スマートシティと都市開発

2020-03-10

国連データ※1によると都市部人口の割合は2050年には全体の7割近くに達する見込みです。こうした都市化の進展に伴い、都市を支える社会インフラ需要の拡大が見込まれています。同時に、法制度の整備や技術の発展により、低炭素化、電化、分散化、デジタル化などのメガトレンドを受けた新たな都市構造(スマート化)への転換が進みつつあります。国際標準化団体においても、新たな都市の価値向上の実現に向け「ISO37120(都市サービスと生活の質のための評価指標)」「ISO37153(都市インフラ成熟度モデル)」などの客観的指標が策定されています。

また、ビッグデータ活用、セキュリティ、個人データ保護、相互運用性やガバナンスなどの新たなルール整備が課題となる中、世界経済フォーラムと内閣府が中心となり「G20グローバル・スマートシティ・アライアンス」が設立されました。これによって、スマートシティにおけるデータやデジタル技術を利用するための基本原則やガイドライン策定といったグローバルな枠組み作りも進められています。

こうしたG20による枠組みと並行して、日本政府は「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義される「Society5.0」に基づいた日本版スマートシティのインフラシステム輸出といった海外展開を思い描いています。

一方で、日本国内では2018年から2019年にかけてさまざまな自然災害に見舞われ、事前防災やBCP(被災時の事業継続)対策の重要性がますます高まっています。にもかかわらず、防災面の標準化(事前防災のフレーム)はいまだ十分に整備されていません。日本政府は経済産業省による電力レジリエンスワーキンググループなどで対策を進めていますが、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、またその後も持続的成長が期待される日本の都市開発にとって重要な課題として残っています。

政府の目指すスマートシティの姿はSociety5.0の先行的な社会実装の場であり、またIoTやビックデータなどの先端技術を活用し、都市の課題や地域格差の解決を図るものです。スマートシティに向けた取り組みを進め、地域の期待に応えていくことで、データの利活用によるソリューションやサービスで分野横断的に都市の差し迫った課題(医療・福祉、移動や輸送、災害対応など)を解決することができ、都市の全体最適化につながるものと考察されます。

詳しくは「2050年 日本の都市の未来を再創造するスマートシティ」レポートをご覧ください。

※1 2018 Revision of World Urbanization Prospects United Nations

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