめとするフロンティアAIの進展は、攻撃者の能力を押し上げる可能性があります。脆弱性探索、攻撃経路の特定、フィッシングの高度化、マルウェア開発支援などが低コスト化・高速化することで、従来以上に迅速かつ実効性のあるサイバーリスク管理が求められます。

本稿では、改正金融商品取引法、フロンティアAIへの対応、経営陣の関与、リスクベースアプローチ、暗号資産業界特有の留意点の5つの観点から、ブロックチェーン関連事業者に求められるサイバーレジリエンスの再構築について考察します。

なお、文中の意見は筆者の私見であり、PwCJapan有限責任監査法人および所属部門の正式見解ではないことをお断りしておきます。

目次

  1. 拡大する暗号資産関連のビジネス領域とリスク
  2. 規制対応を超えて問われる、暗号資産ビジネスの統制力
  3. フロンティアAIが変える、サイバー攻撃の速度と精度
  4. サイバーリスクを経営のトップアジェンダに引き上げる
  5. ガイドラインを出発点に、実効性あるリスク管理へ
  6. 暗号資産固有の攻撃シナリオにどう備えるか
  7. おわりに

PDFダウンロード

( PDF 871.27KB )
( PDF 10.49MB )

執筆者

PwC Japan有限責任監査法人
リスク・アシュアランス部
パートナー 須田 真由

PwC Japan有限責任監査法人
リスク・アシュアランス部
マネージャー 望月 夕衣