非財務リスク(Non Financial Risk(NFR))管理に関するアドバイザリーサービス

非財務リスクとは

多くの金融機関では、バーゼル規制(BIS規制)の要請を受け、オペレーショナルリスクを定量化し、資本配賦する管理を実施してきました。この枠組みの下では、オペレーショナルリスクを定性・定量の両面で一体的に管理することに合理性がありました。しかし近年では、バーゼル規制の改定もあり、定性的管理と定量的管理を分離した上、定性的なリスクを一元的に管理する流れが見られます。

この背景には、従来のオペレーショナルリスクの管理方法では直接的には捉えにくいコンダクトリスクやコンプライアンスに係るリスクの高まり、それに伴うオペレーショナルリスクとコンプライアンスリスクの管理の在り方の再考などがあります。

また最近では、平常時のリスク管理に加え、危機時のサービス提供の継続性に係るオペレーショナルレジリエンスの重要性も着目されており、これらのリスクへの対応を一元的に行う上で、非財務リスク(Non Financial Risk(NFR))として再定義する流れが見られます。

特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する中、平時のリスク管理と危機時のリスク管理を一体的に捉える必要性はより高まっていると考えられ、今後この流れは加速すると想定されます。

PwCは、非財務リスク管理を自社のリスクに限定した管理ではなく、広くステークホルダーの期待に応える(アウトカムの達成)ためのリスク管理として捉え、管理体制の構築と運用を支援します。

主なサービス

PwCは、非財務リスク管理に関する以下のサービスを提供しています。

  • リスクタクソノミーの整備
    • サービス・プロダクト、プロセス、リスク、コントロール、リソースの定義
  • リスクガバナンスの構築
    • 定性リスクに係るリスクアペタイトフレームワーク、リスクアペタイトステートメントの制定
    • リスク委員会(取締役会)、リスク管理委員会、コンダクト・カルチャー委員会などのガバナンス体制整備
    • ビジネス部門長、CxOのリスク管理の役割責任の定義
    • 3つのディフェンスライン(3LoD)の整備
  • リスク管理フレームワークの構築
    • 非財務リスク横断のリスクコントロールフレームワークの整備
      リスクコントロールセルフアセスメント(RCSA)の見直し、コントロールアシュアランス体制の確立
    • コンダクトリスク管理
      リスクアペタイト・トレランスの定義(アウトカムの定義)
      コンダクトリスク管理プロセス(特定、評価、コントロール、モニタリング)
      ライフサイクル管理プロセス(新商品・サービス)
      コンダクトリスクの経営情報(MI)、ダッシュボード
    • 市場コンダクトリスク管理
      フロントオフィススーパービジョン(FOS)体制構築
      リスクアセスメントとサーベイランス高度化(統合サーベイランス、E-Communication)
    • サードパーティリスク管理(TPRM:Third-party Risk Management)
    • 人的リスク管理
      人材のライフサイクル管理、行動様式モニタリング
    • 内部不正/Insider Threatsの発見、防止
    • リスクモニタリングの高度化
      KRIの設定、データ・テクノロジーを活用したリスクモニタリング
  • オペレーショナルレジリエンス態勢の構築
    • PwCのオペレーショナルレジリエンスモデルによる成熟度評価
    • オペレーショナルレジリエンスプロセスの確立(重要サービスの特定、リソースマッピング、リスクアペタイト・トレランス設定、リスクシナリオ設定・ストレステスト実施、モニタリング・レポーティング)
    • オペレーショナルレジリエンスガバナンス体制の構築
  • リスクカルチャーの醸成
  • リスク管理システムの整備
    • GRCシステムの選定、導入
    • リスクおよびリスク管理データの整備
  • 事業戦略・計画に内在するリスク、コンダクトリスク分析サービス
    • 自社の事業戦略・計画、新商品・サービスに関する潜在的なレピュテーショナルリスク、コンダクトリスクの分析
    • データ・テクノロジー(AI)活用戦略に関する潜在的なレピュテーショナルリスク、コンダクトリスク、テクノロジーのインテグリティに関するリスクの分析
    • コンダクトリスクに該当する事案の提供・分析

主要メンバー

辻田 弘志

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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