グローバル・ミニマム課税と税務ガバナンス

  • 2023-11-01

はじめに

わが国の令和5年度税制改正により、いわゆるグローバル・ミニマム課税が導入されます。また、欧州連合(EU)をはじめとして世界各国においても同様の法制度の導入が進んでいます※1。グローバル・ミニマム課税への対応として、連結総収入金額が7.5億ユーロ(約1,100億円)以上の日系多国籍企業においては、今秋以降に本社税務部門の主導に基づき、必要情報の整理や国際最低課税額の影響額試算などの対応が本格化するものと予想されます(図表1)

同時に経営層は、税務を経営課題として捉える機会が増えており、企業グループの持続的な成長による中長期的な企業価値の向上を企業目的に掲げ、本社税務部門に対しても企業価値の維持・向上に貢献する部門としての高度化・変革を求めています。グローバル・ミニマム課税への対応を検討する際には、これらの企業目的を念頭にグループ税務ガバナンスの在り方を再検討し、効果的な施策を実行することが重要です。

本稿では、経営課題としての税務ガバナンスの在り方を俯瞰するとともに、日系多国籍企業における税務ガバナンスの現状を考察し、グローバル・ミニマム課税への対応を通じた税務ガバナンスの高度化・変革の例を紹介します。なお、文中の意見に係る記載は筆者の私見であり、PwCあらた有限責任監査法人、PwCオランダ(PricewaterhouseCoopers Belastingadviseurs N.V.)および所属部門の正式見解ではないことをお断りしておきます。

図表1 グローバル・ミニマム課税への対応準備と作業項目

1 経営課題としての税務ガバナンスの在り方

最近の国際税務の動向としては、2015年10月に経済協力開発機構(OECD)より公表された税源浸食と利益移転プロジェクト(BEPSプロジェクト)における最終報告書※2に基づいて、外国子会社合算税制(CFC税制)の強化や恒久的施設(PE)の定義見直しなどによる国際課税ルールの共通化の進展があります。特に移転価格税制においては、連結総収入金額が7.5億ユーロ(日本では1,000億円)以上の多国籍企業を対象とした企業情報の報告制度として、税務当局へのマスターファイルと国別報告書の年次提出が求められています。BEPSプロジェクトは、これまでの各国税務当局や企業・会計事務所の有識者を含む税務専門家グループによる制度設計とは異なり、2012年6月にOECDとG20における協働プロジェクトとして発足しました。2015年10月に最終報告書がG20財務大臣・中央銀行総裁会議へ提出され、同年11月にG20サミットにおいて各国首脳が政治合意し、成立しています。グローバル・ミニマム課税の導入も同様の流れをたどっており、OECDがリードする形で約140カ国の包摂的枠組みにより合意された国際課税ルールであり※3、2021年10月にG20サミットにおいて政治合意が達成されています。これらの過程は新聞報道等でも多く取り上げられ、経営層の観点からは外部環境の変化として自社および事業への影響を意識されるようになりました。

またBEPSプロジェクトは、一部の欧米多国籍企業において企業価値最大化を優先課題とする中での過度な節税策の導入による課税逃れに対して、各国税務当局が問題視したことが発端となっています。そのためBEPSプロジェクトの導入により、欧米多国籍企業において、各国のコンプライアンス規制の強化によって課税負担を抑える税務戦略の余地が減少した他、風評リスクの高まりにより情報の透明性や税務リスクの管理を強化する傾向が見られます。日系多国籍企業においても、コーポレートガバナンス・コードの導入や投資家の判断材料となるESGに関連した税務情報の開示などにより※4、企業価値の向上を意識した対応が必要であることが認識されています。これらの動向を踏まえ、経営の視点を踏まえて税務部門に期待される役割・機能を整理すると、(図表2)のようになります。

(図表2)からも分かるとおり、従来税務部門に求められている国内税務申告業務や国内税務調査対応は税務ガバナンスの土台となる税務コンプライアンスに位置づけられます。しかし、経営層が求める企業価値の維持・向上を図るには、国内外における税務調査・課税の結果として生じる二重課税やそれに伴う風評リスクを含めたさまざまな税務リスクの管理、およびグループ全体の実効税率を適正化するよう税務コストの削減を検討していく必要があります。これらを実現するにあたっては、海外子会社税務管理や国際税務(CFC税制・PE)、移転価格管理といった、海外を含めたグループ全体における税務ガバナンスの構築が重要になります。

さて、グローバル・ミニマム課税への対応を検討する際には、国際最低課税額の計算や情報申告といった税務コンプライアンスに着目しがちですが、その対応を通じてグループ全体における税務ガバナンスの拡充を図り、成果としての企業価値の維持・向上にいかに結びつけていくかが、今後ますます本社税務部門に期待されるようになると考えられます。

上記の税務ガバナンスに当てはめた場合、グローバル・ミニマム課税への対応は、CFC税制や移転価格管理(国別報告書への対応を含む)と同様に広義の国際税務業務と位置づけられ、また海外子会社税務管理に該当するものと言えます。すなわち、グローバル・ミニマム課税への対応を通じて、海外子会社から必要な情報を収集する仕組み(レポーティング体制)の構築と、それらの情報を活用した税務リスクの早期発見や税務コスト削減の余地を探っていくことが重要です。

なお、上記のような施策をすでに実務レベルで実現している日系多国籍企業は、一部の先進的な日系企業や欧米企業から買収した税務部門からノウハウを得ている日系企業に限られ、依然として多くはないと考えられます。

図表2 経営課題としての税務ガバナンス

2 日系多国籍企業における税務ガバナンスの現状

グローバル・ミニマム課税は、国際税務ルール共通化の総仕上げとして導入されるものですが、これまでの国際税務ルールの変更との相違点として、その影響が多岐にわたる点が挙げられます。具体的には、グループ内の情報収集システムや業務プロセスなどの広範囲に影響が生じることが見込まれることから、日系多国籍企業において社内リソースの配置や外部アドバイザーの活用方法、テクノロジーへの投資など各施策の整合性を勘案しながら見直しを行い、グループ税務ガバナンスの在り方に関する検討・吟味が必要となるものと思われます。2015年のコーポレートガバナンス・コードの制定以後※5、日系多国籍企業においてコーポレートガバナンスの強化に関心が集まっています。PwCでは、ガバナンスについて、「戦略」「組織構造」「人材」「業務プロセス」「テクノロジー」の5つの基礎的な要素から分析・評価するフレームワークを提案しており、ガバナンス体制の整備や高度化を支援する手法を確立しています(図表3)。税務ガバナンスについても同様に5要素を軸として評価を行い、課題の洗い出しや構築すべき税務ガバナンスの在り方、今後の対応の方向性などについて企業を支援しています。

図表3 PwC税理士法人が定義する税務ガバナンスの5要素

(図表4)は、日系多国籍企業と欧米多国籍企業における税務機能について、欧州統括会社を例として税務ガバナンスのフレームワークに基づき、5つの要素で比較しています。(図表4)からは、日系多国籍企業において、法令遵守の観点から税務コンプライアンスが重視されており(戦略)、それらは社内リソースの配置や外部アドバイザーの活用方法にも反映され(人材)、結果として少数精鋭の税務人材が付加価値を生み出しにくい労働集約型の税務申告業務に集中的に投下されていることが読み取れます。

一方、欧米多国籍企業においては、税務リスクの管理や税務プランニングを通じていかに税務コストを低減するかが重視されており(戦略)、これらは税務責任者のみならず現地経営層における重要業績評価指標(KPI)に組み込まれる形で税務への高い関心をもたらし、結果として社内リソースの付加価値業務への積極的な配置や外部アドバイザーへの一括アウトソースを含めた活用(人材)、税務業務の自動化・高度化のためのテクノロジーへの投資(テクノロジー)といった、経営課題として戦略性の高い意思決定および当該施策の実行へと反映されていることが分かります。

この比較で注意が必要なのは、日系多国籍企業と欧米多国籍企業では前提条件や環境が異なっている点です。例えば欧州統括会社について見ると、欧米多国籍企業の税務部門は大手会計事務所出身の税務専門家を含む数十人規模の組織であることも少なくないことに対して、日系多国籍企業の税務部門は3~5人程度の限られた税務人材で実務を回すことが多いのが一般的です。したがって、両者において税務人材に関して質・量ともに大きな乖離があることに照らすと、税務ガバナンスの優劣を議論することは意味を成さないものと考えます。

多くの日系多国籍企業では、これまでCFC税制や国別報告書への対応を含む国際税務業務において、税務コンプライアンスの確保を主眼とした必要最低限の対応方針を取ってきた経緯があります。グローバル・ミニマム課税への対応においても、税務ガバナンスの在り方(特に本対応を通じて何を実現していくのかの戦略)を見直さない限り、それらの延長線上で税務コンプライアンスの遵守が目的・判断基軸となって対応方針が検討されることになると想定されます。一方で、これらの対応に複雑性や高度な専門知識が求められることを勘案すると、内製化を前提にしたオペレーションモデルはすでに限界を超えており、また前述の経営の視点から求められる企業価値の維持・向上への貢献とも相反するものと言えます。

税務ガバナンスの在り方を見直すにあたっては、戦略として何を重視するかによって、社内リソースの配置や外部アドバイザーの活用、テクノロジーへの投資といった諸要素に影響を与える点に留意する必要があります。そのため、グローバル・ミニマム課税への対応を検討する際には、税務リスク管理や税務コストの削減を戦略に取り込み、欧米多国籍企業の動向を参考にしながら、各施策を検討していくことが推奨されます。税務ガバナンスのフレームワークからは、戦略を中心に残りの4要素の施策との整合性を見て、税務ガバナンスの有効性を判断することになります。また、税務人材が相対的に限られている実態に即した対応策について、各社の状況に応じて検討することになります。

次項では、グローバル・ミニマム課税への対応を通じた税務ガバナンスの高度化・変革の例をいくつか紹介します。

図表4 日系多国籍企業と欧米多国籍企業における税務機能の比較(欧州統括会社を例に)

3 グローバル・ミニマム課税への対応を通じた税務ガバナンスの高度化・変革

前述のとおり、グローバル・ミニマム課税への対応は海外子会社税務管理と位置づけられますが、税務ガバナンスの観点からは海外子会社から必要な情報を収集する仕組み(レポーティング体制)を構築し、それらの情報を活用した税務リスクの早期発見や税務コスト削減の余地を探っていくことが重要です。さらに、これらの施策を実施していく過程で、グループ全体における税務管理状況が「見える化」され、グループ税務ガバナンスの向上が図られていくことになります。従来の国際税務業務において、CFC税制や国別報告書などで収集した情報に基づく税務リスクの管理や税務コストの低減は、多くの日系多国籍企業において試行されてきたものと思われます。例えばCFC税制に関して、日本側における課税回避を念頭に置いた海外子会社における取引形態の見直しや実態性の充足について本社税務部門が主導して提案・実施することはよくあります。また海外子会社から収集した財務諸表や税務申告書に基づき、優遇税制の適用や税務上の繰越欠損金の活用などの現地側における税務コストの削減を検討することも、決して珍しいものではありません。また移転価格税制の観点から、国別報告書における情報収集の対象に営業利益額や営業利益率、移転価格税制上許容される利益率水準である独立企業間レンジを含めることで、本社税務部門においてハイレベルでの移転価格税務リスクの管理(および現地税制に基づく移転価格文書化規定の税務コンプライアンス状況に関わるモニタリング)を行っている事例も見受けられます。

しかしながら、これらの施策を通じて、グループ全体における包括的な税務リスク管理や税務コスト管理の実務への落とし込みまで成功した事例は必ずしも多くありません。その要因として、前述のとおり国際税務業務において税務コンプライアンスの確保を主眼に置いた必要最低限の対応が取られてきたことによって、財務諸表や税務申告書における情報粒度の違いや可読性(英語以外の言語の場合)、収集する情報量の不足、頻度による実効性・適時性など、さまざまな課題が生じた際に対処できる税務人材が限られていることが挙げられます。また、追加投資が必要となる情報収集システムや業務プロセスの変更も、費用対効果の観点から見送られることが多く、これらがボトルネックとなって実現を阻んできたものと言えます。

グローバル・ミニマム課税では、本特集の「デジタル経済課税 第2の柱(グローバル・ミニマム課税)の世界での法制度と会計の概況」で紹介しているように、連結会計制度を起点に国別実効税率を計算し、国際最低課税額を算定している点が特徴として挙げられます。これらはグループ内で共通の基準に基づき税務情報を収集する仕組みと捉えることができ、その活用例として、国別実効税率の計算のため収集された純損益からの調整項目(永久差異に相当)や税効果相当額(一時差異に相当)の情報を用いて、統一した基準に基づく税務コストの低減機会の模索が考えられます。

以前から、連結決算パッケージを用いた海外子会社の税効果会計(繰延税金資産・負債)の情報を税務コストの低減に活用する発想はありましたが、有効に用いられることは多くありませんでした。その理由としては、実務上は繰延税金資産の内訳を確認しようとしても会計上日本基準による区分と合致しない場合に、その他項目に含まれることで内容の把握が困難となる場合や、評価性引当金の計上額が必ずしも税務上の繰越欠損金の残高と一致していないこと、税務申告業務に携わる税務担当者が税効果会計に必ずしも馴染みがないことなどが挙げられます。グローバル・ミニマム課税において収集対象となる情報を整理する際には、税務コストの低減への活用を念頭に、必要な情報(受取配当・株式譲渡損益、繰越欠損金、税額控除など)を含めた設計を検討することが有効と思われます。

また、グローバル・ミニマム課税への対応を通じて算出される国別実効税率に着目すると、グループ全体において統一した基準による税務コストの管理も可能と考えられます。これまでも連結決算における制度会計対応では経理担当者主導で、法定実効税率からの乖離に関わる税率差異が分析されてきましたが、税務担当者が実務で携わる税務申告書や国別報告書(納付税額)を用いた実効税率と一致しないことから、税務実務において活用される機会は限定的でした。今後はグローバル・ミニマム課税への対応を通じて、税務担当者が主導する形で取引形態や利益配分の見直しなどによる国際最低課税額を是正していくことが求められ、グループ全体における税務コスト管理の観点から重要になってくるものと思われます。

さらに、グローバル・ミニマム課税導入後のバリューチェーンに対する再整理も必要となります。グローバル・ミニマム課税において、株式投資に関わる優遇税制や適格還付税額控除(QRTC)などは引き続き税務上のメリットが得られると考えられますが、事業活動に関わる投資優遇税制や研究開発税制、パテントボックス制度などでは実質的に税務上のメリットが失われる可能性があり、影響度合いを勘案して新規海外進出や代替投資先の検討、既存拠点への追加投資などの意思決定や、生産拠点や商流などの見直しを検討していく必要があると考えられます。

PwCの欧州ネットワークのデジタル経済課税対応チームによると、欧州多国籍企業においてグローバル・ミニマム課税の対応検討を機会に、連結決算システムの高度化に関する相談が増えています。具体的には、決算・申告プロセスを自動化・デジタル化し、従来の国内税務申告業務(法人税、付加価値税等)だけではなく、グローバル・ミニマム課税に関わる情報申告業務や各国における適格国内最低課税制度への対応を含め、エンド・ツー・エンドでの対応を模索するものとなります。欧州多国籍企業では、これまでも連結会計システムにて収集した税務情報を活用し、税務プランニングの検討や税務コストの低減を実現してきた背景を考えると、グローバル・ミニマム課税における国別実効税率の管理や国際最低課税額の是正策の検討も、システムを用いたシミュレーションなどを駆使して実現する動きが出てくると考えられます。

また欧州多国籍企業では、決算・申告プロセスの自動化・デジタル化によって税務コンプライアンスの促進を図ると同時に、付加価値機能として税務リスク管理を盛り込む事例も見られます。例えば付加価値税において、各取引に適用される税率の処理誤りを自動検知する機能を含めることで、リアルタイムでのリスク管理を実現しています。税務情報のデータ化は、特定の税務リスクに対応した効率的かつ効果的な税務データの可視化・分析が可能となっています※6。また、生成AI技術の飛躍的な伸展によって、大量の税務情報データから税務リスクの規則性やパターンの学習が容易になると考えられます※7。欧州多国籍企業は、決算・申告プロセスの自動化・デジタル化と併せて、これらの最新テクノロジーの活用も進めていくと考えられます。

日系多国籍企業では、特に海外子会社の税務人材が限られる現状を考慮すると、税務業務の効率化・高度化を行うために、デジタル技術を用いた自動化は有力な施策となります(図表5)。グローバル・ミニマム課税への対応を機に、テクノロジーへの戦略的投資を検討する必要があると思われます。

図表5 税務業務の特性に応じた効率化・高度化への対応

4 おわりに

グローバル・ミニマム課税への対応は、外部環境の変化として脅威であると同時に、日系多国籍企業にとって税務ガバナンスを変革・再構築する機会と捉えられます。具体的には、税務リスクの管理や税務コストの低減を通じた企業価値の維持・向上の役割を税務部門に持たせることになります。グローバル・ミニマム課税への対応のために、海外子会社から必要な情報を収集する仕組みを構築するとともに、それらの税務情報を積極的に活用するため、社内リソースの配置や外部アドバイザーの活用方法の見直し、テクノロジーの投資について検討・吟味が必要となります。

決算・申告プロセスの自動化・デジタル化は、日系多国籍企業において業務ノウハウの散逸やブラックボックス化の懸念によって導入が遅れがちですが、税務人材の維持や人手を介することによる処理誤り、マニュアル業務を含めることによる業務の属人化など、日系多国籍企業が直面するこれらの税務ガバナンス上の問題を解決するのに有効な施策となります。これまで少数精鋭の税務人材で行ってきた日系多国籍企業における税務業務の実態を勘案しつつ、テクノロジーへの戦略的投資と社内リソースの高付加価値業務への転換についても検討し、適切に実施していくことが望まれます。


※1 EUにおいて2021年12月22日に公表されたEU指令案は、2022年12月14日に正式に採択されています。
https://eur-lex.europa.eu/eli/dir/2022/2523/oj

※2 BEPS最終報告書は多国籍企業による各国の税制の相違点や不整合を利用した国境を超えた過度な節税策などへ対応するべく、15の行動計画に対する提言が盛り込まれています。
https://web-archive.oecd.org/2019-06-04/373714-oecd-presents-outputs-of-oecd-g20-beps-project-for-discussion-at-g20-finance-ministers-meeting.htm

※3 OECDが公表した「経済のデジタル化から生じる税務上の課題に対処するための2つの柱の解決策に関する声明」の概要
https://www.oecd.org/tax/beps/international-community-strikes-a-ground-breaking-tax-deal-for-the-digital-age.htm

※4 EUでは2021年12月21日に国別報告書の開示に係るEU指令が発効しており、2024年6月22日以降開始事業年度が情報開示の対象となっています。なおEU加盟国の判断で早期適用が可能のため、国内法導入の動向に留意が必要です。
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CONSIL:ST_9547_2021_INIT&from=EN

※5 コーポレートガバナンス・コードとは、上場企業が行う企業統治(コーポレートガバナンス)においてガイドラインとして参照すべき原則・指針を示したもので、金融庁による原案や改訂案に基づき、東京証券取引所により策定されています。
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/index.html

※6 PwC税理士法人ではPwCアドバイザリー合同会社とともに、マニュアルでは処理しきれない大量の取引データから、不適切な税務処理を効率的に抽出することで、各企業における税務リスク低減を図るサービスとして「Tax Risk Data Analyser」を提供しています。
https://www.pwc.com/jp/ja/services/tax/tax-technology-transformation/trida. html

※7 PwCでは2023年3月に人工知能(AI)のスタートアップであるHarvey社とのグローバルアライアンスを発表しています。同社のプラットフォームによる自然言語処理、機械学習、データ分析はPwCにおける法務サービス業務に活用され、また税務サービス業務を対象に現在ユースケースの開発が行われています。
https://www.pwc.co.uk/press-room/press-releases/pwc-announces-strategic-allian ce-with-harvey.html


執筆者

PricewaterhouseCoopers Belastingadviseurs N.V.
デジタル経済課税対応チーム EMEA地域担当
シニアマネージャー 秋山 賢介