
「スマートシティで描く都市の未来」コラム 第89回:ユーザーの課題・ニーズ起点のスマートシティサービスの考え方
スマートシティサービスは国内で多くのプロジェクトが進められており「スマートシティ官民連携プラットフォーム」でも2024年6月時点で286件の掲載が確認できます。多くの実証実験が実施されてきたその次のステップとして、実装化が大きな課題となっています。本コラムでは実装化を進める上で、キーとなりうる考え方を紹介します。
2021-05-25
2020年10月に菅義偉首相が所信表明演説でカーボンニュートラルに言及して以降、日本国内でCO2排出量削減の議論が活発化しています。国内CO2排出量全体の約2割を占めているのが運輸部門(自動車を含む)であり、排出量削減への取り組みに大きな期待が寄せられていますが、自動車のCO2は走行時に排出されるものだけではありません。CO2排出量のゼロ化を目指すにあたっては、ライフサイクル全体(自動車・バッテリー製造⇒運搬⇒利用⇒廃棄 )を見渡したうえで取り組む必要があります。そのためには、1. 自動車のライフサイクル全体で使用される電力を再生エネルギーなどのクリーンなエネルギーでまかなうこと、2.クリーンなエネルギーが活用できる電気自動車が普及すること、の2点は必須と言えます。海外では米国オハイオ州のコロンバス市、国内では横浜市や京都市などに代表されるスマートシティにおいて電気自動車の普及・導入は不可欠であり、そのメリットや導入に向けた施策を整理することが求められています。
電気自動車の普及は、走行時のゼロエミッションにつながるだけでなく、自動運転と組み合わせることで、生活サービスや公益サービス、エネルギーなどの領域も含めて、環境負荷が少なく持続可能な社会の構築を推進します。電気自動車をスマートシティに導入するメリットは以下のように考えられます。
スマートシティへ電気自動車を導入することで、環境のクリーン化や生活の質(QOL)の向上、効率的な都市運営のなどのメリットが享受できると考えられますが、それには電気自動車自体が今以上に普及している、という前提が必要となります。そのためには、電気自動車の導入を優先的に進めるための、包括的な導入支援策を立案・実行する必要があります。例えば、以下が施策例として挙げられます。
PwCは、スマートシティにおける電気自動車の普及および利活用を念頭に、包括的な導入施策立案を支援していきます。
スマートシティサービスは国内で多くのプロジェクトが進められており「スマートシティ官民連携プラットフォーム」でも2024年6月時点で286件の掲載が確認できます。多くの実証実験が実施されてきたその次のステップとして、実装化が大きな課題となっています。本コラムでは実装化を進める上で、キーとなりうる考え方を紹介します。
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