PwCアドバイザリーでは、M&Aやグローバル企業における困難な危機対応の中でも企業価値の毀損を防ぎ、企業価値向上を実現するために本社でコントロールされた危機対応と、攻めと守りの双方向からの実効性の高いガバナンス導入を支援します。

危機対応・ガバナンス強化

 

経営環境の変化とガバナンスの重要性

企業がさらなる成長を遂げるために「レジリエンス」が求められる一方、企業を取り巻く経営環境はますます複雑化すると同時に、ステークホルダーからの企業価値向上に対する要求も同様に強まっています。こうした状況下、グローバルに事業展開している企業や、さらなる成長を求めて海外進出を検討している企業は、グローバルスタンダードに準拠した実効性のあるガバナンスを構築しなければなりません。
さらには会計などの不正や品質問題などに起因し、企業・組織が突如として危機的状況に直面するといったケースも増加する中で、経営者にはダメージをコントロールし、最小化することも求められます。

このような「レジリエンス時代」のマネジメントにおいては、企業グループ全体のかじを取り、変化に対応するためのM&Aを含めたポートフォリオ戦略の構築と、グループ再編による変革にガバナンスを連動させたレジリエンス経営基盤の確立、さらには、サステナビリティを含む規制環境や関連するリスク対応の見直しを継続的に推進していくことが不可欠です。
このようなグループの変革を進める上で、組織を適切に機能させるための仕組みであるコーポレートガバナンスの高度化はその土台となります。コーポレートガバナンス高度化に向けた対応アジェンダは多岐にわたりますが(図表1)、企業経営の各局面で、求められるアジェンダに取り組んでいくことが重要です。

図表1:コーポレートガバナンスの主な対応アジェンダ

企業のグローバル化に伴うガバナンス課題

企業がM&Aを通してグローバルな事業展開を推進していく過程では、買収後のガバナンス構築が不十分で、現地の経営陣による不正やコンプライアンス違反が発生するケースや、逆に過剰にコントロールを進めた結果、現地の事情を反映した機動的な事業運営や優秀な人材の活用ができないといった課題が浮き彫りになるケースが散見されます。
これらの主な原因として、ガバナンス整備の現実的なロードマップが策定されておらず、企業グループとしての経営方針の現地経営陣への浸透不足や、子会社の経営を規律付けるための仕組みやルールの不備などが生じていることが考えられます。
このような状況を放置してしまうと、海外子会社に端を発したグループ価値の毀損、ひいてはグループマネジメントの管理責任が問われる事態にもつながります。

以上のようにグローバルに事業を展開している企業においては、グループ各社が本社の経営方針に基づき適切なルールに準拠して事業運営を行うことが不可欠であり、ガバナンスをグループ全体に浸透させることの重要性は一層増しています(図表2)。

図表2:グループ一体での運営には適切なグループガバナンスが重要

グループガバナンス強化のための対応

グローバルスタンダードに準拠したグループガバナンスという観点からは、以下の5つの要素(図表3)が特に重要です。
これらは、企業グループとしての企業価値向上において鍵となる「グループ会社とそのマネジメントに対するガバナンス」および「グループとしての経営最適化」を達成するための仕組みとなります。

  1. グループとしての運営ルール(機関と役割権限)
  2. 関係者で合意された事業計画とKPI
  3. レポーティングとモニタリング態勢
  4. グループリスクマネジメントと内部監査
  5. グループ会社経営陣の任免・評価・報酬

グループガバナンスを効かせるためには、これらの各要素の設計・導入を、グループ経営方針や組織体制といったその他の要素とも絡めつつ、有機的に連動するように一貫性をもって取り組んでいくことが重要です。

図表3:グループガバナンス強化に求められる5つの要素

突如として発生する危機への対応

昨今、会計などの不正や品質不正(リコール問題)、各種の法令違反などに起因して、企業が突如として危機的状況に直面する事案が増加しています。常日頃からガバナンスの強化に努め、社内コンプライアンスや内部統制の強化などを推進している企業であってもこうした事案が発生する可能性はあり、危機対応は経営上の重要課題となっています。

危機対応の難しさ

企業・組織の危機対応の難しさは、以下のような点にあります。

  • 現場やマネジメントには「内密に社内や現場で対処したい」「できる限り小さく処理したい」という心理が強く働き、情報の小出しや過小報告がなされたり、事態が過小評価されたりしがちです。
  • 事業存続を左右しかねない難しい判断を短期間に数多く求められる状況に陥るも経験がなく、その特殊な対応ノウハウを有していない場合がほとんどです。

事前準備の重要性

最も重要なのは、回避・予防の取り組みです。これにはコンプライアンスや内部統制の拡充、リスク管理体制の整備、危機対応マニュアルの整備、重要リスクへの対応シミュレーションなどがあります。
事態を過小評価し初動対応から誤ることで、損害の急速な拡大により事業存続が難しくなるケースも数多く見られます。リスクが発生してしまった場合には、初動対応の重要性を認識して行動することが大切です。

図表4:危機対応時の難しさ

PwCのサービス

M&A実行局面での検討

グループガバナンスの観点からは、伝統的な財務、税務、法務といったデューデリジェンスに加えて、対象企業のガバナンス状況、コンプライアンスリスクの管理状況についても調査を行い、グループ企業に迎え入れるにあたって問題はないのかをしっかりと見極めることが必要です。
また、課題が検出された場合でも許容あるいは対応可能なものとして進める時には、課題解消の施策をPMI(Post Merger Integration)に反映していくことが重要です。事前の検討結果を元に子会社化後のあるべき運営体制を想定しておくことで、買収完了後、速やかにガバナンスを効かせることが可能となります。
特に大規模なM&Aの場合には、既存のグループ会社も含めガバナンスの枠組みが大きく変わる可能性があることにも考慮が必要です。
また、不正やコンプライアンス違反の抑止という観点では、対象企業のマネジメントのイニシアチブの下でどのように内部統制システムが構築され、実効的な経営管理が実践されているかを検証しておくことが、不測の事態の発生を防ぎ、企業価値の毀損を予防する意味で重要です。

PwCアドバイザリーは豊富な経験と知見に基づき、M&A対象企業のガバナンス、コンプライアンスに関するデューデリジェンスから課題を検出するだけでなく、買収後の企業価値向上の取り組みまでワンストップで支援します。

*デューデリジェンスについてはこちらをご参照ください。
*PMIについてはこちらをご参照ください。

危機管理と危機対応

マネジメントには不正・不祥事などを未然に防ぎ、有事となった際にも経営に対する影響を最小限に抑えることが求められています。危機の発生を未然に防ぐためには、平時の段階で自社に内在するリスクをあらかじめ評価し、有事における対応方針を定めておくことが肝要です。

危機管理に関する平時の対応

PwCアドバイザリーでは、危機管理に関する平時の体制構築支援にとどまらず、企業価値向上を阻害するリスクのより広範な特定・評価、リスク管理プログラムの構築、プログラムの実行・モニタリングなどからなる統合的なリスク管理体制構築の支援を提供しています。
平時の危機管理体制を社内で構築するだけでなく、外部専門家の客観的な目線をタイムリーに活用することで、万が一の際にも企業価値の棄損を最小限にとどめる仕組みへとつながります。

危機発生時の迅速かつ効果的な対応

危機が発生した場合には、迅速かつ的確な対応を各ステークホルダーから求められます。
危機対応に必要となる社内外(対メディア、ステークホルダー)のコミュニケーション、社内や第三者委員会の原因究明調査・再発防止策の策定、危機対応に関する会議体の運営、事業継続性の確認、リスク把握・影響分析、危機対応計画やロードマップの策定、資金調達や資本増強など、必要なサービスをワンストップで提供します。

危機対応後の事業回復支援

危機対応後においては、毀損した事業価値と信頼の回復に向けた取り組みが必要不可欠です。
事業価値回復に向けたKPIの設定や、取り組みの検討から実行、モニタリングまで、一貫した支援を行います。

継続的な変革の推進

グループとしてコーポレートガバナンスの高度化を進めるには、本社マネジメントおよび各種会議体(取締役会、経営会議、リスク管理委員会等)の下、グループを統括するための意思決定メカニズムが適切に機能している必要があります。
PwCアドバイザリーではこうしたコーポレートガバナンス領域に関して、取締役会における「監督と執行のあり方」の見直し検討支援や、事業ポートフォリオ見直しに係る意思決定の支えとなる投資基準や、事業撤退基準などの検討支援を提供しています。

また、グループ各社に対してガバナンスを効かせていくには、グループガバナンス強化に求められる各要素のうち、項目間での整合性を確保し、連動するような形で構築していく(図表5)ことが重要です。
グループガバナンスの強化においては、権限移譲を含む「グループ運営ルール」の再構築から着手するケースが比較的多く見られますが、各企業が直面する課題の状況に応じて、適宜優先順序を付けながら検討を進めることが重要になります。

図表5:グループガバナンス各要素の連動イメージ

図表5 グループガバナンス各要素の連動イメージ

グループ運営ルールの再構築

グループ運営ルールの再構築においては、「①原則・方針→②基本ルール→③機能別運営ルール(本社側およびグループ会社側)」という流れで、徐々に詳細化を進める形で検討・更新を進めていきます(図表6)。

「①原則・方針」の段階では、ビジネスモデルと整合した形でガバナンス方針を設定し、本社とグループ会社の基本的な役割関係などを定義し直します。
「②基本ルール・仕組み」では①を踏まえ、グループとして行う意思決定やモニタリングの内容を関係会社の管理規程に反映していきます。
「③機能別の運営ルール・仕組み」においては、①や②を踏まえた各機能領域でのグループ共通ルールの整備・見直しや、必要に応じてグループ会社側の規程の修正対応などを進めていきます。

また、これらのルールについてはグループ内で繰り返しコミュニケーションを行い、グループ各社で実効的な導入がされることを担保する必要もあります。

PwCアドバイザリーでは、課題の特定、将来像や方針案の検討、関連するルール類のドラフト、導入・浸透のためのコミュニケーションまで、グループ運営ルールの再構築に向けて必要となる一連のプロセスを一貫して支援します。

図表6:グループ運営ルールの再構築に向けたプロセス

事業・子会社の実態把握と課題特定

たとえ具体的な問題が発生していない場合でも、海外子会社をコントロールできず経営実態が見えない、買収先の管理体制やコンプライアンス体制が不安、といった場合には、対象企業の実態調査を行うことが有用です。このような場合、まずは比較的広範かつ短期間で初期的な実態調査と課題整理を行い、今後の方向性や初期的な改善策を整理した上で、領域を絞って詳細検討を進めていくことが効果的です。

PwCアドバイザリーではガバナンスに関する実態把握・課題整理の支援実績を多く有しており、「①調査設計→②インタビュー・分析→③結果の取りまとめ」といった一連のプロセスを効率的に実施することが可能です(図表7)。
こうした実態調査の結果を踏まえ、リスクに応じた優先順位を付けた上で、個別の改善施策を検討していきます。

図表7:実態把握と課題特定のプロセス

子会社経営陣のリテンションおよび任免・評価・報酬マネジメント

子会社に対するガバナンスのルール・仕組みの実効性を担保し、グループ経営戦略をグループ全体に浸透させるためには、子会社マネジメントの任免や評価・報酬に関わる権限を本社に集約し、コントロールできることが不可欠です。
具体的には、本社やグループの戦略・事業計画に紐付くKPIや評価基準を定義し、報酬におけるインセンティブの比率を高めます。その上で、本体・グループの業績や企業価値に連動する中長期インセンティブを導入・拡大する、同時に譲渡制限付き株式報酬やクローバック条項等の仕組みを採用する、といった施策が考えられます。また、各子会社のサクセッションプランニングを本社が主導し、現経営陣の任免や入れ替えを可能な状態にすることは、本社のガバナンスを機能させる上で重要です。こうした仕組みの構築・運用は、優秀な経営人材の確保・リテンションの実現にもつながります。

PwCアドバイザリーはこうした任免・評価・報酬の仕組み構築やその実行体制、運用プロセス、インフラの整備を支援します。


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主要メンバー

吉原 重之

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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小坂 洋平

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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迫田 宜生

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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緒方 俊亮

ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人

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竹内 信太郎

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

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長谷川 正平

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

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